昔のSFにはネタが山ほど転がってるぞ! 使わなきゃ損だぞ!
- hirorin0015
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トラックよりも鉄骨が危険だよね。トラックは事故らないことも多いけど、アニメとかでクレーンで鉄骨を持ち上げてる場面が出てきたら、100%落ちてくるもんな(笑)。 /転生トラックの元ネタを探しに行った - カトゆー家断絶 katoyuu.hatenablog.jp/entry/reincarn…
2016-02-24 10:27:09あれからちょっと、古いSFにおける主人公の異世界転移の原因について考えてみた。 ブラウン『発狂した宇宙』新型ロケットが墜落してきた。 ディ・キャンプ『闇よ落ちるなかれ』落雷。 ハミルトン『時果つるところ』核爆発。 twitter.com/hirorin0015/st…
2016-02-24 11:00:50@hirorin0015 僕がパラレルワールドという概念を初めて知ったのは、白黒版の『鉄腕アトム』の「地球解放」というエピソードだった(脚本:辻真先)。アトムが工事現場で強力な爆薬の爆発に巻きこまれ、パラレルワールドに飛ばされるという話。
2016-02-24 11:04:10@hirorin0015 基本的に、日常ではありえない強大な衝撃に遭遇すると異世界に飛ばされる、というのがSF界の共通認識だったと思う。 昔読んだショートショートにこんなのがあった。東京に核ミサイルが落ちてくることが判明し、都民はみんな避難する。でも主人公だけは落下予想地点に→
2016-02-24 11:10:24@hirorin0015 向かって悠然と歩いてゆく。「核爆発の瞬間、強大なエネルギーが発生し、爆発の中心にいた俺だけは衝撃で異世界に飛ばされるはずだ。東京都民はみんな死ぬが、俺だけはこんな世界におさらばして、異世界で生きてゆくんだ」と。→
2016-02-24 11:14:54@hirorin0015 でも、ミサイルは不発に終わり、都民はみんな無事だったが、落下地点にいた男だけが死ぬ。
2016-02-24 11:15:55@hirorin0015 お邪魔します。少し時代は下りますが、アメコミ『ザ・フラッシュ』123号(61年)では、高速活動能力を持つ主人公が体を高速振動させた結果、素粒子の振動周期のズレによって同じ空間に併存している異世界に同調し移動してしまう、という理屈っぽい展開がありました。
2016-02-24 11:21:06@sjxqr393 DCコミックスでは、イアンド・ビンダーとかエドモンド・ハミルトンとかアルフレッド・ベスターとかがシナリオ書いてるんで、そのへんのSF作家の発想が流入してるのかもしれません。
2016-02-24 17:58:44@hirorin0015 もちろん強大なエネルギーをともなわない異世界転移というのもある。代表的なのがバローズの『火星のプリンセス』。夜空を見上げているうちに火星に来ちゃう。何それ(笑)。 でもこれが、現代人の主人公が異世界に行って悪と戦い美しい王女と恋に落ちる話の元祖なんだよ。
2016-02-24 11:23:01@hirorin0015 さすがにそれはどうよと反省したのかどうかは知らないが、その後の『地底世界ペルシダー』では〈鉄モグラ〉というメカを使ってるし、他のシリーズでもロケットとか潜水艦とか、冒険の舞台に移動するための手段をちゃんと用意するようになってる。
2016-02-24 11:25:58@hirorin0015 似たような話同士の主人公たちのタイムスリップの原因だと、『超人たちのコーヒーブレイク』(さだまさし)局地的な地震・『三億の郷愁』(清水義範)土砂崩れ・『僕はビートルズ』(藤井哲夫・かわぐちかいじ)地下鉄の線路に転落-いずれも昭和30~40年代行きですが。
2016-02-24 11:37:11@kosakinium かんべむさし 「還らざる彼ら」(1977)は、現代の日本人が交通事故の衝撃で第二次大戦末期のドイツにタイムスリップしてしまう話で、当時、「これぐらいのことでタイムスリップが起きていいのか?」と、ちょっと違和感を抱いたことが。
2016-02-24 12:30:56@hirorin0015 かんべむさし作品だと、バルバロッサ作戦当時のドイツ軍が1970年代の関西に侵攻する『逃げる』がありますが、どの程度の事故であれだけの部隊がタイムスリップしたのかを逆に考えるのも面白いかもしれません。
2016-02-24 12:40:35@kosakinium あれってはたして自衛隊は勝てるんですかねえ? どなたかミリタリーに詳しい方に検証していただきたいところ。
2016-02-24 17:55:44日曜日のLiveWireのトークショーでも芦辺拓さんと話した。「現代のライトノベル作家はもっと昔のSFを読め」と。 べつに基礎教養だからとかいう理由じゃない。「昔のSFにはネタが山ほど転がってるぞ! 使わなきゃ損だぞ!」と言いたい。
2016-02-24 11:30:00@hirorin0015 たとえば神代創 『パートタイムプリンセス』というラノベがある。主人公の男子高校生が、異世界の王女様と精神が入れ替わってしまうという話。 これ、元ネタはハミルトンの『スターキング』なんだよね。 amazon.co.jp/dp/4840106320
2016-02-24 11:33:12@hirorin0015 こういうのを言い表わす便利な四文字熟語があるので覚えておこう。 「換骨奪胎」! パクリでもパロディでもオマージュでもない。こういうのは換骨奪胎と言うんだよ。
2016-02-24 11:36:03@hirorin0015 創作を料理にたとえるなら、他の人が発見した食材を使って別の料理を作るようなもの。だから盗作なんかじゃない。 『パートタイムプリンセス』は、『スターキング』の見事な換骨奪胎だと感心したもんである。
2016-02-24 11:38:32@hirorin0015 僕の作品の場合、『地球移動作戦』は『妖星ゴラス』、『去年はいい年になるだろう』はジャック・ウィリアムスンの『ヒューマノイド』、「ミラーガール」はブラッドベリの「歌おう、感電するほどの喜びを!」が元ネタだったりする。
2016-02-24 11:41:28@hirorin0015 ネタの再発見は非効率的ですしね。 私もサイバーナイトの世界観を参考にさせてもらい、短編書いたことあります。
2016-02-24 11:56:15@hirorin0015 だからね、昔のSFってそういう換骨奪胎できるネタが山ほど転がってるんだよ。 たとえばブラウンの『発狂した宇宙』は、SF雑誌の編集者が、SFファンの妄想が具現化したような世界に飛ばされてしまうという話で、これなんかいくらでもラノベに応用できると思う。
2016-02-24 11:44:22@hirorin0015 あと異世界転生もので言うなら、ハミルトンが1943年に書いた「追放者」というショートショートがある。SF作家が次の作品の舞台にする異世界を構想しているうち、その世界の中に入ってしまうという話。その話を聞いた仲間のSF作家が言う。
2016-02-24 11:46:28@hirorin0015 「もちろんその世界で目がさめると、きれいな娘がきみの上にかがみこんでいる。だから、きみは『ここはどこです?』って訊いたんだな」 1943年の時点で、すでにこういう話がテンプレになっていたことがうかがえる。
2016-02-24 11:48:36@hirorin0015 僕はいつか「追放者」を換骨奪胎してやりたいと思ってるんだけど、どうしても超えられないのがあのオチ! あれは衝撃だよ。特に、描かれたのが第二次世界大戦中であることを理解して読むとね。
2016-02-24 11:54:11