フルタイム裸眼生活を半年続けて視力に変化はあったか

 久しぶりに眼鏡を新調した。前の眼鏡が壊れたのは去年の11/5だから、実に半年ぶりの眼鏡になる。視力の改善を試みていたのでちょうどいいやと、すぐに眼鏡を作らずに半年裸眼で過ごしてみたのだった。結果として、いろいろ変化があったので書き留めておく。
 自分の目は近視だけでなく乱視も入っていて、半年前までの視力は、右0.4、左0.1だった。この数値はかなり長い間(10年単位で)変化していなかったが、視力検査の際にはぼやけたランドルト環の向きをほとんど勘で当てていたから、実感としてはもっと低い。たぶん右0.3、左0.02くらいが関の山だったのではないかと思う。
 今回眼鏡を作るにあたって改めて視力を測ってもらったところ、右0.2、左0.2になっていた。左の乱視も軽くなり、物理的にレンズが薄くなった。
 
 視力を改善するにあたり、ハードウェア面とソフトウェア面で二つの仮説を立てた。
 目は筋肉で調節されているので、変な緊張を抜いてやれば視力のコンフィグがリセットできるはずと考えた(ハードウェア)。また、視覚情報が目から脳内に送り込まれた後でも、脳の画像認識システムによって視力が補正されうると考えた(ソフトウェア)。
 ソフトウェア面では脳の画像認識システムを直接いじる方法がないので、必ず視力が上がるという確信をセットするに留めて、おもにハードウェア面からのアプローチに絞り込んだ。
 試したのは、以下のリンクにある通りの脱力法。
 http://wikiwiki.jp/siryoku/?%C3%A6%CE%CF%A4%CE%A4%E4%A4%EA%CA%FD
 実際にやってみると、眼球周りの脱力でかなりダイナミックに視力が上下するのがわかる。部屋の壁に視力表を貼って実験すると数値でフィードバックが得られる。自分の場合、数秒間であれば両目視力0.6までは見えるようになった。
 継続的に試してみて、実感できる一番の変化は、乱視の見え方が変わったことだった。たとえば月を見たとき、それまでは月周辺がぼんやりと滲んで見えていたのだが、そのうち月が複数見えるようになった。つまり、近視が改善されて対象に焦点が合うようになったため、乱視を乱視として認識できるようになったということだ。それまでは乱視による複数の像が視野にあること自体が認識できていなかったわけで、けっこう驚いた。
 しかし同時に、常時裸眼のため目に負担が掛かり、いつも目をすがめている上にクマができて、どうも冴えない感じの顔になった。本屋で面陳された本のタイトルが読めないし、映画館に行く気にならないし、夜間の視認性が悪いしと、支障も多くなってきたので、半年経ってようやく眼鏡を新調したのだった。
 長年視力の数値には変化がなかったので、計測してはっきりと変わっていたのにはびっくりした。右が下がって左が上がったのは、裸眼で両眼視を続けていたため平均値に収束したのだろうか。
 久しぶりに眼鏡をかけたら目はぱっちり開いてクマもなくなり、だいぶ人相がよくなった。また、眼鏡をかけたときに緊張する部位も認識できた。首の後ろがごりごり言うし、肩胛骨の間が凝る。首の後ろと後頭部が目の緊張とつながっているのはわかっていたが、肩胛骨の間は新発見だった。
 これからはパートタイム眼鏡で実験を継続するつもり。

 それまで眼鏡をかけていた人がいきなりフルタイム裸眼で過ごすのはおすすめしない。PCの画面を見るときなどはやっぱり眼鏡があった方がいい。目が疲れて落ち窪んで、表情も乏しくなり、老けて見えるのでよくない。
 脱力法について、いくつか自分で試したなりのTipsはあるが、やったことのある人でないとわからないようなことだし、上記リンク先の視力wikiを読めばほぼ書かれているので試してみたい人はそっち読んでください。
 重要なのは、眼球周りを脱力させつつも意識は対象に合わせること。意識のカーソルがあると仮定して、それを対象にポイントさせ続ける。目以外も緊張しないように。呼吸が止まらないようにしていれば、自分の身体の緊張がわかる。それを抜いていく。そんな感じ。あんまり拘らずに、自分の眼球で遊ぶつもりで色々試してみるといいです。

DayZプレイ記録#2:ザ・レイルウェイ・マン

夜の海岸で目を覚ました。
ばつの悪い思いをしながら頭を振る。
…………まさか閉まった扉を勝手に抜けるとは思わなかった。
雨は降り続けている。同じ過ちは繰り返すまい。身体が冷える前に動こうと立ち上がった。
少し歩くと線路に出た。レールを辿っていけば街に着くだろうと考え、左に足を進めた。
読みは当たって、すぐに小さな集落が見えてきた。家々の間をゾンビたちがふらふらとさまよい歩いている。
まずいな、さっさと屋内に逃げ込もう――と思ったそのとき、ライトが投げかける小さな光の輪の中に、すごい勢いで駆け寄ってくるゾンビの姿が飛び込んできた。
「グワーーーーッ!!」
「うわあああーーーーっ!!」
慌てふためいて踵を返した。
線路伝いに逃げていくと、物陰からどんどんゾンビが寄ってくる。背後に入り乱れる足音は数える気にもならないほどだ。
集落をあとにして走り続け、涸れた川にかかった小さな鉄橋を渡り、野原の真ん中でおそるおそる振り返ると、最後まで追いかけてきたゾンビが私を見失ったのか、所在なげに橋の上でよろめいているのが見えた。
膝に手をついて息を整える。
振り切れたのが信じられなかった。疲れも知らずあんなに全力疾走できる奴らなのに。
もう一度あの集落へ戻る気にはとてもなれない。次の街はもう少し状況がマシであることを期待して、このまま線路を辿り続けることにした。
真っ暗だった空が徐々に明るくなってきたが、見渡す限り分厚い雲に覆われて、どちらが日の出の方角かも判然としない。
辺獄めいた灰色の光がぼんやりと地上を照らし、陰々滅々としたアポカリプティック・サウンドがどこからともなく響き渡る。
生きた人間はおろかゾンビの影すら見えない色褪せた草原を、錆びた廃線に沿って延々と歩き続けていると、自分は本当に生きているのだろうか、実は既に死んでいることに気付かず死者の国を彷徨っているのではないか――という思いが浮かんでくる。
いや、実際さっき一回死んだけど、そういうアレではなく。
森の中から現れた舗装道路が、線路の隣に並んだときにはほっとした。街が近いに違いない。元気を取り戻して、並行する線路と道路に沿って足を速めた。
行く手になだらかな傾斜で伸び上がる山肌が見えた。
線路と道路は、山を前にして唐突に切れていた。
え?
あれ?
ぽかんと口を開けて、足許で中断した線路を見下ろす。
線路を辿れば街に出るってDayZ @ wikiに書いてあったのに。
街ないじゃん。
山じゃん。
荒野にただ一人立ち尽くす私の頭上で、鐘の音のようなアポカリプティック・サウンドがごぉんごぉんと鳴り続けていた。

DayZプレイ記録#1:ミッドナイト・ラン

夜の海岸で目を覚ました。
よろよろと立ち上がってあたりを見回す。
雲に覆われた夜空には星一つ見えない。地面も木立も黒一色に塗りつぶされている。
真っ暗な中、聞こえるのは打ち付ける波の音だけだ。
――では、ついに来たのだな。
チェルナルース共和国。
歩く死体――ゾンビどもに支配された、旧ソ連の小国。
先に渡った友人たちを追うように、私もとうとう、この死者の地へと足を踏み入れたのだ。
動き出そうとバックパックを開いて――――しばし呆然と立ちすくんだ。
銃がない。
というかほとんどなんにもない。
ちょっと。
ちょっと待ってくれ。
包帯と痛み止めとフラッシュライトで原野にほっぽり出されてどうしろというんだ。
ゾンビがうろついてるのに銃はおろかナイフの一本もないのか。
マスターキートンじゃねえんだぞ。
このフラッシュライトで殴ったりできねえかな、といじくりまわすが、それ以前に点け方もわからない。くそ、なんだこれ。
そのうち雨が降ってきた。
草むらでうずくまっているとどんどん体温が奪われていく。
どこに行けばいいのか皆目見当が付かないが、せめて雨宿りできる場所を見つけようと、暗闇の中を歩きだした。
すこし行ったところに小屋を見つけた。誰もいないので、これ幸いと中に入る。
何か役に立つものでもあるかと思ったが、床に落ちているのは空き缶だけだ。
ようやくライトを点けるのに成功して、開け放たれた扉の向こうの草むらを光の輪が照らし出す。
このまま朝まで待とうかと思ったものの、寒くて震えが止まらない。
DayZ @ wikiによれば、走ると体温が上がるらしいので、小屋の中で運動することにした。
小屋の扉を閉めて、ライトを消すと本当に闇の中だ。
ライトを点けたまま走ると光が揺れて見づらくてしょうがないので、消した方がマシなのだった。
あちこちぶつけながら、狭い小屋の中を走り回る。
うん、いいぞ。あったまってきた。
それにしても、小屋の中で走っているはずなのに、やけに足の運びが快調だ。
足音もざっくざっくと、まるで丈の高い草の生えた荒野を駆けているような――――
――ってオイィィィこれ外じゃねえか!!
気付いたときには遅かった。
小屋の中でランニングしようとした私は、いつの間にか扉を押し開けて外に飛び出し、そのまま夜の荒野を全力疾走していたのだった。
ゾンビのうろつく荒野を。
ぎこちない足音と唸り声が、私の周りで一斉に沸き起こった。
愕然とした表情で走り続ける私に向かって、生者の肉を喰らう死者たちが殺到してきた。

パラダイスバード連載中

 俺のこよなく愛する漫画家、佐藤明機さん(http://www14.plala.or.jp/batcave/)の『パラダイスバード』が『月刊コミック@バンチ』で連載中ですが、ファンの皆さんはもうご存じですよね。
 以前の掲載誌『ピアニッシモ』が休刊して、人々を嘆き悲しませていたのですが、移籍して現在3話目、いよいよエンジンがかかってきた感があります。超嬉しい。
月刊コミック@バンチ 2011年 07月号 [雑誌] 月刊コミック@バンチ 2011年 08月号 [雑誌] 月刊コミック@バンチ 2011年 09月号 [雑誌]

異形たちによると世界は…

 COCOさん(http://horror.g.hatena.ne.jp/COCO/)のブログに掲載されていたクトゥルー四コマ『異形の群れ』が、タイトルを改めてとうとう単行本化。おめでとうございます。
 好きなシリーズだったので、本になってとても喜ばしい。心配していたロイガーの行く末もフォローされてた。よかった。ロイガーかわいいよロイガー。コリン・ウィルソンが聞いたらなんだと思うべな。
 四コマだけでなく、ショートショートのストーリー漫画も何本か収録されていて、個人的にはこっちの路線も大好きです。クトゥルー神話を題材にしているのは共通しているものの、中身はド直球な定番ネタから一ひねりしたものまでいろいろ。四コマ、ショートショートともに、『今日の早川さん』のキャラがちらほらカメオ出演しているのもファンには楽しいところです。
 タイトルの元ネタが『ガープの世界』の原題ということを知らなかったのは俺だけでいい。

異形たちによると世界は…

異形たちによると世界は…

ドイツ写真

 二年ぶりにEssen Spielに行ってきたでござる。現地で撮った写真を少し載せておきます。
 
 デュッセルドルフ駅前のタクシーターミナルで見つけたカメムシ。

 ライン川沿いの道にいっぱいいた鳥(アジサシ?)

 紐を取り合って遊んでた犬。

 ビールの中に飛び込んできて溺れた蜂。
 助け出したら、酔っ払ったのか疲れたのかおとなしかったのでしばらく観察できた。
 しばらくしたら回復してまた飛んでいきました。

 あとはフランクフルト国際空港内のターミナル間移動モノレールから撮ったクレーン特集じゃ。
 たまらんね。




シノビガミ・リプレイ戦

 こちらも宣伝、忍者TRPG『シノビガミ』のリプレイが富士見ドラゴンブックからも発売中であります。おかげさまでなぜかご好評いただいておりますマイキャラ、飯綱幻蔵も新紀元社版から出張っておりますので、あわせて読んでいただけるとたいへん嬉しゅうございます。あ、同じキャラが出てるってだけで完全に独立した話なので、こっち単独で読む分にはまったく問題ありません。シノビガミを知らない人にもおすすめ。
 いつもに増して妄言が多いリプレイであります。お楽しみください。