父来たる

 昨日は父親が田舎から出てきてたので池袋で飯を食った。結婚の気配はないのかと訊かれて、さっぱりですなあと答える。
 「どういうタイプが理想だとかないのか」
 「うーん……頭のいい人?」
 「頭のいいというのは、聡明ということか」
 「うん(ていうか、よくお判りで)」
 「聡明な女性というのは難しいな。なかなかいないんだよ」
 「うん、よく言われる」
 「cleverなんだけど、ただ賢いだけじゃなくて……clearなんだよな。で、joyfulでもあるんだよ。そういう女性を見つけるのは難しい。まあ、一種の女神だな」
 「ははは。そうだねえ」
 「だいたい、聡明といってももう通じないな。死語になってる。――でも、まあ、いないことはない」
 「え、そう?」
 「ああ、いないことはない。どこかに埋もれてるんだろうな」
 わははは。どこに埋もれてるんだろう*1。
 別になんてこともない会話なんだけど、「聡明」という言葉の指す実体を分析したのが印象的だったので、ここに書き記しておきます。

 

*1:おれはイデア界とかが怪しいと思うね。