戦前・戦中の日本アニメーション
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togetterでまとめた「アニメーション映画の黎明期」http://togetter.com/li/69654 がそこそこに評判がよかったので(現時点で29fav&676view)、第2期「戦前・戦中の日本アニメーション」やります。
2010-11-19 23:52:22まずはおさらい。幸内純一『なまくら刀(塙凹内名刀之巻)』 http://bit.ly/97rpCM 1917年(大正7年)。現存する「劇場公開」された日本最古のアニメーション。漫符が使用されてる点に注目。なお、現存する日本最古のアニメーションフィルムは明治40年代頃のもの。
2010-11-19 23:56:49で、これが2005年に京都の旧家で発見された現存する日本最古のアニメーションフィルム。 http://bit.ly/a9axCN 資産家が自宅で映写機を回し珍しい「動く絵」として楽しんだものらしい。 http://bit.ly/acvF3c
2010-11-20 00:02:48いきなり訂正。1917年=大正6年だった。1910年代に公開された海外のアニメーション作品に触発されて、1917年(大正6年)に下川凹天『芋川椋三玄関番の巻』、幸内純一『なまくら刀(塙凹内名刀之巻)』(前出)、そして北山清太郎が『猿蟹合戦』を発表。
2010-11-20 00:23:50下川『芋川~』が日本最初のアニメーション映画だと言われている。ただし下川は『茶目坊新画帖』、幸内は『塙凹内』の各シリーズを3~4本作った後に製作を休止(その後幸内は1924年に政治PRアニメを製作)。一方北山は精力的に製作を続ける。
2010-11-20 00:31:081921年(大正10年)、北山は日活から独立して日本初のアニメーション映画スタジオである北山映画製作所を設立。娯楽作品と並行して教材用フィルム(『気圧と水揚ポンプ』(1921年)、『植物生理・生殖の巻』(1922年)も製作。また、山本早苗(善次郎)や木村白山などが入社した。
2010-11-20 00:38:28・・・というわけでぼちぼちやっていく予定。動画は既に集めてあるので(数が少ないけど)、紹介し終わったらまたまとめます。
2010-11-20 00:42:46「戦前・戦中の日本アニメーション」の続き・・・の前に。昨日の感じで進めると説明文だらけになるので先にテキストを貼っておきます。 http://bit.ly/bVTyYZ オイラの手持ち資料である『世界アニメーション映画史』の日本編がまるまる転載されてるサイト。・・・いいのか?
2010-11-20 21:46:55では続きを。村田安司『瘤取り』 http://youtu.be/ShzmzcJM7QI 1929年。以前に紹介済み。村田安司は当時日本で主流だった切り絵アニメーションの大家。リアルな絵と動き、そして村田のユーモラスな演出に思わず見入ってしまう。
2010-11-20 22:12:28村田安司『おい等の野球』 http://youtu.be/2SRqmpK6nn8 1931年。『かちかち山』のパロディ。村田のアニメートはもちろん、弁士の澤登翠の語りが小気味いい。ちなみに当時は無音映画。村田は戦前で最も多作な作家で50本程度の作品を製作している。
2010-11-20 22:23:26村田安司『海の水はなぜ辛い』 http://youtu.be/drq0rhFdvtY 1935年。『瘤取り』と比べると若干説教くさい。リアリティ溢れる人物描写に比べてデフォルメされた魚やタコの表現。当時の子どもはどんな気持ちで村田の作品を観てたのだろうか、と考えるとドキドキする。
2010-11-20 22:48:46村田安司『のらくろ伍長』 http://youtu.be/CK3Gj9rpLw4 1934年=昭和9年。ちなみに前年に日本は国際連盟を脱退。作画よりも弁士の素晴らしさに聞き惚れる。つべコメ欄によると徳川夢声の弟子、牧野周一とのこと。オチはまさかの・・・。
2010-11-20 23:20:00大藤信郎『村祭』 http://youtu.be/rmQs9cKajMs 1930年。レコード・トーキー。作画がアレな作品だけど、後に大藤は色セロファン影絵による作品の『くじら』(1952年、未見)でカンヌ映画祭で激賞を得る。大藤死去の翌年1962年には大藤信郎賞が設立される。
2010-11-20 23:40:22大藤信郎『天狗退治』 http://youtu.be/2kbhxv9ZMzQ 1934年。つっこみどころ満載。大藤は幸内の元で作画を学んだ後、江戸千代紙を用いた作品を製作。1927年に千代紙映画社を旗揚げ。大藤賞受賞作リストはこちら→http://bit.ly/dwQHWQ
2010-11-20 23:56:35作者タイトル不明 http://youtu.be/qrSURBuDqjE これ、おそらく大藤信郎の『煙り草物語』(1924年)の一部じゃなかろうか?(違ってたらごめん)ちなみに同作品は現存する大藤の最古の作品であり、現存するアニメと実写を合成した作品としても国内最古のもの。
2010-11-21 10:04:54ようつべの同一アカウントの方がupしている http://youtu.be/x-Ce_wjKCUk とhttp://youtu.be/TrXc_bMH50Q も大藤作品かもしれない。違ってたら本当にごめんなさい。
2010-11-21 10:36:32大石郁男『證城寺の狸囃子』http://youtu.be/FeMaFJsvm9w 1930年代初頭? ようつべに彼の作品がupされているんだけど、手持ちの資料やネットで調べても大石が大きく取り上げられることはなく、どんな人かいまいちよくわからない。
2010-11-21 11:18:40大石郁男『動絵狐狸達引』http://youtu.be/WyGvGMa2RFg 1933年。セル使用。メタモルフォーゼというアニメーション独自の表現を存分に発揮。また、奥行きを意識した動き、カメラフレーム、声優さんの演技、BGMなどなど注目すべき点が多い。必見!!!!!!!!!!
2010-11-21 11:44:22『動絵狐狸達引』は東宝の前進であるP・C・L(写真化学研究所)漫画部の第1作らしい。wikiによると、配給は東和商事映画部(OPでは東宝教育映画株式会社とされている)とある。大石はその後教育作品を数本制作した後太平洋戦争で戦死している。
2010-11-21 11:50:48西倉喜代治『茶目子の一日』http://youtu.be/VNWqOUQH2Z8 1931年。『動絵狐狸達引』とは別の方向のメタモルフォーゼ、擬人化がシュール。歌は『村祭』にも参加した平井英子。こちらは藤原カムイ版『茶目子』→http://youtu.be/Kh7UqLid8Rw
2010-11-21 12:18:40作者不詳『凸坊の自動車旅行~月世界の巻』http://youtu.be/VXLeu3drSvs 製作年不明(1930年代前半?) 。オチがwwww続きものの予定だったのかな?
2010-11-21 12:37:00田中善次『オモチャ箱シリーズ 第3話 絵本1936年』 http://t.co/UdKPjp5 1934年。思う存分つっこめ。『煙突屋ペロー』の監督としても知られる(らしい)。東宝の前進、京都J.O.漫画部出身。『かぐや姫』(1935年)では円谷英二や政岡憲三とともに仕事を。
2010-11-21 12:56:51作者不詳『ダン吉島のオリムピック大会』http://youtu.be/JDoZ262s3_c 1932年。『冒険ダン吉』という島田啓三のマンガが原作らしい。wikiによると田河水泡『のらくろ』と人気を二分するも、戦後は侵略主義を賛美し人種偏見を助長した漫画と批判された、とのこと。
2010-11-21 13:39:09山口貞三『チュウ児の羽衣』http://youtu.be/giJyKwVvQpo 1941年。つべのうp主コメ欄は1931年となってるけど、おそらく41年が正解。昨日初めて見たのけどクオリティの高さに驚いた。ちなみに1941年=昭和16年であり太平洋戦争開始(12月8日)の年。
2010-11-21 13:50:42瀬尾光世『お猿の三吉~突撃隊』 http://youtu.be/FLjD31rUIGA 1934年。瀬尾は政岡憲三(後述)に師事した後、1933年に独立。愛らしいキャラクターで人気となった『お猿の三吉』はシリーズ化されている。また『のらくろ』シリーズ(35~38)も手がけている。
2010-11-21 21:43:06