ぼんやりとした「期待感」で売ろうとするPS3

「それは全くないですね(笑)」

ですっかり人気者になったソニー川西泉本部長(元ネタ)。
様々なマスコミでインタビューに答えており、どこもなぜか決まって連載を組むほどなわけですが、そのうちの一つの記事の最終回です。

【開発者インタビュー(最終回)】結局、「プレイステーション3」は“ゲーム機”としてはどうなのか? / デジタルARENA

連載した割には、中身がないところがさすがです。自分ではPS3の魅力をわかりやすく伝えているつもりなんですかね?何か言い訳じみた感じもするのですが。今回の記事で一番引っかかったのは以下の部分でしょうか。

――E3で出展されたゲーム機の中で、PS3が一番「こんなことができそうだけど秘密……」という要素が多かったですよね。

川西氏:持てるパフォーマンスから、コンテンツを想像できる範囲が広いんだと思いますよ。例えば今想像できる“PS2.5” みたいな範ちゅうでの進化は、僕らは望まないんです。もっとすごい“何か”は時間とともに見えてくると思いますが、半年や1年でそれが見えてしまうようなものではない。それだと予測可能な範ちゅうですからね。その先にぼんやり見えているものを、PS3に対する期待感と考えていただければいいんですが……。 (笑)

「半年や1年で見えるような可能性」を予測可能な範疇と切って捨て、その先の、まだ見えないものに期待してPS3を買えと。この人、自分でも何言っているか分かっていないんじゃないでしょうか?まずしょっぱな、半年や1年で見える可能性すらしめせていないじゃないですか。さらに、「その先にぼんやり見えているもの」って、あんた自身が見えていないのかよ!自分たちもまだ分かっていない将来性に対して、「期待感」だけで買ってくれと言っているわけですよね?なんだそりゃ、ってところです。
これじゃ、「いや、これ絶対あがりますから」「将来公開した際に大もうけできるから、今買わないと」と進める未公開株売りつけと大差ないじゃないですか。まだ見ぬ、自分たちも分かっていない将来性を、ただマシンパワーが高いという理由だけで勝手に誇張し、とにかく買ってくれと。ある意味、この先ちゃんと満足するサービスを提供するという決意表明ととれなくも無いですが、PS2、PSX、PSPと、ソニーの描いた誇大なサービス構想はことごとく中途半端で終わっていますからね。ほとんどオオカミ少年状態。こんな状態でも信じてくれるのは、根っからのソニーファンだけでしょう。(まあ、実際そういったソニーファンを多数抱えているからやっていけているんでしょうけど。)


ほかには、互換性についても、微妙な発言をしていますね。

――PS2のソフトは互換性があるそうですが、コントローラーの互換性はないんですか?

川西氏:残念ながら使えません。PS2のコントローラーやメモリーカードはPS2専用でしたが、今回はそういった規格をなくして、USBのインターフェースや汎用の各種メモリーが使えるようにしています。すべてが標準的な規格にのっとったものなんです。専用のインターフェースが将来的な足かせにならないよう、できるだけ共通化できるインターフェイスを採用しました。この点も最初にお話ししたように、PS3が将来の進化や拡張を視野に入れて考えられているからなんです。

これだけを読むと、PS2コントローラおよびメモリカード用のUSB拡張コネクタすらサポートしないようにも見て取れます。振動特許をさけるためには、そもそもPS2コントローラをつなげないようにすることが重要なんですかね?まあ、文章的には微妙な書き方ですので、実際には拡張コネクタが出ると信じたいですけど。


ともかく、相変わらずイメージがあやふやな状態のままですね、PS3は。Wiiも特に詳細なサービスまでは説明していないのですが、コンセプトだけは明確ですでに消費者に伝わっています。PS3の場合は、その大まかなコンセプトすら全然心に伝わってこないんですよね。このまま、単に頭でっかちのパワーを持った中途半端なコンピュータに、AppleまがいのサービスやPCで出来ていることを適当に乗っけただけのシステムができあがったとしても、全く魅力は感じないんですけどねぇ。ロンチまでにどの程度説得力のあるソリューションを見せられるのやら。