また同じ間違いを見つけたので指摘しておく。それは、「ロケットが音速を超えた瞬間」じゃないです。ソニックブームは大気中で音速を超えた物体はずっと出してます。発射から2分近いので速度はすでに音速の数倍に達してます。http://bit.ly/dnzd7F
2010-02-22 09:27:51これは、空気中の氷の結晶が太陽の光を屈折させてできる「幻日」という現象(波紋が起きる寸前に画面右端に虹が出ているのがそれ)が起きている場所をロケットが通過し、氷の結晶が漂っている層をソニックブームで吹き飛ばした様子を捕らえた映像。http://bit.ly/dnzd7F
2010-02-22 09:31:28幻日そのものがそんなにしょっちゅうみられるものではない上に、、観測者からみてある一定の角度と方向にしか出ないので、そこをロケットが通るというのはものすごい偶然なのです。http://bit.ly/dnzd7F
2010-02-22 09:33:36そもそも、あのわっかがたくさん描いてあるソニックブームの説明も誤解の元かもしれないなあ。あれじゃあ断続波が出てるみたいだよねえ。実際にはソニックブームはこういう形をしている。 http://bit.ly/dvV5sa これは音速の1.5倍で飛ぶ弾丸の写真。
2010-02-22 10:33:46この弾丸の写真( http://bit.ly/dvV5sa )を見ると、スペースシャトルの帰還の時にソニックブームが2回聞こえる理由が分かるはず(機首と機尾で波が2回起きている)。
2010-02-22 10:36:27ソニックブームが起きる理屈は船と同じ。船がゆっくり動いていれば、水と船が一緒に動いて波は起きない。あるスピードを超えると、へさきとともで水が圧縮されて波になる。ソニックブームの場合は水の代わりに空気で同じことがおきる。空気の振動=音なので音速がその限界速度になる。
2010-02-22 10:43:54@lizard_isana 船の波の補足。水は圧縮性がほとんどないので、疎密波は起きにくいです。しかし水面の波は、水面の高さを密度と考えれば、疎密波と似た挙動をします。つまり2次元の波です。船の速度が水面波の速度を超えると、舳先の衝撃波面を形成します。
2010-02-22 11:03:26@lizard_isana 超音速流を減速するときの様子も、水で容易に再現できます。ウォータースライダーを流れ落ちる水の速度は、表面波より速いので、いわば超音速流(水では射流と言う)です。これが水平な区間に入ると、あるところで突然水深が深くなり、流れが遅くなります。
2010-02-22 11:05:49@lizard_isana これは、圧縮性流体の超音速流が衝撃波面を形成して亜音速流になり、密度が上がるのと全く同じ現象で、水の場合は跳水と言います。
2010-02-22 11:07:13@ohnuki_tsuyoshi なるほど!今ぐぐってやっと分かりました > 跳水 この現象なんですね!http://bit.ly/clNEDE
2010-02-22 11:11:02@lizard_isana そうですそうです、これも放射状の射流が跳水を起こして常流(亜音速流、水面波より遅い流れ)に移行する現象ですね。
2010-02-22 11:19:13@lizard_isana こちらの写真はウォータースライダーのイメージに近いですね。左側の流速が波速より速いので、右側の水深の深い部分が左へ広がることができません。なお、記事にあるフルード数というのは、空気におけるマッハ数のような概念です。 http://ow.ly/19J9R
2010-02-22 11:25:52おおお!おもしれー!ソニックブームの話が土木工学と繋がってしまった。表面波(音の場合は粗密波)の速度と流速が均衡するところに衝撃波面ができる、という意味では跳水とソニックブーム同じ現象なんだ!
2010-02-22 11:28:43@lizard_isana おもしろいでしょ?あと、実は高速道路の渋滞も同じ現象だという・・・運転者の反応速度を疎密波の伝播速度と考えます。上り坂などで密度が上がってくると突然速度が落ちます。これが自然渋滞の発生。渋滞の後端が衝撃波面。1次元の波です。
2010-02-22 11:36:47@lizard_isana さらに、高圧(ドライバーはもっと進みたい)の流れをもう一度絞ってその先を開放してやると、絞りを通過する瞬間に運転者の反応速度を流速が上回り(つまり前の車間が空き)、膨脹しながら徐々に速度が上がります。これはロケットエンジンのベルノズルの原理。
2010-02-22 11:39:41実は、自然渋滞というのは衝撃波面を伴って急減速し圧力が高まる→イライラという「燃料投入」でポテンシャルエネルギーが増大する→スロート部を通過するとエネルギーが速度に変換されて減速前より加速する、という人間ラムジェットエンジンだった!という話でした。
2010-02-22 11:42:21実際に、渋滞の発生やそれに伴う交通流の変化、迂回路への分岐量などの予測には、数値流体解析の手法が使われているそうです。個々の自動車の挙動を無視し、巨視的に解析すると、それはもう圧縮性流体の挙動そのものなのだそうです。
2010-02-22 11:47:03いろいろ書いたのでさらに余談。ロケットエンジンのベルノズル断面と同じ形状の水路を作り、燃焼室部分にじゃんじゃん水を入れてやると、ちゃんとスロート部で波速と流速が同じ(マッハ1)になります。下流側では水路幅が広がるのに合わせて水深は浅く、速度は速くなるのが観察できます。
2010-02-22 11:51:13これはロケットエンジンのベルノズルと全く同じ原理ですが、水の密度はほぼ一定なので、このスロート部の水深を測れば表面波の速度が求まり、同時に流速と断面積がわかることになります。川の流量を測定する方法の一つです。
2010-02-22 11:53:50@ohnuki_tsuyoshi @lizard_isana 「せんくつ」防止の水叩き床版が、跳水という現象を利用しているのだと初めてわかりました。渋滞の話もすごくおもしろいです。
2010-02-22 11:56:01@suzutukiDS こういう、小難しい話も身近な話も、一見関係なさそうな話もみんな繋がっているんだよ、という話をもっといろいろ考えて伝えて行くと、理科離れなんか起きないんじゃないかと思っています。興味を持って面白がるのって大事ですよね。
2010-02-22 11:59:04じゃあ調子に乗って、もっと別な話をしてみるかな>圧縮性流体力学 ... 音速で起きる、水の流速で起きる、じゃあ光の速度で衝撃波が起きるか?実は起きます。原子炉の青い光、チェレンコフ放射がそれ。
2010-02-22 13:17:04媒質中の光の速度より速く荷電粒子が動くと、飛び込んできた粒子の電場によって媒質の電子が乱され衝撃波が生じます。この乱された電子が元の位置に戻ろうとする時に光子を出すのがチェレンコフ放射。
2010-02-22 13:22:07@lizard_isana なるほど、物体は光速より速く運動できないけど、光速は媒体によって違うから、光速が遅い媒体に入った亜光速粒子は減速を強いられるのか!
2010-02-22 13:24:36科学全般、天体観測、宇宙、SFに興味あり / HTC-X06HT / PENTAX / ミッフィー、リサとガスパール / 福岡、由布院に出没 / 紅茶と焼き菓子が好物 / 映画、本、マンガの感想をたまにつぶやきます