斗比主閲子の姑日記

姑に子どもを預けられるまでの経緯を書くつもりでBlogを初めたら、解説記事ばかりになっていました。ハンドルネーム・トップ画像は友人から頂いたものです。※一般向けの内容ではありません。

育児エピソードは偉そうになりがち、見えがち

以下のような依頼がありました。 

モヤモヤしたというのは、夫視点で、里帰り出産、混ミ、寝室分離、家電の有効利用、 妻が育児から離れる休日を設けること等をお勧めした、はてな匿名ダイアリーの記事ですね。

Baby toes

何にモヤモヤされたかというと、 

ということだそうです。本当に妻子とうまくいっているかは何とも言えませんが、家事育児やっている風でいて、実際にはさほどではないように読めてしまう文章だとは思います。

まず、里帰り出産を推奨して新生児期の育児には関与しておらず、

夫も1人なら気も楽だし、自分のことは自分でできるな。

このコメント。"気も楽"と書いちゃう。

混ミについては、

ここで思うのは夫にも子供への愛情を持ってほしいならミルクを併用しよう。

妻に対して、夫に子どもへの愛情を持ってほしいならミルクを併用することをお勧めする。続く文章で、この人自身がミルクをあげることで親になった意識を持てたというのは書いてあるんだけど、この書き方だと、夫はミルクをあげなければ子どもへの愛情を持てないようにも受け取れちゃう。

混ミで夫が授乳できていると、

そうすれば、奥さんのやる気メーターも回復するし、家事もはかどってくる。

家事がはかどるというのは、夫は家事をしない前提に読める。

また、家電を使って楽にすることは、

これがあるだけで夫は食事後の後片付けをするようになるし、洗濯を回すこともできるようになる。

こう書くと、家電がなければ夫は家事をしないし、できないように読める。

妻の育児休日については、

そしてできれば2か月に1回できれば月に1回。奥さん1人で外出させよう。

妻がどれくらいの頻度で休むことを望んだかは特に触れていない。

そして、最後に、

これが実は一番大事なんですが、ここまでのことができたなら、それ以外のことは大抵は夫の好きにさせてあげてくださいな。浮気以外は。

と書く。

全体的に「俺は育児をここまでやってやった!」という感じがするんだけど、それほどは家事育児に関わっているようには読めないんですよね。更に、夫婦でどんな会話があった結果こうなったのか、妻からはどんなフィードバックがあったのかが触れられていないから、独りよがりな印象を抱かせる。

私の感覚だと、ここまで家事育児に関わっている男性は、日本の中で1割ぐらいだろうし、労働時間が長い日本人男性労働者からすればこの辺が限界に近いとは思います。ただ、あくまで「俺は育児をここまでやってやった!」風に書いちゃうと、ちょっとそこまでではないよねと読める文章かなと思いました。

記事を書いた本人としては本当によく頑張って、誰かに聞いて欲しいと思って善意で書いているんでしょうけどね。なかなか難しいものです。

ちなみに、はてな匿名ダイアリーにはトラックバックという機能があり、記事へのコメントがつけられるんですが、この記事についたほぼすべてのコメントに対し、恐らく、記事を書いたこの人がコメント返しをしています。

本当に夫が書いたか疑わしいというコメントに対しては、

かわいそうに、お察しします。 疑うほどそういう人と出会ってないということですよね。

と返信し、家事育児を分かっていないなというコメントに対しては、

どこがどのようにでしょう? わかってねーなというのなら、根拠を事例を示してください。 少なくとも我が家は、話し合ったうえで合意のもと行っていますが?

と返信する。

色々条件があって難しいことをコメントしたもの(1:里帰り出産のススメ まず夫の実家は論外だから妻の実家の前提だろうが..)に対しては、

1:里帰り出産のススメ そもそもにススメと言ってるので、出きる人がやれ..

少なくとも、あれはダメ、これもできない、あれもできないとのたまう奥さんだとほんと大変ですねw うちは理解のある奥さんでほんとよかったですw

他人の妻を下げて、自分の妻を上げる。

他にも10以上のコメントをつけています。別にそれがダメだとは思わないけど、ちょっと落ち着いてと言いたくなります。

書いていることのリアリティと、書いていないことの内容からすれば、たぶん、この記事を書いた人の子どもはまだ1歳いっていないかなという感じですかね。離乳食なんかは、乳児期に夫が関われる最大の育児の一つなんですけど、触れられていないから生後半年経ってない気がする。

本人がよくやったと自分で自分を褒めるのも限界があるし、匿名で記事を書いてもこのように大絶賛されるわけでもないので、妻であったり、自分の両親だったりから、褒めエネルギーを供給してもらうと、安定しそうな感じがしました。