薬学たんとエビデンス "エビデンスが薄弱"ってどういうこと?

薬学たんがエビデンスについて語ったものです 一般にはあまり認知されていないエビデンスという言葉の医療界隈における意味やエビデンスレベル(どれくらい信用できるか)について触れ、子宮頸がんワクチンについての声明についても少し解説を入れてます
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薬たんでした@卒業済 @Yakugakutan

ところで、医療系の方々には馴染み深い言葉ですが、皆さんは"エビデンス"って言葉の意味、ご存知です?

2015-12-22 19:17:03
薬たんでした@卒業済 @Yakugakutan

.@gide3p16 …こんなので笑ってしまうなんてっ……!笑

2015-12-22 19:24:59
薬たんでした@卒業済 @Yakugakutan

というのも、こんな記事を見かけまして…… wedge.ismedia.jp/articles/-/5771 気がついたらエビデンスについて解説の連ツイを作っていましたので少々失礼して……

2015-12-22 19:26:18
薬たんでした@卒業済 @Yakugakutan

まず英単語のevidenceには、「根拠や証拠、証言」という意味があります もちろん医療系の言う"エビデンス"は、この単語に由来するのですが、少し限定的な意味があります 私のフォロワーさんには50%ほど医療系でない方もいる様です(薬学たん調べ)ので、この違いに気をつけてください

2015-12-22 19:29:33
薬たんでした@卒業済 @Yakugakutan

医療系の言う"エビデンス"は、「ある治療法が良いとされる根拠」のことです 薬についてもそうですが、治療法であればあらゆる方法に対して使うことが出来ます 例えば「この治療法はエビデンスに乏しい」とか言ったりします

2015-12-22 19:31:05
末代こたついぬ1号 @Le15erKotatuinu

@Yakugakutan 金融機関だとまったく違うものになります。本人確認書類とかね。

2015-12-22 19:31:32
薬たんでした@卒業済 @Yakugakutan

.@kotatsuinu15th そのようですね! 医療系での使われ方はあまり広まっていないみたいですよね……

2015-12-22 19:33:27
薬たんでした@卒業済 @Yakugakutan

ちなみに、evidenceは「"エ"ビデンス」と、エにアクセントがありますが、医療系は「エ"ビデンス"」というように、↓↑↑↑↑と発音することが多いです笑

2015-12-22 19:39:05
薬たんでした@卒業済 @Yakugakutan

現代の医療では、このエビデンスに基づいて治療法を選択することが大切だということになっています これを、根拠に基づく医療(evidence-based medicine)略してEBMといいます

2015-12-22 19:42:23
薬たんでした@卒業済 @Yakugakutan

それで、ですね 実はこのエビデンスにはレベルがあるんです エビデンスレベルが高いとなれば、その根拠は非常に信頼できるということになりますし、エビデンスレベルが低いとなれば、その根拠は信頼できないということになります

2015-12-22 19:46:24
薬たんでした@卒業済 @Yakugakutan

エビデンスレベルは以下のように定められています (信頼できる) 1a:ランダム化比較試験のメタ解析 1b:少なくとも一つのランダム化比較試験 2a:ランダム割付を伴わない同時コントロールを伴うコホート研究 2b:ランダム割付を伴わない過去のコントロールを伴うコホート研究 (続く)

2015-12-22 19:49:34
薬たんでした@卒業済 @Yakugakutan

3:ケース・コントロール研究 4:処置前後の比較など、前後比較、対照群を伴わない研究 5:症例報告 6:専門家個人の意見、専門家委員会の報告 (信頼できない) ……今分かりやすく解説しますね

2015-12-22 19:50:16
薬たんでした@卒業済 @Yakugakutan

信頼できない方から少しずつ解説してきます! まず 6:専門家個人の意見 これは文字通りですね! 大学の教授などが主観的に語った意見のことです! 説得力があるようですが、教授なら何でも分かる訳ではないですし、個人の価値観も影響しますので、エビデンスレベルは低いです

2015-12-22 19:52:26
薬たんでした@卒業済 @Yakugakutan

5:症例報告 ある人はこうだったよ、というケースの報告です! 個人的な意見よりはエビデンスレベルが高いですが、別の人にも当てはまるとは限りません…… 健康食品や何かでは、こうした症例報告をエビデンスとしていたりしますが、エビデンスレベルは低いですね

2015-12-22 19:56:21
薬たんでした@卒業済 @Yakugakutan

4: 処置前後の比較など、前後比較、対照群を伴わない研究 何人かの人たちに治療を行い、その前後の変化を見るものです! 複数人に行っていますから、症例報告よりは信頼できます! このあたりまで来ると、かなり信頼できそうな気がしてきますかね?

2015-12-22 19:59:02
薬たんでした@卒業済 @Yakugakutan

じゃあ、例えばここに軽い風邪をひいた人が10人います この人たちに2週間、薬学たん特製ドリンクを朝昼晩飲んでもらったとします すると、なんと10人中9人が風邪の症状が改善しました! ……という調査があったとします

2015-12-22 20:01:59
薬たんでした@卒業済 @Yakugakutan

それって、普通に風邪が治っただけでは? と言いたくなりませんか? このように、この研究方法では、本当にその治療法の効果なのか怪しいんですよね ですからまだ信頼しにくいのです……

2015-12-22 20:05:50
薬たんでした@卒業済 @Yakugakutan

3:ケース・コントロール研究 この研究は、「後ろ向き研究」と呼ばれたりします ある治療法が効いた人と効かなかった人について、どんな背景があるのか調査することによって、因果関係を調べる方法です

2015-12-22 20:09:53
薬たんでした@卒業済 @Yakugakutan

例えば、テストの点が良かった人と悪かった人を集めて、テスト前日に薬学たん特製まとめプリントを見たかどうか質問したとします テストの点が良かった人は多くが特製プリントを読んでいて、悪かった人は多くが見ていなかったとなれば、薬学たん特製プリントの効果を調べられますね

2015-12-22 20:12:33
薬たんでした@卒業済 @Yakugakutan

これくらいすると、かなり信頼できそうですね! しかし、後ろ向き研究というように、この研究方法では、過去に向かって調査する必要があります そうすると、やや不正確な情報が含まれる可能性があります

2015-12-22 20:15:16
薬たんでした@卒業済 @Yakugakutan

先の例を使えば テストの点が良かった人で、特製プリントを使わなかった人でも 「えーと、どうだったかな……まあでもテスト良くできたし、たしか少し見たような気がする」 などと不正確なデータとなってしまいかねない ということです

2015-12-22 20:18:04
薬たんでした@卒業済 @Yakugakutan

そこで出てくるのは、2aと2bで出てくるコホート研究です これは前向き研究とも呼ばれます また先の特製プリントの例を使います

2015-12-22 20:22:52
薬たんでした@卒業済 @Yakugakutan

後ろ向き研究では、テストの結果が良かった人と悪かった人で分けて、それぞれに特製プリントを使ったか聞きました 前向き研究では、特製プリントを使った人と使わなかった人で分けて、それぞれの結果を調べるのです なんとなくつかめましたか?

2015-12-22 20:25:58
薬たんでした@卒業済 @Yakugakutan

ところで、先程の分類を見ると 2a:ランダム割付を伴わない同時コントロールを伴うコホート研究 2b:ランダム割付を伴わない過去のコントロールを伴うコホート研究 とあります 同時コントロールと過去のコントロールとはどういう意味でしょう?

2015-12-22 20:30:30
まとめたひと