某ついったーで「ティアラ文庫新人賞作品がエロい」という話を聞いて思わず手に取ってしまいました。悪魔の虜囚となった天使が悪魔から陵辱されるというお話。
確かにこれまでに読んだティアラ文庫の作品群の中では飛びぬけてエロいんだけど、ひたすらエロシーンだけ選り抜いてつまみ食いしている間隔で個人的には物足りなかった。ヒロインが序盤で「口では嫌がってても身体は悦んでる」状態に突入してしまうのでなんだかなあ、と思ったのもあったし、相手の悪魔がヒロインに惚れた理由が「一目ぼれ」の一言で済まされているのも、そこに陥るまでの心の動きを読むのが好きな私としては興ざめ。
ひたすらエロシーンを書く事に注力してそこにいたるまでの流れはただテンプレに当てはめただけのように感じて、とにかく物足りないというか、どこかで見たような展開の詰め合わせみたいになっちゃってるのが辛かった。ヒロインが悪魔に一筋の優しさを見出して一瞬だけ心を許した瞬間に堕天の兆候が……という展開は上手いと思ったけど、そこまでやったんならそこからなしくずしに流されちゃわないでもう1抵抗してほしかったな。
せっかくの陵辱モノなのにそちらに徹し切れてないというか、全体的に「もう1波乱あっても」と思ってしまうんですよね。あとこれはティアラ文庫レーベル自体の方針っぽいけど何故いつもかませ犬が中途半端なんだ。思わせぶりに出てきた執事が実は魔王のスパイで、くっつくまえに魔王との対決が…みたいなの想像してたら執事はただの3P要員でガッカリしたよ!!!