ゲームに負けてかんしゃくを起こす子への対策

ゲームに負けると怒ったり泣いたりしてしまう子。ゲームの選び方やルールの調整でなんとかなる部分もありますが、本質的には「場の共有」ができていないことが理由だと考えています。ウェブサイト:http://www.gameryouiku.com/
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松本太一@アナログゲーム療育 @gameryouiku

発達障害のあるお子さんにアナログゲームをプレイしてもらっているについて、療育関係者から一番聞かれる質問が「負けた時に子どもがかんしゃくを起こしたりしませんか?」という質問を受けます。

2015-05-17 09:23:34
松本太一@アナログゲーム療育 @gameryouiku

確かに、発達障害のあるお子さんでゲームで負けると「もうやだ!」と言って外に飛び出したり、カードを破いたりする子がいます。「僕はダメなんだ!もう死ぬ!」なんて言う子もいる。発達障害児療育の世界では「あるある」のシーンです。

2015-05-17 09:25:03
松本太一@アナログゲーム療育 @gameryouiku

しかし、当教室では子どもたちが「かんしゃく」を起こすのを見たことがありません。一つには、子どもの発達段階に合わせてグルーピングしているので一人負けが起こりにくいのと、かんしゃくが起こりにくいようなゲーム選びやルール調整を行なっていることがあると思います。

2015-05-17 09:28:16
松本太一@アナログゲーム療育 @gameryouiku

ゲーム選び、ルール調整について下記の記事が参考になると思います。 『# ゲームに負けてかんしゃくを起こす子への対応』 ⇒ amba.to/1La4ri5

2015-05-17 09:28:44
松本太一@アナログゲーム療育 @gameryouiku

「負け残り(勝ち抜け)」「他プレイヤーへの攻撃手段が存在」「うっかりミスで重たいペナルティ」「どんでん返しがある」これらの要素はお子さんの感情を激しく揺さぶるため、かんしゃくを起こしやすい子がいるときは避ける事が無難でしょう。

2015-05-17 09:31:24
松本太一@アナログゲーム療育 @gameryouiku

余談ですが、ブログにも書いたとおり、教育現場でトランプと並んでよく見かける某Uの字がつくゲームは、先述の「かんしゃくを起こしやすい条件」を全て備えており、なぜこのゲームがこんなにも教育現場に浸透しているのか理解に苦しみます(汗)

2015-05-17 09:33:35
松本太一@アナログゲーム療育 @gameryouiku

さて、発達障害のあるお子さんのゲームに負けたときの「かんしゃく」については、グルーピングもゲーム選び、ルール設定によって防げることもあるのですが所詮対処療法にすぎません。なぜかんしゃくを起こすのか?その本質的な理由は、お子さんが「場の共有」ができていないことにあります。

2015-05-17 09:42:54
松本太一@アナログゲーム療育 @gameryouiku

「場の共有」ができないという状態は、「一人だけでプレイしている」「相手の顔が見えてない」「空気が読めない」「共同体感覚が身についていない」など色々な言い方ができます。共同体感覚についてはこちらのまとめを参照のこと。togetter.com/li/815682

2015-05-17 09:49:51
松本太一@アナログゲーム療育 @gameryouiku

4人でゲームをプレイしてビリになった。「もうダメだァ!!!!!!」と世界の終わりのように叫ぶ子がいる。こういう時、この子に、1位で嬉しそうにしている子、2位でまずまずとほくそ笑んでいる子、3位でやや不満そうにしている子の顔は決して見えていない。

2015-05-17 09:53:45
松本太一@アナログゲーム療育 @gameryouiku

さらに言うなら、こうした子は負けたときだけでなくプレイ中も全く相手の顔を見ていない。それはいいとしても、相手のプレイイングも場の状況も見ていない。自分のカードとにらめっこして、何を出すかしか考えていない。

2015-05-17 09:56:45
松本太一@アナログゲーム療育 @gameryouiku

手元のカードしか見えていない子が、突然他の子の攻撃手段によって、手の内に作り上げた世界を壊される。あるいは、「もう終わりだよ」と言われて、ふと顔をあげると、他の子が全員上がって一人ぼっちになっている。それは怒りたくも泣きたくもなるだろう。

2015-05-17 10:05:41
松本太一@アナログゲーム療育 @gameryouiku

そうならないように、その子が時には手元から目を話して周りを見回すよう言葉をかけてあげるのが、大人の役割というものだろう。

2015-05-17 10:12:04
松本太一@アナログゲーム療育 @gameryouiku

自分一人の世界に沈みがちな子の脇で、「おっ、今むこうのT君がチャンスだね!うまくやれるかな?」「Yちゃん、残念!次は君の番だよ」と声をかけてあげる。あるいは「Fくん優勝!おめでとう!ほら、拍手してあげよう」と促す。

2015-05-17 10:15:07
松本太一@アナログゲーム療育 @gameryouiku

こうした言葉がけにより、「今この場に、自分以外に3人の人間がいて、同じルールと目的を共有しながら、それぞれ勝利に向かっている」という状況を逐次理解させつつゲームへの積極的なコミットを促す。

2015-05-17 10:21:46
松本太一@アナログゲーム療育 @gameryouiku

その結果、「優勝した人もいれば中間の順位だった人もいる中で、僕は今回たまたまビリだった。」と受け止められる。その上で、ゲームへの積極的なコミットができていれば「精一杯プレイした」という達成感が残る。こういう状況であれば、かんしゃくが起きるはずがない。

2015-05-17 10:23:05
松本太一@アナログゲーム療育 @gameryouiku

ここからはやや苦言めいてしまうが、教育・療育現場において指導者が子どもにゲームをプレイさせたらかんしゃくが起きたというのは、指導者が子どもに何の声掛けもせず、子どもたちだけで適当にプレイさせたからではないか、と思う。

2015-05-17 10:32:54
松本太一@アナログゲーム療育 @gameryouiku

教育・療育現場でアナログゲームを備えているところは多くありますが、勉強のあとの「ご褒美」「お楽しみ」としてしか使っていないことが多い。子どもたちがワイワイやっているのをみて、先生たちが一休みしてしまっている。これでは子どもたちに「場を共有」することを学ばせることはできません。

2015-05-17 10:42:04
まとめたひと
松本太一@アナログゲーム療育 @gameryouiku

発達障害のあるお子さんにカードゲームやボードゲームを用いてコミュニケーション能力の向上をめざすトレーニングを行っています。詳しくはサイト「アナログゲーム療育のススメ」