今年はなんと年末年始が出勤じゃない、ということで張り切って振り返りを書いていました。面白いものに触れたらなんだかんだと語りたいことはあるし、言葉にしておかないと忘れちゃうことがたくさんあるので、来年はもう少し普段からブログを書くようにしたいなあとか。
今年はなんと年末年始が出勤じゃない、ということで張り切って振り返りを書いていました。面白いものに触れたらなんだかんだと語りたいことはあるし、言葉にしておかないと忘れちゃうことがたくさんあるので、来年はもう少し普段からブログを書くようにしたいなあとか。
電子書籍の方が手軽で正直読みやすいが、お気に入りの小説は実体として本棚に並べたい。そんなアンビバレンツ。……両方買えばいいのでは?
なんだかんだやっぱ今年読んだ小説では「地雷グリコ」が面白かったよねと(発売は去年ですが)。じゃんけんのような一般的なゲームに特殊ルールを追加することでぐっと戦略の幅を広げる対戦ゲーム小説で、ミステリランキングを席巻したのも納得のロジカルな読み合いや策略は抜群の面白さ。そして急に巨大感情の百合になるのも今らしい小説だと思いました。
ただそういう話なので、文学賞レースに入ってきたのはびっくりしました。いやだってこれ、電撃文庫とかで出ても不思議じゃない作風だと思うのですが。もし直木賞とったらひっくり返ってたと思います。
ミステリだと今年文庫落ちした「黒牢城」。私は時代小説は完全に門外漢ではありますが、重厚な時代背景の描写と、城で起きる本格ミステリが、必然性をもって一つの小説を形作っているのが凄いと感じました。最後まで一切の緩みのない、端正な作品だったと思います。
「名探偵の有害性」はたぶんこれ、「少女を埋める」から始まって「彼女が言わなかったすべてのこと」の流れで読むべき話で、過去の名探偵の在り方を、今の時代から点検し直した時に何を語り得るかみたいな話なのかなと。何も語り得ないというところから、一つ一つを確認するように歩みを進めて、このバランスでエンタメは成立しうる、みたいな実験小説でもあると感じました。
いや普通に読んでも、探偵をめぐる物語として普通に面白く、今の年齢になったからこそ共感できるものもあったのですが、しかしこの道の先には何が残されているのだろうという気も。
両親を殺された少女と完全犯罪請負人を名乗る幽霊が復讐に挑むジュブナイルでありながら、パワフルな多重解決ミステリだった「少女には向かない完全犯罪」。本当に剛腕という感じで振り回される面白さ。
推しとアイドルをめぐる愛の物語の「星が人を愛すことなかれ」は、推す側も推される側も人であるが故にそこに生まれる様々な感情を先鋭化して、刺さる人を刺し殺す気で書かれたようなキレキレの一冊。今熱いテーマでこの切れ味、映像化してほしい。
ラノベレーベルでは1巻も大変面白かった「かくて謀反の冬は去り」が2巻もとても良かった。クーデターを成功させて奇智彦ですが、本当に大変なのは摂政になってからということで、陰謀渦巻く宮廷劇に一筋縄ではいかないキャラクターたちに翻弄されながら、どこに勝ち筋を見出すのかというところに面白さがあります。どこか飄々とした語り口も良いです。
「はじめてのゾンビ生活」はタイトルからはまさかの人類史SF。ゾンビ=新人類の発生から、差別や価値観の変化、社会の変容、宇宙進出から滅亡まで、断片的ながらその時の世界の空気を感じるエピソードで語られる人類の歴史はなかなかに壮大。また、コロナ以降ということを強烈に感じさせる小説でもありました。
まだ最新刊までは読めていませんが「ふつつかな悪女ではございますか」は、えっここから始められる百合があるんですか? からの玲琳と慧月の関係が大変よろしいです。
慧月はまあなかなかにアレなところはありますが、作中でも言われている通り、どんなにひどい状況でキーキー喚いて周りに当たり散らしたとしても、思ったことは真っすぐ口に出して行動するし、地べたをはいずっても最後のところでは逃げないところが良いなと。そんな彼女の良いところを周りが見つけて味方になっていってくれるというのは、凄く救いのある物語だなと思います。
その最大の味方にして厄介ごとをもたらす張本人でもある玲琳は、超人というくらいに凄いのだけど、周りの気持ちに色々と鈍感だったり、自分の扱いが雑だったり、境遇が境遇だけに本心を殺して生きてきたところがあったりと、あちこちに危うさがあって、そんな二人だからお互いの姿にお互いに無いものを見て、憧れを抱いているみたいな関係性がとても好みです。
なんというかこう、この光と影みたいカップリングに私しょっちゅう落ちてるよなと思うのですが、多分この二人の関係はプリコネのペコキャルにハマったのと同じ角度で刺さっている気がする。
電子書籍、場所を取らないのをいいことに高率のポイント還元時にまとめ買いをして、そして積まれるというループに陥りがち。
今年は映画きっかけで「ハイキュー!!」を一気読みした年だったなと思うのですが、本当に面白いですねこの漫画。学生スポーツのドラマをぎゅっと濃縮しながら、バレーボールの面白さを理解させられる試合の熱さがあります。試合の中では映画になった烏野vs音駒が好きです。孤爪研磨、良いよね……。
「メダリスト」は大会の時のそれ以外の時ももうずっとメーター振り切って面白いので凄いです。大人たちの会話にピリピリし、いのりの覚悟にゾワっとする。この先も楽しみだし、アニメも楽しみです。
こちらもアニメ化が決まっている「ウマ娘シンデレラグレイ」。ジャパンカップのフォークインが滅茶苦茶刺さりました。オグリとの関係も良かったし、本当に史実を創作に仕立てるのが上手い。
そんな感じで熱いスポーツもの3作品でしたが、ジャンルを変えてファンタジー系で、思わずナナチーーーー!! と叫んだ「メイドインアビス」最新刊。いや、本当に、つくし卿は早く続きを描いてくれませんかね……。
そんなつくし卿が帯文を寄せていた「イズミと竜の図鑑」は、濃密なファンタジー世界、美しい雰囲気と洒落た会話、竜の図鑑を作るために実地取材に出る冒険要素、繊細な絵柄にハッとする表情と全部が詰まっていて素晴らしいです。本当に凄いのでもっと話題になっていいと思います。
ファンタジーでも雰囲気をガラッと変えて「異世界美少女受肉おじさんと」ですが、最新刊で女体化TS男×元男の一番おいしいところを流れるようなコンボでたたき込んできてひっくり返りました。完全に油断していた。いやーーー橘それは反則でしょ。
異世界転生ものということで「クライマックスネクロマンス」。まだ始まったばかりでどう転ぶか分からないところはありますが、思惑が錯綜しお約束を予想外のところで外してくる感じが原作 水上悟志を感じて面白くなりそうな予感。
現代が舞台の作品で、「虚構推理」は連載もだいぶ長く続いてきましたが、ここにきて登場の新キャラ 宇喜多真理奈がまさしく城平作品ヒロインという感じ強かな性格と可愛さがあって素晴らしかったです。個人的には雪女クラスに人気が出てもいいんじゃないかと思いますが、いかに。
あとこちらも連載長くなってきましたが、「百木田家の古書暮らし」は三姉妹もの&うだうだとした恋愛模様という冬目景作品の美味しいところが出ている作品で好き。
そしてついに連載版が完結した「アイドルマスターシンデレラガールズU149」。最後まで巣立っていくアイドル達への温かい視線に満ちた素敵なマンガでした。
廾之先生、本当に素晴らしい作品をありがとうございました。晴梨沙が一推しになったのはこのマンガのおかげです。
そして紙媒体での一般書店流通を止めてこの素晴らしい作品が手に取られる可能性を損ねた当時のサイコミのこと、私は決して許すことはないでしょう。
F12024シーズンはフェルスタッペンの連覇に終わりましたが、後半から突如レッドブルの牙城が崩壊して思った以上の混戦となり、面白いシーズンだったと思います。やっぱり、年間ほとんどすべてのレースを一人のドライバーが勝つよりは、今週は誰が速いだろうと思える余地がある方が面白いです。
しかしまあ、開幕前は他チームが真似てきたコンセプトを更に尖った進化をさせて、開幕後も連戦連勝だったレッドブルがここまで崩れるとは。ホーナーの疑惑から始まり、ニューウェイの離脱や、ペレスのシート問題まで、レース外のごたごたで崩れていったように見えるのが、実にF1的であるというか、盛者必衰の理でありました。
そしてマクラーレンが復活のコンストラクターズタイトルを獲るというのも、シーズン前には予想もできなかったことで、古豪の復活はあのどん底のホンダ時代から良くここまで持ち直してきたと感慨深くもあります。F1と言えばフェラーリ、マクラーレン、ウィリアムズという気持ちは、オールドファンとしてはまだまだありますので。
ノリスとピアストリというドライバーもバランス良く、来年はチャンピオン争いにも期待がかかりますが、ノリスの垣間見せた脆さや、両ドライバー間の争いの種が、年間通してチャンピオン争いをする中でどうなるのかは来年の見どころだと思います。
中段に目を向けると、初の日本人チーム代表となった小松さんのハースがダーティーな戦略もありながらしっかりとした前進を果たし、ベテランのヒュルケンベルグの速さも光っていい活躍だったなと。シュタイナー体制の末期からすると見違えるような活躍で、小松さん凄いなと思う躍進でした。2年目で真価が問われる中でドライバーラインナップを変えてどうなるか、見物であるなと思います。
アルピーヌもブリアトーレの復帰という反則カードを切ってきて(あれだけのことやって良く戻ってこれたな!)、エンジン開発の撤退等ドラスティックな改革を進めつつ、開幕時には最後方だったマシンを改善して、後半では表彰台も取ったのが印象的でした。ガスリーとオコンはここぞという時に確実に結果を出すあたりが、持っているというか、中堅チームで優勝もしているドライバーは違うというところを見せつけていたと思います。
VCARBは開発を入れるたびに遅れていくような右肩下がりのシーズンでしたが、角田くんは目に見える結果を残したシーズンだったなと。ここぞのミスもまだまだありましたが、去年デフリースを倒し、今年リカルドを倒し、ローソンにも勝ち越しているというのは間違いなく速いドライバーの証だと思います。レッドブルへの昇格が無かったのは残念ですが、そこはまあホンダの紐付きであることを考えれば既定路線なので、来年もしっかり新人ハジャの壁となり、別チームから声がかかるような活躍をして2026年シーズンに繋いでほしいなと思います。
来年は続々と新人ドライバーがデビューし、大物ドライバーの移籍もあり、戦力図も見え辛いという、特に序盤の戦いは面白くなりそうなシーズンになると思いますので、その辺りを楽しみにしたいと思います。
阪神タイガースの2024年は、去年の狂喜の日本一から惜しいところで連覇を逃したシーズンでもありますが、今のレギュラー戦力での限界も感じるところはあったので、ここで一区切りというのもまあ仕方がないのかなと。というか、去年の成績から主力がみんな成績を落としたらそれはどうしようもないよなという印象が強かったです。
岡田監督は既存戦力を最大限に活用するのは得意な勝負師だけど、選手を育ててチームを作るのが上手い人という印象はあまり無いので、2025年は藤川体制になって新しい戦力が出てくることを期待しています。
新日本プロレスは激動の2024年で、先日CSテレ朝の新日本プロレスアワードを見ましたが、年始の出来事なんてもう忘れちゃうくらいに前のことに感じました。
オカダとオスプレイがAEWに去り、内藤や棚橋のコンディションは明らかに限界で、外敵のはずのモクスリーがエース的な立場でベルトを持っていたりと明らかな過渡期の中で、新世代の誰が出てくるかという一年だったのかなと。
そういう意味では辻の活躍が目立ちましたが、所謂新日本らしい闘いを見せるという観点ではゲイブやHENAREといった外国生まれ新日本育ちのレスラーが気を吐いたと感じます。ゲイブvsHENAREとかゲイブvsザックとかいい試合だった。日本人だと上村がこれは行くのではと思ったところで怪我をして惜しかったり、成田がHOTで目に見えて上手くなっていたりもありますが、1.4のメインに選ばれたのは海野で、挑戦表明でブーイングが飛んだりしていました。いや、いいレスラーではあるけれど、あるけれど1.4のメインかと言われると、今年そんな目立つ試合していましたっけ? そんなに人気ありましたっけ? と言いたくなってしまうところが、ブーイングに繋がったのかと思います。決まった以上試合で見返して欲しいとは思いますが、チャンピオンであるザックの横綱相撲の前に敗れ去ってほしいという気持ちも半分以上はあったり。
そんなザックは満を持してのG1優勝とIWGP奪取。ずっと日本に残り続け、グラウンド特化で細かったころから身体を作ってチャンピオンらしい試合をするようになって、まさしく機は熟したという感じのチャンピオン。今が全盛期だと思いますし、やはり見ていてチャンピオンだと思うところがありますので、このまま新世代の壁として君臨していて欲しいなと思います。やっぱり、今一番オーラがあるのがザックだと思うので。
あとJr.タッグが今一番面白いと思います。タッグリーグの決勝のTMDKvscatch2/2最高だった。藤田はマジで今後20年新日本のジュニアを背負える逸材だと思う。
今年は内藤vs辻のIWGP戦があった両国と後楽園ホールのG1を見に行きましたが、やっぱり現地で見るなら後楽園ホールだなと。後藤vsフィンレーの試合、会場を包む怒涛のような後藤コール、最高でした。今年の後藤はNJC決勝もありましたし、歳を重ねて詫び寂びみたいなものが出てきて、ここからもう一度トップに立つ夢を見たくなるレスラーだったと思います。
コロナ以降、なかなかライブやイベントの現場(というか長時間人が密集して声を出す環境)に行くのも覚悟が必要なご時世ですが、それでもどうしても行きたいライブはあるし、いつまでも推しの活動が続くとは限らないんだよなとか、そんなことを考えていた2024年。楽しかったライブの話とかを。
ロックバンドが創るアニソンロックフェスを掲げて開催されたFLOW THE FESTIVAL。近年はさまざまなバンドがアニメのタイアップを歌っていてライブで聞きたい曲は数多く、されどいきなり単独のライブに行くのはなかなかハードルが高く、アニソンフェスに彼らは出ない。じゃあロックフェスとか行くかあ……と思ってたところにこのコンセプト、このラインナップは待ってましたという感じ。どう考えてもその道を切り開いてきたFLOWにしかできないフェスで、そこもまたエモかった。
でまあ初回というのもあって、会場の雰囲気がカオスながら馬鹿みたいに盛り上がっており、滅茶苦茶でとても楽しかったです。ロックフェスとアニソンフェスとアニクラの盛り上がってるところを抽出して雑に混ぜた感じというか、文化がクロスオーバーした時に生まれる混沌があって面白かった。DJで登場してもはやロックバンドの曲でもアニソンでもないA・RA・SHIを会場一体となって熱唱して、文化にボーダーは無いと言って去っていったピエール中野の言葉が実感をもって感じられるフェスでした。
SPYAIRの聞きたかった曲全部やってくれた感じとか、アニソンに近いところにいるバンドとしてのBURNOUT SYNDROMESのここにかける熱量とか、細かいことはいいから爆上がりだったORANGE RANGEとか、アニソンシンガーのオーイシマサヨシとしての矜持が見えるステージとか、逆にアニソンやらないのかよ! だったJAM Projectとか、初めてのコンセプトの初回開催だからこそ、出演者それぞれに考えてきたもの、見せたいものの色が違ってたのも面白かったなあと思います。良いフェスでした。
純アニソンのフェスとしては、ANIMAX MUSIX 2024 SPRINGが、シンプルに強い楽曲と強いアーティストと最大まで詰め込んだボリュームで殴りますという感じで楽しかったです。アニサマ辺りから始まった所謂アニソンシーンっていうものは、アニメのタイアップであるかどうかとはまとちょっとズレた概念として育ってきていて、一般アーティストが当たり前にアニメ作品に合わせた楽曲を作ってくる時代になっても、まだ死なずにここにあるんだぞという主張が聞こえてくるようなライブだったというか。
あとフェス系だとJAPAN JAMで昼に結束バンドが立ったステージに夜にASIAN KUNG-FU GENERATIONが立っていたのがエモかった。JAPAN JAMは季節柄、暑すぎず寒すぎず、台風の心配もなく、休むところもしっかりあって野外フェス初心者にはとてもお勧めなフェスです。
単独ライブだと、やはり推しのライブということもありAyaka Ohashi AsiaTour「Reflection」 神奈川公演は外せないところ。事前に出ていたアルバム「Reflection」が、頭から半分くらいまで暗めのトーンの曲が続くという、パブリックイメージより今やりたいことに振った感じの攻め攻めなアルバムで、今までもそういう曲はあったものの、これを引っ提げてのライブはどうなるんだろうと思っていたのですが、積み重ねてきたキャリアと表現力、純粋にパフォーマンスで魅せてくれるライブで素晴らしかった。アンコール前の「Flash Summit!!」、アンコールの「変革Delight」が今の大橋彩香を代表している曲で印象的でした。
今年一番衝撃を受けたのはAve Mujica 4th LIVE「Adventus」。AveMujicaはアニサマで世界観の構築とパフォーマンス凄くない? ってなり、3rdの配信を見てこれは現地で見たいと思ってライブに行ったもので、MyGOのアニメも見ていないからバンドリとしてのストーリーは概要くらいしか抑えていない状態だったのですが、パフォーマンスと演出という二つの面でひっくり返りそうになるライブでした。
ジャンル的にはゴシックメタルとかV系とか多分その辺りの曲調でかなり激しく、メンバーは仮面をつけていて、MCはなく楽曲の合間には朗読劇が挿入され、世界観ゴリゴリに作り込んで表現するというタイプのバンドなのですが、ギターボーカルのドロリス(佐々木李子)凄すぎません?? ミュージカル出身らしく、完全に役に入り込む憑依系の空気を纏って、呪力を感じるような声で歌が滅茶苦茶上手く、リードギターを弾きながら歌っているというところでだいぶ意味が分からない。あとキーボードのオブリビオニス(高尾奏音)も滅茶苦茶上手いな?? って思ったらピアノのジュニアコンクールで最高位を取った経歴があるということで……いや声優バンドですって言いながらこの二人揃えたらそれはチートなのではっていう感じでした。あとドラムには本職を連れてきたけど、その子がアフレコ普通に上手いというのもズルない? って思った。
楽曲的には攻めていたミニアルバム「ELEMENTS」の「Symbol Ⅳ:Earth」や1stシングル曲の「素晴らしき世界 でも どこにもない場所」が好き。速くて激しい曲も良いけど、ミドルテンポの曲が好きです。ちょっと回路-kairo-とかを思い出す。
そしてこのライブ、1月から放送のアニメの1話を流して、そのあとにOPを仮面を外した状態で登場したメンバが披露するという仕掛けがあったのですが、このタイミングでの先行上映でしかできないアニメとのリンクを、これまでの活動やライブの形式を全て仕込みとして躊躇なく使い切ってサプライズとして仕掛けていて、凄い演出だなとびっくりしました。そこまで熱心に追いかけてきた訳ではなくても、これがとんでもなくバチバチに決まった演出なのは分かるというか。いやなんというか、プロレス団体持っている企業の面目躍如っていう感じの仕掛けだったなと……。
あとは久しぶりに見た分島花音のLive Tour 2024 『The strange treat! delivery diner』東京・渋谷も良かった。分島花音のライブは、終焉後に音楽って楽しいな! と思えるのが素敵だなと思います。分島花音の楽曲としては本流ではないですが、最初のWIXOSSアニメが好きだったので「INNER CHILD」が久しぶりにこれこれこれだよという感じで嬉しかった。
それからシンデレラガールズでは、ビートシューターを見に福岡に飛んだTHE IDOLM@STER CINDERELLA GIRLS UNIT LIVE TOUR ConnecTrip! 福岡公演とソル・カマルをこの目に焼き付けたたTHE IDOLM@STER CINDERELLA GIRLS
STARLIGHT FANTASYがやはり現地で見る推しは格別だなと。
福岡公演の方は、ビートシューターも晴と梨沙のソロも超良かったですが、サプライズ披露された「アッパレ♪Mahara★Japaaan!」に意識の半分くらいを持っていかれたところは正直あったりします。いったいなんなんだよセクシー千手観音、凄いよセクシーギルティとしか言いようがない、これぞシンデレラガールズな曲だと思います。
STARLIGHT FANTASYの方はシンデレラガールズお得意のコンセプトライブ。ファンタジー世界の冒険風にライブを仕立てていて、テーマパークの劇場系のアトラクションを見たような満足感があります。この辺りのディ〇ニーっぽい味はシンデレラの十八番で、見てハッピーで元気な気分になれるところが良いところだなと改めて思いました。
あと、ライラさん関連では「ワタシ御伽ばなシ」をオリメンで聞けたのがとても良かった。この曲、これ以上ないほどライラさんの曲だと思うのですが、これ以上にライラさんの曲になるだろうソロはいったいどんな曲になるのだろうか……。
長くなってきましたが、ライブのまとめやアニメのまとめで触れていないところで今年よく聞いた曲の話とかも。
緑黄色社会はまさに日本の音楽シーンの今トップグループを走っているバンドだと思いますが、このペースで常にホームランのような楽曲を出し、テレビに出まくり、フェスに出まくり、自分たちのライブもやっているのでちょっと走り過ぎではと心配になるくらいの勢いを感じます。今年も良い曲がたくさんありましたが、「恥ずかしいか青春は」の衒いのない青さと真っすぐさが好きです。J-ポップロックのど真ん中って感じ。
いきなり配信が始まりびっくりしたSound Horizonの「ハロウィンと朝の物語」は、朝ドラで1年かけてやるような物語をぎゅっと30分の物語音楽に詰め込み、聞けば聞くほど詰め込まれた情報と何重にも仕込まれた文脈が分かってきて、楽曲としてもキャッチ―という、サンホラの最新かつ最高峰の一枚になっていて凄かった。最近の活動は特装版商法だとかいろいろ言いたいことはあったのだけど、これをお出しされたらもう何も言えないわというくらいの一枚で、改めてRevoは天才だと思いました。ハロパは諸般の事情で行けなかったので、またいつかどこかでライブ披露をしてほしい……というか映像化を何卒……。
YOASOBIの「UNDEAD」はキュートでポップでちょっと毒がある、中毒性の高い曲で何度も繰り返し聞きました。これ、私の感覚ではだいぶ電波ソングな曲だと思うのですが、これを日本で今一番人気のあるグループがアニメタイアップでやってくる世界を生きているのか……っていう驚きがありました。
岸田教団&THE明星ロケッツの原点回帰っぽさを感じた「BERSERKERS」の中でも、「エイトビート・バーサーカー」と「entertainment punks」はこれが岸田教団っていう開き直りにも近い主張を感じる曲で好き。あとモチーフはカツラギエース? な大穴逃げ馬の競馬ソング「Outsider Frontrunner」も好きです。この底辺から一発喰らわせてやるぞっていう感じが最高に岸田教団なんだなと思ったり。
あとは、PUFFYとついでにTOOBOEの「コラージュ」が聞くほどに癖になる曲で好き。
トラぺジウムは怖くて見ていないけど曲は好きだったMAISONdesの「なんもない」。
なるほどこれは人気が出るわと思ったずっと真夜中でいいのに。の「TAIDADA」。
あたりが今年よく聞いた曲たちでした。
ボカロPを通ってきた人たちがこれだけメジャーシーンで活躍していて、しかも楽曲を聞くと結構な割合でボカロ通ってるなと分かるというの、日本独自の音楽のムーブメントとしてもっと取り上げられるべきものなんじゃないかなと最近よく思います。
相変わらず毎クール10本弱くらいのペースでアニメを見ていますが、その中で面白かったものの話とかを。
私としては今年一番面白かったアニメは「劇場版ハイキュー!! ゴミ捨て場の決戦」で間違いがないです。あんまりにも面白くて劇場から出てきて最初に出てきた言葉が「(興行収入)500億行け!」だった。100億は行った。
一つのことに打ち込んだ青春とスポーツとしてのバレーの面白さと幼馴染の関係性とライバルとしての関係性と一度しかない試合の緊張感と会場でそれを応援しているような臨場感が全部まとめて雪崩れ込んでくるような感覚。びっくりしすぎて、ハイキュー!!の原作漫画を全巻買いそろえて読んでからもう一回観に行きました。
そんなの今更言わなくてもみんな知ってるわというところでは「葬送のフリーレン」が最後まで圧倒的なクオリティで現代においても特異点みたいなアニメでした。そして放送時間もあって意外と身近な年上の人々が見ていたりするのも驚いたり。どこを取ってもただただ素晴らしかったので続きのアニメも楽しみです。黄金郷…デンケン……。
今年のアニメという意味では「勇気爆発バーンブレイバーン」の話はしなければならないです。なんかもうやりすぎっていうくらいにやりたいことをやり切って駆け抜けていったアニメでしたが、毎週見ている時のライブ感というか、次はどうなるんだろうという考察も含めたワクワク感は久しぶりに味わうものでした。終わったら終わったで、きれいさっぱり忘れちゃえるような話だったのも良かった。ゾンサガと言い、サイゲはやりたいことに振り切っている時に凄いもの出してくるという印象が深まったアニメでした。
「うる星やつら」のリメイクは、1クール目こそ手探り感がありましたが、その後は制作陣が勝手をつかんだのか、どんどん面白くなっていったように思います。原作になるべく準拠したアニメ化を、丁寧に、自然な範囲で今っぽさを加えてやっていて良かったなと思います。因幡くんとしのぶのエピソードがアニメで見れて私は泣いた。
あと、「らんま1/2」のリメイクも良かった。今になって代表作が次々とリメイクされる高橋留美子の影響力って半端ないなと改めて。
「ラブライブ!スーパースター!!」の3期は、丁寧に部内の人間関係と1年生の加入と3年生の卒業を追いかけて最後まで描き切っていて、ちょっと私の知ってる勢いで押し切るラブライブと違うんだけど……ってなりました。めちゃくちゃ良かった。これが出てくるのなら2期はなんだったんだ……。
「魔王2099」は現代日本とファンタジー世界が融合した後のサイバーパンク的未来世界を舞台に復活した魔王が配信者になるという掴みから、シリアスな話まできっちり面白くて良かったです。ベルトール様がきちんと器がでかいのが良い。
話が面白くて、アニメの出来も良いという、理想的なアニメ化だったと思います。もうちょっと話題になっても良かったんじゃなかろうか。
他にはりぼん掲載なのに何故かこうガンガン辺りのギャグ漫画を見ているような実家の味がした「アクロトリップ」とか、配信者の要素を取り入れながら普遍的なクリエイターの青春物語を描いた「夜のクラゲは泳げない」あたりを面白く見ていました。
それから、子供に見て欲しいのでNHKで夕方に再放送をしてほしい「天穂のサクナヒメ」とか原作の雰囲気を丁寧にアニメにしていた「ダンジョンの中の人」辺りも。
あと、「魔法使いになれなかった女の子の話」が非常に好みで面白く見ていたんですが、ここまで謎を全投げして終わられると、2期が無いと何とも言えないのでどうにかなりませんか……。
それからアニメの内容というかOPで今年最大の衝撃を受けたのは、前番組終わってつけっぱなしにしていたテレビから「旦那様とのラブラブ・ラブソング」が流れてきた瞬間でした。2024年に、この甘々電波曲を、この映像で、釘宮理恵が……???
00年代だったかな? って錯覚したし、りぜるまいんって思った人がたぶんいっぱいいる。
そんな感じで、来年は「プリンセス・プリンシパル」の続きが公開されることを祈って。
今年1年を振り返るに、一番ハマったものは「学園アイドルマスター」かなと思います。アイマスの新しいブランドが増えても今更一から追いかけるのもなんだし、シンデレラをライフワークの様に追いかけていれば良いと思っていたのですが、リリース前の一連のキャンペーンの中で面白お嬢様の匂いがする倉本千奈がだんだん気になるようになり、初めて見たらゲーム部分が思いのほかちゃんと面白く、やっているうちに遅効性の毒のように篠澤広が効いてきて、最終的には補習組推しに落ち着いたという顛末。
学マスの魅力としては、キャラクター、ゲーム性、楽曲が、最新の流行を押さえつつ高いレベルでバランスしているところだと思います。
どのキャラもこの子はこれ! という個性が強くて、それが一つ一つは短いコミュの中にぎゅぎゅっと詰まっているのが職人技だなと。初星コミュの手毬周りなんかに顕著ですが、どこかに必ずパンチラインがあって印象に残るし、かといってネタに走っている訳じゃなく、個人の親愛コミュでは適度な踏み込みで泣かせる話であったり、グッと刺さるような会話を持ってくるので、バランスが上手という印象を受けました。
それで倉本千奈なんですが、ちょっとアイドルになりたいと言ったら初星学園に入学できちゃったお嬢様で、合格者中最底辺の実力を持つという、それだけ聞くとなかなか難儀な子ではあります。ただですね、この子、愛嬌と根性があるんです。ポジティブに後ろ向きで、情けないことを自信満々に言うのが面白いのですが、初回プロデュースで当たり前のように敗退した後に、つんのめってこけながら諦めませんわ~~とじたばたしているのを見て、ああこの子はちゃんと頑張れる子なんだなと。情けないことは言うけれど、それがやらない理由にも逃げる理由にもならない。自分のちょっとした興味が大きな話になってしまって始めたアイドルにも、倉本というカンストした家柄パワーにも正面から向き合いながら、プロデューサーが導けば自分の足でしっかりと前に進める。そして面白お嬢様と満点の愛嬌と隠し切れない気品がしっかり共存して、誰からも好かれる魅力を生み出している。これ、バラエティアイドルとしては最上級だと思うんですよね。DAIGOになれる逸材ですよ。
そんな千奈のNIA編を最近クリアしたんですが、広千奈の圧倒的な濃度にひっくり返ったり、千奈の高潔さと後ろ暗いところを引き受けるPに主従萌えを感じたりと大変でした。エンディングで「Wonder Scale」が流れてボロボロ泣いたよね。
で、問題の篠澤広ですが、これはもうちょっと親愛10までやってくれとしか私に言えることはないです。ファム・ファタールですよ、こいつ。P広がちょっとね、こんな明るく健全な世界観のゲームの中で、背徳の匂いがしているんですよ。お互いに約束されていた明るい未来を袖にして、二人きりで堕ちていく感覚というか。補習組の3人でいると愉快な仲間たちって感じでこれはこれで大変魅力的なのですが、プロデューサーと二人になるとなんなんですかね、これ。少なくとも私はあまり他では知らない独特なキャラクター性で、じわじわと染み入るように浸食される感じがあります。怖い。
ゲームとしてはデッキ構築型のカードゲームで、適度な一周のプレイ時間と戦略性で普通にゲームとして面白いです。ソシャゲとしてはとにかくこれが偉い。アイドルごとの特色もあって、序盤はやる気型ロジックで無理矢理TRUE ENDに届かせるのが面白かったし、センスも理解できてくれば面白いです。最近では新シナリオも始まって、まだまだ楽しめそうと思います。
そして私は学マスをやることで、初めてアイマスがプロデュースするゲームだと体感しました。今までまともに触っていたのがシンデレラガールズだけなので、正直プロデュースしている感は薄かったというのもあるのですが、このゲームシステムだと最初の頃は勝てなくて、繰り返しプレイする中でいまいちなライブからだんだん上手くなって会場も大きくなってという過程を体験して、それがキャラクターへの愛着にこんなにも繋がるんだなと。
この間のアイマスEXPOのミニライブで「Wonder Scale」見た時に、ふと走馬灯のように体験としてのプロデュースの記憶が流れてグッときました。ああ765ASを初期から推してた人たちの熱量の一端はこういうことだったんだなと、今更ながらに感じられたというのも、学マスをやって面白かったことです。
そして楽曲も攻めているというか、今までのアイマスと比べて最近の流行りの音楽をそのままの形でアイドルに歌わせてお出しするという感じなので、同時代性に基づく実在性みたいなものがあって面白いなと。最初の「Fighting My Way」からしてどう聞いてもGigaだって感じでしたし、ハニワみたいなキャラがハニワ歌ってるが第一印象だった「世界一可愛い私」とか、そんな(身もふたもない)ことやっちゃっていいんだ! って思いましたけど、でもその後出てくる楽曲を聞いてるとこれが正解なんだろうなとしか言いようがない。
「光景」とか、長谷川白紙……!? ってなりますけど、その後に別の方が作った「コントラスト」「メクルメ」も含めて、篠澤広の世界観としてはもうこれしかないって思いましたもん。アーティスト性とそれを一つの世界観でまとめ上げるキャラクターが高いところでバランスしている感じ。キャラソンというか、アーティストとシンガーの関係をちゃんとやっている感じが、最新のアイマスっていう感じがして凄いなと思います。
あと明らかに狙いに行って今までのアイマス界隈の外にも刺さってる曲が出ているのも感心しちゃいます。「仮騒狂騒曲」とか、だって凄いもん。
他に今年遊んだゲームだと、こちらに色々書いた「ユニコーンオーバーロード」も面白かった。いろいろ面白かった点はありますが、個人的には戦闘の行動パターンをプログラミングして上手くいったら超嬉しいゲーム、というのが一番大きいかなと。あとメリザンドがかわいいです。
「少女☆歌劇 レヴュースタァライト 舞台奏像劇 遙かなるエルドラド」はゲームではない(ほぼ一本道のシナリオを読むゲーム)ですが、アニメを劇場版まで見た人は絶対にやった方がいいです。この形式でもスタァライトできるんだよなとか、あの映画の後にもずっと舞台は続いていくんだよなとか、劇場版のファンディスクとして完璧な出来でした。EDムービーがいいんだこれが。
あとは「ドラゴンクエストⅢ そして伝説へ…」は古典新訳という感じで随所に昔のゲームという印象はありましたが、ほぼ初見だったのでファミコンの容量でこのスケール感のゲームを出したらそれは伝説にもなるわとびっくりしました。あと11をやってからのこれなので、そういう意味での感慨もある。
ただ、終盤のボス戦がビーストモードして魔物を呼び出すゲームだったのは何とかならんかったのか、とかもありしんりゅうまではやっていない状況。レベルアップでMPが回復するようになって魔法も強いから雑魚戦は賢さ全振り賢者の素早さを装備で盛ってやまびこ帽子でイオナズン連発するんだけど、倒し切れないとあまいいきだのやけつくいきだのザラキだのを連発しくるので、どちらが先手を取るかの戦いになっていてそういうゲームだったっけ? ってなったり、割と言いたいことはある。
ソシャゲは盆栽を育てるように日々デレステとプリコネを触っています。
今年のデレステはソル・カマルのイベントがあったのが最高でした。
モバマスのヒストリーを読んでいないと分からないようなライラさんにかなり踏み込んだコミュで、いいんですかこんなの頂いてしまってという感じでした。ナターリアとの関係がまさに太陽と月。このあと、ソロ曲のコミュが来たらライラさんの物語が完結してしまう。
デレステはイベント頻度が下がったりしていますが、まあそれはそれで仕方ないかなと。それよりコミュが誰が読んでも無難な感じから、狭く刺さるライターの熱量で書いているようなものが増えてきたのが面白い変化かなと思います。公式は公式っていう感じで見ている人が多いと感じるコンテンツなので、その方が良いと思う。
プリコネは色々と新要素が出てきた辺りでもういいかなと思いつつも、メインストーリーの先は気になっているのでまだ触っているという感じ。プリコネのテーゼは「現実世界よりも虚構の世界で結んだ絆」だと思っているのですが、最近絆を結ぶ相手はNPCでも構わないくらいのところまで踏み込んでいる感じがして、個人的にこのまま進んだ先でどこに着地するのかが気になっております。