- kintoki_naruto
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歴史を扱う創作でありながら、まったく史実に沿わなくていいジャンルというのがあります。一部のSFやギャグ作品です。典型的なのが「忍たま乱太郎」で、一応戦国時代なのだけど、作る側も見る側もそう思っていない。時代考証を蹴散らして思う存分やるというストーリー展開には、爽快感さえあります。
2016-01-16 13:19:45アニメ「忍たま乱太郎」について、先に「時代考証を蹴散らして思う存分やるというストーリー展開には、爽快感さえあります」と述べました。これに関し、作者の尼子騒兵衛さんから懇切なご指摘をいただきました。何度かメールをやりとりする中で、私は自分の誤解に気づき、理解が深まりました。
2016-01-19 01:04:21私は「歴史ドラマの考証に不徹底な部分がある」という話をするため、対比的に「まったく史実に沿わなくていいジャンル」があると述べました。その典型として「忍たま乱太郎」を出し、肯定的に言及したつもりでした。が、「まったく史実に沿わない」とは、それこそまったく事実に沿っていませんでした。
2016-01-19 01:04:43尼子さんのご教示の一例。「忍たま乱太郎」では、のれんに「たうふ」(豆腐)と書かれているそうです。辞書好きの人なら、『新明解国語辞典』に〔室町時代のかなづかいは、タウフ〕とあるのをご存じでしょう。この頃までは「たうふ」なのです。そこまで念入りに作られているとはと、脱帽した次第です。
2016-01-19 01:05:00SFやギャグで「時代考証を蹴散らして思う存分やる」という手法は、一般論としてはあります。ただ、「忍たま乱太郎」はそれと一線を画し、ギャグはギャグとして、必要な時代考証は行い、高い矜持をもって制作されていることが分かりました。尼子騒兵衛さんやスタッフの方に失礼をおわびいたします。
2016-01-19 01:05:19蛇足のツイートです。「忍たま乱太郎」は20年以上に及ぶ長寿アニメで、私も以前からしばしば見ていました。でも、きちんと理解していたとは言えませんでした。今後は、極力機会を捉えてアニメの放送を見て、国語辞典編纂のための勉強に役立てていきたいと思っています。
2016-01-19 01:05:34
忍たまの時代考証はガチだから…。嘘とわかることは思い切りやるけど(室町時代に自販機あるとか腕時計あるとか)、その背景は本気でガチだから素晴らしい。
2016-01-19 22:54:05忍者もの描いてそのあと忍たま見たら細かいものがほんと資料通りで感心したなぁ。 まあ、資料写真とか見るとどれもこれも資料提供が尼子 騒兵衛さんで、どれだけ資料としてしっかり集めて研究されているのかがわかった。
2016-01-16 21:30:02忍たま乱太郎こと落第忍者乱太郎は、「自動販売機や自転車などの一目で解るギャグ」はOKだけど、「小判などの紛らわしいもの」はNGで、漫画でありながら参考文献としても使われるほど時代考証のみっちりした作品だけど、初期にはサツマイモを焼いていたりもしてるのですというトリビア
2016-01-19 20:13:27多分忍たまというか落乱の時代考証がここまで緻密だったからこそ私はハマったし飽きっぽい私が小学生からずっと原作買い続けてるし 何より落乱の時代考証がここまで素晴らしくなければ今の私は絶対に存在しない(ヲタク的な意味じゃなくて)
2016-01-20 16:03:20忍たまは時代考証も何もないように見えて、忍術の話はガチだし、「時代考証として誤解されることは絶対NG」って作者の姿勢が好き。例えば道端にある自販機はOKだけど(誰が見てもパロだと分かるから)使うお金が寛永通宝なのはNG(=江戸時代の通貨:戦国時代の本当の通貨だとされる)
2016-01-16 15:57:45忍たまアニメの二期だかで寛永通宝出したら尼子せんせが「500円玉ならギャグになるけど寛永通宝はこの時代になかったものだから絶対NG」って再放送までに直させたエピもあるし、忍たまで時代考証いい加減っていわれたらせんせーはじめスタッフも怒りそう
2016-01-16 19:02:39忍たまは一見あんなだけど時代考証はほんっとにガチだからな。そこらへんの時代モノとはくらべられないくらい、だからこそあの作品は本当に面白いんだよ……
2016-01-19 14:37:51魔王、忍たま乱太郎のあにめあんまり見たことがないんじゃけど、一度映画を流し見した時でさえ考証の細かさにおお…と目を見張った記憶があるぞ。武具に関して半端ないこだわりがあった。
2016-01-19 13:49:54@od1582nbng 忍たまはアニメよりも、原作の方が遥かにしっかりと時代考証等の説明が入っておりますぞ、殿。当時の戦の仕組み、人々の暮らし、それらの絡み合った戦の虚しさ、無益さなども原作から教わりました。あれはとてもよい時代漫画です。本当に無視しているのは人体工学だけです。
2016-01-19 14:04:08
以下は本題とは別に、飯間先生が尼子先生との話題を公開されたものです
尼子騒兵衛さんとのメールでの話題を、許可を得てご紹介します。関西が舞台のドラマで、父親を「おとうはん」と呼ぶことがあります。これは実際の大阪方言とは合いません。「~はん」になるのは、直前の音がア・エ・オ段の場合だけ。「おか『あ』はん」はアリでも「おと『う』はん』はないんですね。
2016-01-19 23:43:19大阪で父を「おとうはん」と言わないならば、何と言うか。意外なことに、江戸っ子と同じく「おとっつぁん」です。ちくま文庫の『桂米朝コレクション』全8巻の落語から拾ってみると、母は「おかあはん・おかん・おかあちゃん」、父は「おとっつぁん・おとうさん・おとうちゃん」などと呼ばれています。
2016-01-19 23:43:401992年度のNHK朝ドラで、大阪の医師が、主人公の姉を「みのりはん」と呼ぶ場面がありました。これが新聞投書欄で議論になったことがあります。大阪ではこう言わないというのです。「~はん」の直前の音は「みの『り』はん」でイ段ですから、法則に外れる。「みのりさん」でよかったのです。
2016-01-19 23:43:50えっ、「おとうはん」の「う」は綴りの問題で発音はオ段では…?音韻的条件で決まっているのではないということなのか、あるいは基底では /u/ みたいなことなのか…。
2016-01-20 00:24:56@asaokitan 〈「う」で終わっても、直前の「お」と一緒になって「お」の長母音になる場合、「え」「お」で終わるものの場合には、揺れがあるようだ〉(山下好孝『関西弁講義』)だそうですね。
2016-01-20 00:44:14