話数単位で選ぶ、2014年TVアニメ10選
ルール
・2014年1月1日〜12月31日までに放送されたTVアニメ(再放送を除く)から選定。
・1作品につき上限1話。
・順位は付けない。
以下、放送日順に、簡単なコメント付きで。
『凪のあすから』19話「まいごの迷子の…」
脚本:吉野弘幸 絵コンテ:安藤真裕 演出:菅沼芙実彦 作画監督:川面恒介、大東百合恵
ちさき回。自分だけが歳をとった、その憂さを丁寧に描く。中学生から看護師研修生になった。恋愛観も体型も変わった。お酒も飲みたい。もうかつての自分ではないのだ。しかしラスト、ひかりに「変わってないな」と言われる。そこで溜飲が下がる。その持っていき方の巧さに舌を巻く。
『ウィザード・バリスターズ〜弁魔士セシル』7話「メイプルリーフ・イン・カナダ」
脚本:伊藤美智子 絵コンテ:細田直人 演出:加藤顕 作画監督:西岡夕樹
アメリカに出張に来たセシルはカナダに住む父のもとを訪れることに。4代目フォード・サンダーバード(このチョイス最高!)に乗り、異国の地をひた走る。ドライブにつき物のアクシデントにヒッチハイク、野宿、そして弾む会話と、旅行ならではのイベントが盛り沢山な名エピソードだった。
『マンガ家さんとアシスタントさんと』9話「過去の過ち」
脚本:伊丹あき 絵コンテ:高橋成世 演出:土屋智義 作画監督:三島千枝
みはりが駆け出しアシスタントだった頃の話。今とは比べ物にならないほどにみはりが可愛らしい。愛徒に一途で恋に空回りしてしまう初心な彼女にニヤニヤが止まらない。『今日のあすかショー』以来の能登有沙ファンとしても、この回は末永くキープしておきたい一本だ。
『ハイキュー!!』13話「好敵手(ライバル)」
脚本:竹内利光 絵コンテ:鎌倉由実 演出:鈴木考聡
作画監督:窪田康高、入江健司、甲斐泰之(アクション)、千葉崇洋(総)
烏野vs音駒回。個々のタレント性で押していく烏野に対して、ゲームメイクの巧さで得点を積み上げる格上・音駒。両者の実力差を明確に描く。驚いたのは黒尾のAクイックと一人時間差を作画・演出で描き分けたシーン。ここが試合描写の最高打点!そう思わせる名試合回だった。
『スペース☆ダンディ』21話「悲しみのない世界じゃんよ」
脚本:渡辺信一郎 絵コンテ:名倉靖博 作画監督:伊藤嘉之、稲留和美、久保田誓
名倉靖博ワールド炸裂。ここでは普通じゃないことが普通で、死が生な世界。キャラから美術、音楽、すべてが奇怪な世界観を演出する。ラストも秀逸。次元を超えたポーとの再会。うんと悲しんだ後には楽しい世界が待っている。それこそがダンディが望んだ最高のフィナーレだ。
『まじもじるるも』8話「第一級魔女ハルリリ降臨」
脚本:國澤真理子 絵コンテ・演出:橋本敏一
作画監督:山川宏治、小松原聖、芝田千紗、岩倉和憲(総)
るるもと友人ハルリリの回。いつも淡白なるるもに対して、愚痴をこぼしながらも結局世話を焼いてしまうハルリリ。そんな二人の取り繕わない関係が微笑ましい。何をするにも危なっかしいるるもだが、ハルリリのような親友がいれば大丈夫だと、親心(?)に思ったりした。
『Free! -Eternal Summer-』12話「異郷のスイムオフ!」
脚本:横谷昌宏 絵コンテ・演出:山田尚子 作画監督:瀬崎利恵
気の塞いだ遙を凛がオーストラリアへ連れていく回。異国の地で見せる凛の一面が新鮮だ。英語を話したりホームステイ先で団欒したり。彼は確かにここで世界を目指していた。そう実感させる。遙もそんな凛を見て刺激を受ける。言葉よりも行為で通じ合う。そんな二人の間柄が好きだ。
『失われた未来を求めて』4話「万物は流転する」
脚本:篠塚智子 絵コンテ:村田峻治 演出:松本マサユキ
作画監督:近藤優次、松本朋之、川村幸祐(総)
なんか授業サボりたくな〜い?じゃあサボっちゃうか〜って、バス乗って学校を抜け出す天文部の面々。これを「青春」と呼ばずして何と呼ぶか。もう最っ高に青春してる。後に彼らが「失われた未来を求め」ることになると思うと、このひと時が一層にかけがえのないものとして感じられる。
『HisCoool!セハガール』5話「ぷよ+ぷよ+ぷよ+ぷよ=0」
脚本:岐部昌幸、菅原そうた MMDアニメーション:tommy、ポンポコP
ぷよぷよ回。なのにぷよぷよをやらず、ぷよぷよをお題に大喜利し出す回。元コンパイルなのが起因しているのか知らないが、扱われ方の不遇さには涙なくして見られない。この回はサターンのツッコミもキレッキレで、特にムツゴロウものまねからのノリツッコミは猛烈にツボだった。
『四月は君の嘘』9話「共鳴」
脚本:吉岡たかを 絵コンテ:神戸守 演出:黒木美幸
作画監督:小泉初栄、浅賀和行(演奏)、愛敬由紀子(総)
公生は演奏をする中で、母・早希との過去を思い起こす。死を前にし変わってしまった母。息子はもはや自分の分身でしかない。彼女の矜持はそこにしかない。対する公生は母に元気になってほしいと一途。ゆえに両者はすれ違う。親子なのに相容れない。その歪な関係に感極まった。
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以上10本。他にも候補はあったけれど、こんな感じで落ち着いた。そういえば、この話数単位の企画は元々「大晦日に見返したい10本」というのがコンセプトとしてあったように記憶している。上に挙げた10本を見ながら年を越すのも良いかもしれない。
年内の更新はこれで終わり。来年も滞りなくアニメライフを送れれば、と思う。