そこですね。自分でもよくわからないです。ハーバードではこの世のものと思えないほどの修練をくぐりました。その結果、神は信じなくても神への恐れだけは知っています。 RT @azu_umi わたしが思ったんは、むしろマイノリティかもしれないけどあなた強者ですやん、てことかな。
2014-07-15 19:28:35日本でも戦って一応受験戦争には東大合格をもって「勝利」した。でもそれはあくまで日本国内でしか通用しない王冠。ハーバードではいっきに何もできない、自分の頭で考えられない「maggot=ウジ虫」へと叩き落とされました。 RT @azu_umi あなた強者ですやん、てことかな。
2014-07-15 19:31:28ハーバード大学の日々はトラウマでしかない側面と、あれを生き抜いて本当に良かった、という側面があります。あまりに過酷な「sink or swim=溺れたくなければ、泳げ」の方式で授業は進められました。
2014-07-15 19:36:46学生の人数が多い科目ではセクション・リーダーと呼ばれる学生がゼミを担当。ついていけない、と年下のリーダーに愚痴を行ったら「攻撃的な態度を取り、課題を怠っている」とメインの教授に報告書が書かれ、すかさず葉書で警告。自分で出向いて弁明し、やっと落第を逃れた 期末では一番低い及第点。
2014-07-15 19:38:53こんなことが日常的にあるため、多くの学生はノイローゼにかかる。大学には燃え尽きた学生専門のカウンセラーがいて、ぼくも通った。自分の子供の頃に差別された話や人間関係がうまくいかない、行きづらい、と黒人女性のカウンセラーに何時間も語り、泣いてはクリーネックスを渡されて鼻をかんだ。
2014-07-15 19:40:39最終的にある日カウンセラーが「もう、甘えるのはやめなさい。これから課題を一つ一つクリアするために手順を教えます」と、厚紙のカードに、一週間のすべての行動を15分刻みで決めるプログラムを作成。もう一つの厚紙カードに実際の行動を記入。週に一度比較して次の行動決める。一種の服役だった。
2014-07-15 19:43:10まる一週間、厚紙のカードを見ながら「次にすること」を確認。そのカードの通りになるべく振る舞えば、次のセッションでカウンセラーに叱られない。こうして自分の行動はプログラムされ、自由意思をある程度持ったロボットのようになりました。ちょっと怖いのは、それが次第に楽しくなっていったこと。
2014-07-15 19:45:27一学期間、泣き言や言い訳を許されず、ひたすら厚紙のカード通りに行動する。他の学生たちが青春をエンジョイしている横で、カードに書かれた消灯時間が来たら寝る。これが続くうちに体がリズムに喜びを感じ始め、服従し、順応するという奇妙な快楽を感じるようになった。どことなく軍隊の生活だった。
2014-07-15 19:48:47「ぼくは日本から来たのでその感受性が…」「日本には寝た子を起こすなという言い方があり、不要な議論は避けて…」「和をもって尊しとなすという文化が…」このすべてを言い訳として却下され、ハーバードでエクセレンスを追求するマシーンへと自分の行動が強制された。自由意思の議論も却下された。
2014-07-15 19:51:16溺れるか、泳ぐか。ウジ虫か、誇り高い優等生か。それしかチョイスが与えられなくなることは、自分らしさを冒涜されるようだった。でも時間とともに何かが自分の奥底で目を覚ましたように、より強い規律と結果を出すことを望む自分がいた。ぴったり10時15分に眠くなる体のリズムに、喜びを感じた。
2014-07-15 19:53:54ハーバードの外では相変わらず人々が議論し、愛し合い、喧嘩したり挫折したりする日常世界。だがハーバードの中では服従こそが生き残るための鍵だった。この規律に従う。自分を変える。指し示されたゴールを目指す。この帰属に、今までにない満足を覚えた。支配されているのに、支配者でもあった。
2014-07-15 19:56:10厚紙のカードをひたすら確認すると、次に何をすればいいのかがチャートに記入されていた。あっという間に時が過ぎ、卒業がやってきた。卒業の日、厚紙のカードを捨てることに悲しさを感じた。卒業式典では黒人の牧師が演説。聖書の中から、後ろを振り返ったために塩の柱と化した女性の話。振り返るな。
2014-07-15 19:59:28ぼくはその後も、本当に辛くなると厚紙のカードに行動を記入して乗り切った。いつだってウジ虫に戻りたければ、そうするがいい。泳ぐのか、溺れるのか?なんだ、この弱々しい論理展開は。腹筋を100回、1000回やれ。神への恐れを思い出せ。壊すんだ、今の自分を。まだ、あの声が聞こえる。
2014-07-15 20:03:34