「今回の『美味しんぼ』の内容は科学的に一面的で、福島県など当事者の批判を招いたのは当然と言える。」→「今回の『美味しんぼ』の内容は原発事故後の状況を描いたものとして取り上げ方に偏りがあり、福島県などの反発を招いたのはしかたがない。」
2014-05-13 22:42:53「今回の問題は、放射線に関する知識の問題というよりも……」→「今回の問題は、被ばくと鼻血の因果関係といった問題としてだけ捉えると……」
2014-05-13 22:42:55まあでも、これ、私は、まず第一義的には科学的に適切な見解やアプローチはどういうものか、また放射線に関する比較的正しそうな知識は何か、という問題だと思う。
2014-05-13 22:42:58例えば、「福島での被曝で鼻血がでることは科学的にありえない」とい う主張は、空間線量の推移、そこから推測される大気中の放射性物質の濃度、 その大気を吸入した結果として起こりえる鼻腔の被曝、といったものを検討 すると到底受け入れられるものではない。
2014-05-13 22:43:00あくまでも、 鼻血がでるメカニズムとして「高線量の被ばくがあった場 合、血小板減少」によるもの以外は認めない、という立場だけが正しい、とい う、これ自体に科学的根拠のない信念から導かれるものでしかないからである。
2014-05-13 22:43:03もうちょっと具体的に計算しておく。 JAEA 論文によると、最大の空間線 量が 5 μ Sv/h であった東海村での I-131 による吸入による内部被曝は 実効線量で 0.4mSv となった。
2014-05-13 22:43:05最大の空間線量が 1.5mSv/h に達した双葉町にその時にいた町民 の内部被曝はほぼ比例して高くなると考えられる ( この推測は、ダストサンプ リングのデータがある場所については概ね正しい ) 。
2014-05-13 22:43:08つまり、 300 倍とすると 120mSv 、まあ成分も違うかもしれないので 1/3 程度の 100 倍として 40mSv である。東海村では 3/15 の分の他に 21 日の分もあ るからさらに半分にするとして 20mSv 。東海村の 50 倍としてみる。
2014-05-13 22:43:10遠藤さんの ICRP モデルを使った検討で、 I-131 の形態が粒径 1 μ で、鼻腔にあまり捕捉 されない微粒子で、鼻腔の β 線被曝は全身の実効線量の 100 倍となることが示 されている。同程度の量があった Te-132 を考慮すると 240 倍となる。
2014-05-13 22:43:13仮に、低線量被曝では鼻血のような症状はでない、というのが科学的に 正しいものであったとしても、鼻腔に 5Sv 程度の被曝、というのは低線量で はない。
2014-05-13 22:43:18空間線量の最大値が少なくとも 200 μ Sv/h であった飯舘村では東海村の 20-40 倍程度として、鼻腔の被曝量は 2-4Sv というとこになる。
2014-05-13 22:43:23つまり、皮膚であれば障害を起こすような量の被曝を鼻腔にした人々は、 かなりの人数いた、と思われ、環境省や福島県の被曝による鼻血はありえない、 という主張には科学的根拠はないと結論できる。
2014-05-13 22:43:25http://t.co/8p5t7CKQ6P 平成 23 年 3 月 11 日~ 3 月 31 日(東日本大震災発生以降)にモニタリングポストで測定された空間線量率等の測定結果について
2014-05-13 22:43:28