笹本祐一さんによる昨今の出版事情の呟きまとめ

笹本祐一さんによる昨今の出版事情の呟きまとめ
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笹本祐一 @sasamotoU1

ライターの稿料価格破壊がTLでいくつも流れておりますが、印税商売の作家だってなかなか凄いことになっております。印税一割として、文庫500円一万部なら50万、新書1000円五千部でも50万源泉抜き。年に四冊出しても200万。印税生活が貧乏の代名詞になる時代も近い。

2015-05-13 00:06:48
笹本祐一 @sasamotoU1

昔は文庫一万部、新書五千部なんてのは最低採算ライン以下だったんでよほどの専門誌でない限り有り得ない数字だったんですが、今や電子化のおかげでそれでも出ないよりマシな部数。印税一割以下なんて例もあるし。出版不況で息が切れてるのは出版社じゃなくて先に作家よ。

2015-05-13 00:09:40
笹本祐一 @sasamotoU1

そーいや最近めっきりゾッキ本見掛けないのも、出版社がめいっぱい発行部数絞ってるからだろうなあ。

2015-05-13 00:30:33
笹本祐一 @sasamotoU1

古本屋の在庫は一期一会なので買わずに後悔するより買って貧乏しろというのは有名だが、最近は新本でもほとんどそういうもんだと思った方がよい。ただでさえ全国の本屋より少ない数しか刷られない新作、初版が少なければ再版される確率なんぞさらに低くなる。新本も一期一会、見かけたら買って。

2015-05-13 00:53:31
笹本祐一 @sasamotoU1

ネット書店でも、密林はじめとして入荷未定な出たばっかりの本って珍しくなくなっちゃってるからねえ。だから、時々TLに出てくる「再版決まりました」「増刷かかりました」という報告はもうそれだけでおめでたいのである。

2015-05-13 00:56:01
笹本祐一 @sasamotoU1

少部数しか刷らない前提で値段決定するから、じゃないかと思います。あと消費税。 twitter.com/TMN_CAR/status…

2015-05-13 09:58:07
ゴケモンPO@147XX @TMN_CAR

@sasamotoU1 しかし本の値段が高いのはなぜでしょう?昔は文庫本500円で買えたのに、いまは税込み700円くらいです。

2015-05-13 02:00:11
笹本祐一 @sasamotoU1

電子機器と違って本という完成品には技術進歩による価格低下余地少ないし、酸性紙使ってた昔と違って今の本は中性紙だからそれだけ高級になってますし。 twitter.com/urashima41/sta…

2015-05-13 10:31:10
浦嶋嶺至@充電率100%新刊同人誌「制服少女~1学期」メロンにて取扱中 @urashima41

@sasamotoU1 紙の価格が上がって本の原材料が高くなったんですよね、たしか。それも原因かと。

2015-05-13 10:26:01
笹本祐一 @sasamotoU1

記憶にある一番古いコミックス単行本の定価は240円だった。昭和40年代後半に320円に上がり、その後じわじわと400円に向けて値上がり、現在は400円プラス消費税という辺り。半世紀かけて倍に届いてないのは物価の優等生だと思うけど、つづく。

2015-05-13 10:34:36
笹本祐一 @sasamotoU1

コミックス単行本の値段、つづき。大手出版社のこども向けコミックスの場合、安くないとお小遣いで買って貰えないという事情もあるし、化け物級のベストセラーがあればそっちで採算取れるという計算もある。それでも、マイナー級がどんどん出なくなってるってのはご存知の通り。

2015-05-13 10:36:49
笹本祐一 @sasamotoU1

八王子の本屋で新刊で見つけて買った新井素子「いつか猫になる日まで」が確か240円だった。1980年の話らしいのでもう35年前。素子さんはハードカバーのデビュー作が680円だった前歴もあるので、「安く!」ってのは作者の意向でもあったのだろう。

2015-05-13 10:40:15
笹本祐一 @sasamotoU1

コバルト文庫って当時の他の文庫と比べても二割くらい安かったのよね。おそらく安くても集英社の販売力で量を売ってカバー出来るという計算があったのだろう。昭和の感覚だと、今の本の値段は文庫が新書、新書がハードカバーの値段になってる。

2015-05-13 10:42:15
笹本祐一 @sasamotoU1

本の値段は文庫が新書、新書がハードカバーの値段になってもそれほど値上がりしたという気にならないのは、本の作り方知っててある程度内部事情知ってるから、ってのもあるだろうおれの場合。だって技術進歩によるコスト削減は電子化によってあったにしても本体は昔のままの紙だからねえ。

2015-05-13 10:44:24
笹本祐一 @sasamotoU1

文庫本でも新書でも単行本でも、原稿が活字になるまでの工程は変わらない。文庫も単行本も、編集校正コストは同じってことである。ざっくり500円一万部、1000円五千部の新書、売り上げぜんぶで500万円、卸値8掛けで出版社の取り分400万円として、それ以上は金をかけられない。

2015-05-13 10:47:34
笹本祐一 @sasamotoU1

400万円で印税かあるいは原稿料、編集費用、校正費用から印刷製本流通、宣伝費用も出版社の利益までぜんぶ賄わなければならないのである。編集費用は出版社の利益から支払われることが多いけど、作家が印税一割持っていくなら残りは350万円。部数が倍なら予算も倍だがリスクも倍になる。

2015-05-13 10:52:15
笹本祐一 @sasamotoU1

出版不況ただ中にある出版社はリスクを最少にするため、点数はいっぱい出したくても部数はとにかく出したくない。作家の印税一割は変わっていないけど、だから他のところでどんなコスト削減してるのかって考えるときっと全方位に大変なことになってるんだと思う。そりゃ不景気にもなるわさ。

2015-05-13 10:55:50
笹本祐一 @sasamotoU1

まあでも不景気な話しかない訳じゃない。出版社は増刷にはとことん慎重になるけど、電子書籍の出荷にはそんな都合は関係ない。ダウンロードされればダウンロードされただけ、その場でお待たせせずに出荷してくれる。紙本と違って書いた方にも買った方にも実感は少ないけど、正規購入は作者に届きます。

2015-05-13 10:59:34
笹本祐一 @sasamotoU1

笹本の場合、2013年には電子書籍による収入が年収の何パーセントかになり、14年には一割を越えて驚いた。電子書籍は今の状態が完成形だとは思わない、間違いなく発展途上のメディアだけど、流通が瞬時に済むってそれだけで出版社の負担は大きく減ってる。

2015-05-13 11:01:58
笹本祐一 @sasamotoU1

そんな状況が来る予感は全くないけれど、でも、もし収入の半分以上が電子出版によるものになったら、だいぶ状況も変わるかなー。電子出版でも執筆編集校正の手間は変わらないけれど、そこから先印刷製本流通コストが劇的に削減されるからなー。

2015-05-13 11:03:48
笹本祐一 @sasamotoU1

しかしまー来るかも知れないその日まで生き延びなければ恩恵に預かれないので、とりあえず目の前の仕事をがんばろー。笹本ってどんな本書いてるの?とご興味おありの方はこちらへどうぞ。zeppan.com/title/?query=%… ノンフィクションと小説、無料全文公開しております。

2015-05-13 11:06:47
笹本祐一 @sasamotoU1

今、紙の本しかない書籍を電子書籍化するのに安くても数十万円かかるのです。スキャン公開じゃなくてちゃんと編集デザインしなきゃならないから。つまり、電子書籍だけでそれ以上売れるという確信がなければやるだけ損になっちゃうのです。 twitter.com/Tai_hou_ya/sta…

2015-05-13 11:12:17
大砲屋@PPMMP(2価)接種済 @Tai_hou_ya

@sasamotoU1 以前ある作家さんに「今、名前が売れてきてますから過去の作品(別ジャンルで絶版)を電子書籍で出したらどうですか?」と言ったところ、「電子書籍は費用対効果が悪いから…。」と返されたことがありまして…。

2015-05-13 11:08:10
笹本祐一 @sasamotoU1

自己啓発系の本って、昔っから小説よりよっぽどいっぱい売れてます(涙  twitter.com/kandayudai/sta…

2015-05-13 11:13:23
笹本祐一 @sasamotoU1

ハヤカワと創元で同じ本が違う値段で出てたり、なんてのもありましたなー。 twitter.com/JeenaAndow/sta…

2015-05-13 11:13:58
雷門風太(杏東ぢーな)「汽界淫偵@MACHIDA」連載中 町田オタクバーSwing-By店長 @JeenaAndow

@sasamotoU1 小中学生のころ、薄い文庫は100円以下だったのを覚えています。刷で値段が違うのに本屋で同じ棚に挿されてて、安い方を選んで買ったり。

2015-05-13 10:52:52
笹本祐一 @sasamotoU1

ああそれ大きい。 twitter.com/minikurochibi/…

2015-05-13 11:14:12
尾之上浩司 Kouji Onoue @minikurochibi

@sasamotoU1 コバルト文庫は厚手の文庫紙が標準の初めての文庫でしたから、束に対してページ数が少ないという割安要素もありました。

2015-05-13 10:48:57
笹本祐一 @sasamotoU1

文庫と新書とハードカバーと電子書籍、ぜんぶ同じ値段!ってわけにもいかないでしょう。 twitter.com/yuu_sukekun/st…

2015-05-13 11:15:01
ゆーすけ 湯好♨ @yuu_sukekun

@sasamotoU1 媒体はなんであれ、価格は統一した方がいいようにも思うのですが。同じ値段なら物で持ちたい人もいるでしょうし。

2015-05-13 10:35:29
笹本祐一 @sasamotoU1

紙の本なら電子書籍を作るより安いのではなく、今なら紙の本と電子書籍を同時に編集出来るということです。紙の本だけしかないものを電子書籍化しようとすると、当たり前のことながら電子書籍化のためだけの編集デザインコストが生じます。 twitter.com/myroad38/statu…

2015-05-13 19:53:48
ヌヌオ安@たますぃ〜丙提督都落ち生活中 @myroad38

@sasamotoU1 @BARSERGA @Tai_hou_ya 紙の本の方がコストが安いんですか?損得分岐はそれぞれ何冊くらいからですか?

2015-05-13 19:23:04
まとめたひと