【漫画界の巨匠】小池一夫先生のクリエイターへの言葉まとめ【2014+2015初頭】
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自分の創作に迷いが生じた時の一番良い対処法は、読者を信頼してみる事だ。読者を侮る事が最悪の対処法。作者が渾身で投げた球を、読者が渾身で打ち返してくれたホームランがベストセラーになり得るのだ。(小池一夫)
2014-01-14 18:53:05極論すれば、書き手は何を書いてもいい。読み手が作者よりも、深くても、浅くても、悪意を持って読まれたとしても、その作品は、読み手の分相応の読まれ方をするのだ。しかし、書き手は、自分が意図した事に、読み手がなるべく寄り添ってくれる努力を忘れてはいけない。ツイッターの文章でもそうだ。
2014-01-20 17:39:25王道をいくベタな話を堂々と書く、それを恐れる事はない。そもそも、ベタな王道とは、人気があるからこそ王道たり得るのだ。もっとも保守的な手法が、もっとも革新的である事もある。新しい挑戦と、古典的な手法。両方のバランスは常に考えておくべきなのだ。(小池一夫)
2014-01-23 23:01:20「自分は何を感じられるのか」ではなく、「自分は何を感じ取れていないのか」を考える事はとても大事。感じ取れていない事にこそ、とても大切な事が潜んでいたりする。自分のアンテナは、広く、深く。(小池一夫) goo.gl/IieM3o
2014-02-06 20:47:30結局、優れた創作者とは、受け手を、その世界に引きずり込ンでくれて、日常の悩みなどを忘れさせてくれる事が出来る力がある人の事なのだ。創作者とは、真実を語る嘘つきである。しかし、作るものだけは嘘がつけない。(小池一夫)
2014-02-19 19:09:16人は「怠け癖」がつくと、とことン駄目になってしまう。人間は機械じゃないので休息は大切だが、一休みしたらまた前進しなくてはならない。しかし怠け癖のついた人間は、あらゆる言い訳を繰り返し怠け続ける。溢れる才能があるのに怠け癖で駄目になった人を沢山見てきた。人生、サボったら錆びるよ。
2014-02-22 18:30:24才能を磨きあげる技は、つまるところ、「技術」と「センス」である。技術は、書けば書いた分だけ基礎が身に付き応用に発展する。問題はセンスである。センスとは生まれつきのものだ。もし自分にセンスが無いと思うのなら、とことン一流を観察するしかない。真似でもいい。とにかく一流を知るのだ。
2014-02-26 18:33:21創作は自己表現ではないと言ったら言い過ぎだろうか。自分自身の内側に有するものなどたかが知れている。自分の外側にある世界を一度心の深みに取り入れて、自分独自のフィルターを通してそれを表出する。それが個性だ。創作のヒントは自分の外側にある。誰かに叩かれなければ鐘は鳴らない。
2014-03-01 12:02:56表現者は、常に究めたい理想と、自分が実際に作り上げた作品の未熟さとの解離に悩む。しかし、決して自分の作品を否定的に見てはいけない。理想と今自分が出来る精一杯は、和解しながら、少しずつ本物になっていくのだ。創作は、あンまり焦らないほうがいい。その焦りが作品に出る。(小池一夫)
2014-03-02 21:00:01表現者は「短距離ランナー」であってはいけない。表現者である事を選び取った瞬間から、ゴールは、創作活動にピリオドを打つ時か、死ぬ時である。長距離ランナーは苦しい。避けがたく加齢しながらも走り続けなくてはならない。その覚悟を持って、表現の道を選ぶのだ。(小池一夫)
2014-03-04 18:22:48作者自身に、楽しいことや苦しい事や悲しい事があるからこそ、作品に喜怒哀楽を表現出来るのだ。「感情のゆらぎこそが、創作の源」だ。作者が大いに楽しみ、苦しみ、悲しむ事が出来ずに、読み手の心を震わせる事は出来ない。(小池一夫)
2014-03-13 18:33:23作者の思いがほとばしっているような表現でも、優れた作品はよくコントロールされている。作者自身も、そういう作品を書いている時は、熱くなりながらもどこか冷めている。平静と熱狂が同時に存在している。書きたい事を書きたいように書いた作品は未熟であり、未熟な作品は読み手を苛立たせるだけ。
2014-03-21 20:21:00もの書きの楽しさは、登場人物の数だけ、自分が変われる事である。善人にも悪人にも、女にも男にも、加害者にも被害者にも。しかし、その者達には、必ず作者自身が投影されている。それが個性というものだ。(小池一夫)
2014-03-22 18:38:02手軽に身につくものは、失われるのも早い。技術でも、人間関係でも、そして、人生そのものも。本物を手に入れようとしたら、近道は無いのだ。(小池一夫)
2014-03-26 21:59:37観念でものを書こうと思えばいくらでも書ける。書けるが、そこにはストーリーもエピソードも前提となる知識や体験も希薄で、現実味の無い小難しいだけのたわ言に堕してしまう。現実味と観念のバランスはとても重要である。漫画は前者に重きをおかないと成立しない。誰かのみた夢の様な話はつまらない。
2014-03-27 16:20:42そして、僕が長年表現の世界に身を置いて思うのは、コンプレックスを沢山持っている人ほど、より面白い作品が書けるという事。実感として。(小池一夫)
2014-03-27 18:31:09「技術」とは、心が折れたり、辛苦が成功につながらない時にでも、ある一定の水準以上の仕事を維持する事が出来るという事である。スランプの時は、技術という力業で乗り切るのだ。そのうち、心が復活してくる。それまで持ちこたえる技術を身に付けるのがプロフェッショナル。(小池一夫)
2014-04-01 14:07:04漫画はイコンではないので、誰が描いても同じような判子絵では、突き抜けたプロにはなれない。セザンヌの描いた林檎は、署名が無くてもセザンヌの林檎だ。上手い・下手よりも、そこに個性があるかないかで作者の可能性は問われる。「自分を生かす絵」を描けているか、自問自答しなければならない。
2014-04-04 18:16:22