国内でも勢いを増すインディーゲーム。ただ、レッドオーシャン化する市場でヒットを出し続けるには課題も多い。
この1年、ゲーム業界で一気に名をはせたポケットペア。昨年1月にサバイバルゲーム「Palworld/パルワールド」をリリースするやいなや、国内外で大ヒットを記録した一方、ポケモンシリーズとのデザインの類似性などが議論を巻き起こした。
「日本有数のインディーゲーム開発・運営会社」――。2015年に創業したポケットペアはそう自称する。インディーゲームの定義は曖昧だが、一般的には大手メーカーから独立した個人や小規模なスタジオが低予算で開発したゲームを指す。企業のイメージや既存タイトルに縛られずに、クリエイターの独創的なアイデアを生かした開発が特徴だ。
昨年9月、同社が任天堂とポケモンから特許権侵害訴訟を提起された際に、「今回の訴訟により(中略)インディーゲーム開発者が自由な発想を妨げられ萎縮することがないよう、最善を尽くしていく」とのコメントを発表したことでも、注目を浴びた。
数十分で攻略できるゲームの需要が拡大
ゲームの開発費が高騰し、日系の大手メーカーがリスクの高い新規タイトルの創出に苦戦する中、インディーゲームに対する期待が高まっている。
2010年代から「Minecraft」や「Among Us」など、欧米主導で市場が拡大してきた。日本で勢いを増したのはこの数年だ。
2020年に、2人のクリエイターが運営するインディーズサークルが開発した米作りを体験するアクションRPG「天穂のサクナヒメ」が発売され、世界累計出荷本数150万本と異例のヒットを記録。個人クリエイターが構想期間を含めて約9カ月で開発した「8番出口」は、2023年にPC向けゲームプラットフォーム「Steam」版を発売すると1日で3万本を売り上げ、スイッチ版を含めて100万本超を販売した。2025年に実写映画化されることも発表されている。
躍進の背景には、ユーザーの嗜好の二極化がある。ユーザーが大手ゲームメーカーのタイトルに求めるクオリティやボリュームの水準は年々上がり、広い仮想空間を自由に動き回れる「オープンワールド」の仕組みを取り入れたゲームも広まった。
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