変圧器たち

へんあつき-たち

変形!ヘンケイ!トランスフォーマー D-05 デストロンオクトーン (2008)

オクトーン、トリプルチェンジャーで旅客機(ボーイング 767)とタンクローリー車(ケンワース T600 燃料タンカートレーラー)というあまりにも独創的なオルトモードを持つため ThirdParty1 を含めなかなか理想の玩具が出てこないという不幸なキャラクターです。 G1 のカートゥーンキャラクターに似ているで言えば Titans Return / レジェンズのオクトーンが(ヘッドマスター化されてしまっているという点に目をつぶれば)現時点では ThirdParty 含めて最も出来がいいんじゃないでしょうか?しかしこの変形!ヘンケイ!版はサイズクラスやコストの制約を受けている部分があるとしても、非常に素晴らしいプロダクトだと思います。私がこの型を最初にみたのは多分タンクローリーモードのグレー試作の画像だったと思いますが、その SF ビークルのようなスタイリッシュなデザインに感心した覚えがあります。

オルトモード(タンクローリー車):

私は長い事 SF ビークルだと思ってたんですが、アメリカ陸軍の HEMTT(Heavy Expanded Mobility Tactical Truck / 重高機動戦術トラック)の M978 フューエルタンカーがモチーフらしいです。フロントグリル部分は(恐らく変形の都合で)大きくアレンジされていますが、8 輪であるところや車両の縦横比などはかなり似ているのではないでしょうか?

コストとサイズの制約でリア部分が塞がっていないのがこのモードの最大の欠点ですね。裏側からもう一つのオルトモードの機首が丸見えになっちゃっています。今なら ThirdParty からアドオン出てたんじゃないでしょうか?

天面。タンクに相当する部分に不自然なギザモールドがあるのは、ロボットモードではここがぱっくり開いてやや無理やりな武器にすることで余剰パーツになることを防いでいる為です。 G1 ではこの部分は完全余剰パーツになっていたのでそこから一歩進化しています。

底面。航空機の主翼や機種の格納具合がよく判りますね。今回プロペラ機がモチーフに選ばれたのはジェットエンジンを収納するスペースがタンクローリー車モードで確保できなかったからのような気がしますねえ。

武器の「火炎放射器」は取説では車両後部の 5mm 穴(ロボットモードの手首の 5mm 穴)に取り付けるよう指示されていますが TFWIKI の Universe Tankor の画像でこれを排気塔に見立てていたのがあったので真似してみました。この 5mm 穴はこの為に開いていたのでは?というのが TFWIKI の推測のようです。まあ他に使い道無いからそうだろうね。今更っと流してしまいましたが、この頃は商標の問題で Octane が使えなかったらしく、Universe では Tankor 名義で発売されていたんダナ。

オルトモード(軍用輸送機):

ロッキード C-130 ハーキュリーズではないかと言われていますがかなりデフォルメされている上に胴体下にタンクローリーの天面部を装備している為、ギャラクシーフォース ドレッドロックや RotF ストラトスフィアのようなフラットな胴体底面に直接タイヤがついたようなボディになっています。

なんだろうね?パタリロ的と言うか、ボディに対して主翼が小さいので滅茶苦茶デフォルメされてるように見えてしまいますな。

上から見るとまあまあ誤魔化せてるんですが、下から見るとタンクローリーの運転席部分も丸出しなのでかなり無茶感があります。しかし普通に見る限りこの底部が極力悪目立ちしないように設計されているんですよね。

いやまあ、尾翼下のキブルもまあまあ目立つかな?しかしまあこれはこれで TF の魅力の一つでもありますしね。なんといってもこれは当時の定価 2310 円で販売されていた Deluxe Class 玩具なので、十分許容範囲どころかこの異形もまた魅力の一つなわけですよ。

アオリで見るとサンダーバード2号的な趣があるような。。。変形!ヘンケイ!のアイデンティティですが、底面のパーツのメッキは悪目立ちしてしまうので不要だったかも知れないですね。

試しにこの底面のパーツを外してみると主翼下部の胴体が消失してしまうんですが少しバランスが向上するように思います。しかしこのパーツが胴体の一体感を維持するためにも有用というのは返す返すも凄い設計。

tfwiki.net

底面のパーツを外すとタンクローリー車のタイヤが内側にまとめられて配置されているのが判ります。この辺りの変形パターンは最近ではレガシー サンドストームでもみられましたね。

ロボットモード:

スタイルは良い。この時期の TF は 00 年代の格好いいロボットの記号ふんだんに取り入れてる気がするんですよね。太もも短めとかさ。なのでフルポーザブルでも関節位置のバランス悪かったりしてポージング性能はまあまあ低めです。

このオクトーンの特徴としては上方に延びた巨大な肩アーマーでしょうか。あんまり G1 オクトーンの記号は無いよね。 8 輪のうち 2 輪がダミーで肩パーツになっているのが非常に好き。

背中の羽根はオクトーンのアイデンティティという訳でここは G1 イメージに近いですね。巨大な肩アーマーと干渉してしまうのでタンクローリーモード時に取得を畳む左右連動した関節部で少し斜め後方に翼を逃がしています。また左右の主翼の基部で角度をつけられますが、ここは単に軸が打ってあるだけなので左右の角度を揃えるのが面倒です。すぐに動いちゃうしね。ここはラチェット機構で角度決まって欲しかった。

武器は 2 つの火炎放射器を組み合わせた手持ちの銃とタンクローリー車のタンク天面部分が分離、展開したツインブレードシールドです。ブレードなのかシールドなのか悩ましいネーミングやね。

私はこういうカニばさみ的な武器なのでは?と思ってますがオフィシャル画像だとまっすぐ伸ばしてるので回転ブレードみたいなの想定しているかもしれません。

頭部は一応オクトーンの特徴である三方の伸びた冠のようなメット部分を再現しているんだと思いますが、あまり似てません。顔も面長感ないですしね。オプティックは朱色に近い赤で塗装されているようです。

ライトパイピング仕込める構造の後頭部ですが、後ろ頭が不透明プラで造形されいる為全く目は光りません。

TFWIKI でも言及されていましたが、変形!ヘンケイ!版でも胸部のデストロンインシグニアに黒目がある珍しいパターン。

ポージングは問題じゃないんですよ。トリプルチェンジャーなんですからこれは変形を楽しむ玩具なんです!でもまあ素立ちもまあまあ格好良くまとまるので十分じゃない?

最近の玩具とのサイズ比較。やっぱりサンドストームと比較ですけど Deluxe Class と Leader Class なので(昨今の TF トイが小さくなっているとはいえ)かなりのサイズ差がありますね。そろそろオクトーンもリメイク時じゃないでしょうか?頼むよ! Leader Class で!

プロテクトモード!パレイドリアで目と口が見えてしまうのでギャグロボットみたいですね。これは何かというとオルトモードで畳んだツインブレードシールドを固定するジョイントがロボットモードでは下腹部辺りにあって、ロボットモードでもそこにシールドを取り付けることが出来るのでやってみたという図です。

変形!ヘンケイ!版でもタンクローリー車モードで頭を出せるので、幽霊に怯えるオクトーンを再現してみたんですが、車両の底面側になるので「こんな状況からでも入れる保険があるんですか?」の雰囲気になってしまった気がします。

tfwiki.net

www.tfu.info

www.transformerland.com


  1. 現在までに確認できている非正規オクトーンは以下の 3 種類かな?

    KFC E.A.V.I. Metal Phase 11A Stratotanker
    www.tfw2005.com
    車種は異なるが非常にリアルなキャブヘッドを持つタンクローリー車(ただしタンクローリー部は G1 玩具に似た旅客機の主翼が側面を構成しやや一体感が無いとスマートだがやや直方体の胴体を持つ架空の旅客機に変形する。

    Unique Toys Y-01 Provider
    www.tfw2005.com
    キャブヘッドはまあまあリアルだがタンクローリー部は旅客機の胴体をまんま利用している為妙にアンバランスなタンクローリー車と、ぱっと見まあまあそれっぽく見える旅客機に変形。ロボットモードはややアレンジされていて顔は G1 オクトーンには似ていない。

    Mechanic Toy MS-27 Poisonous Fog
    www.tfw2005.com
    legend Class なので小さい。タンクローリーモードは頑張ってるけど旅客機モードはやや四角く不格好。ロボットモードは G1 ライク。サイズの割に頑張ってるのでは。