「聞こえないこと」の意味を理解するために

佐村河内氏の記者会見に関して、自身も聴覚障害をお持ちの @kurage313book さんによる連続ツイートをまとめました。
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日刊スポーツ @nikkansports

佐村河内守氏、あす都内で記者会見 http://t.co/9oNoNtvqUD

2014-03-06 16:14:06
NHK@首都圏 @nhk_shutoken

【ニュース】佐村河内氏が診断を受けた「感音性難聴」という障害について、日本耳鼻咽喉科学会の八木聰明理事長はNHKの取材に対し「内耳に伝わった音が情報として神経を通して脳にうまく伝わらない障害で、先天性のものもあるがほとんどの場合、原因が不明だ」と話しています。(続く) #nhk

2014-03-07 17:51:57
NHK@首都圏 @nhk_shutoken

【ニュース】(続き)また一般的な症状については「難聴の程度にもよるが音が聞こえたとしてもひずんでしまったり、音がしているのは分かるものの、相手が何を言っているのか分からないといった症状は起こりうる」と話しています。 http://t.co/KcniGYNlqv #nhk

2014-03-07 17:52:22
NHK@首都圏 @nhk_shutoken

【ニュース】(続き)一方で、佐村河内氏が会見で公表した新たな診断書の結果については「この程度の難聴であれば比較的静かな場所で質問者がマイクを使って尋ねたのであれば、本人には聞こえていたと思う」と話しました。 http://t.co/KcniGYNlqv #nhk

2014-03-07 17:52:47
くらげ@通常運行モード @kurage313book

誤解1:50デシベルは聴覚障害ではないのか? A.立 派 に 聴 覚 障 害 で す

2014-03-07 19:24:16
くらげ@通常運行モード @kurage313book

では、なぜ50デシベルは聴覚障害に該当しないという記事が溢れてるかというと、「(日本では)聴覚障害者手帳が取れない」のです。しかし、ここに大きな誤解があり、「身体障害者手帳を取得できない」=障害がない、ということでは全くないのです。

2014-03-07 19:27:37
くらげ@通常運行モード @kurage313book

ちょうど、良いサイトがあったので紹介する。 >50dBの世界 難聴とは?http://t.co/JI4wNJ6NAi

2014-03-07 19:29:12
くらげ@通常運行モード @kurage313book

>50dBの世界について説明されているのは――「ささやき声が聞こえにくくなり、会話にある程度の声量を必要とする」とある。これを読んだ限りでは、そんなもんか、といった印象を受ける事だろう。補聴器必要ないんじゃない?と思う人も居るだろうか。

2014-03-07 19:29:39
くらげ@通常運行モード @kurage313book

>だが、実際に50dBの世界を経験している人間ははっきりと言うだろう――「間違ってる」と。

2014-03-07 19:29:45
くらげ@通常運行モード @kurage313book

>ここまで自分で振り返ってみると、耳が全く聞こえてないのと一緒ではないか!とも思う。だが、こんな状態でも軽度難聴とも中等度難聴とも言われているのだ。もう一度言おう――「ささやき声が聞こえにくくなり、会話にある程度の声量を必要とする」――間違ってる。

2014-03-07 19:30:40
くらげ@通常運行モード @kurage313book

なお、ウキペディアですが、聴覚障害のdB区分という表を見てください。立派に50dbは「中度難聴」って書いてますよね。 http://t.co/8QkmG3jPCU なお、日本で手帳取得できるのは、両耳が高度難聴の場合のみなのです。

2014-03-07 19:33:04
くらげ@通常運行モード @kurage313book

たんに手帳が取れないから障害ではない、よって支援は必要ない、という考え方は、足を骨折して松葉杖をついていても「障害者手帳が出てないから」、積を譲ったり配慮する必要はないというのと全く同じ話です。

2014-03-07 19:34:39
くらげ@通常運行モード @kurage313book

では、ろうが100dbなのに対して、50dbもあれば補聴器をつけてれば問題ないんじゃないか、という意見も目にしましたが、それもまた大きな誤解です。感音性難聴とは、「音が小さく聞こえる」障害ではないのです。「音が歪んだり、部分部分しか聞こえない」障害である、と言い切っていいでしょう

2014-03-07 19:38:15
くらげ@通常運行モード @kurage313book

先ほどのページからの引用ですが「>補聴器をすれば聞こえるのか?と良く誤解されがちだが、そう単純な事ではない。補聴器をすれば音は普通に届くのだが、もごもご聞こえ、何を言っているのかわからない場合が多い。」

2014-03-07 19:39:28
くらげ@通常運行モード @kurage313book

重度障害出ないと公的な支援に届かないというのがねぇ(´・ω・`) RT @zgmf_x13a: .@kurage313book 枠組みが二択なのがいけないよね手帳制度。手帳の下に認定ランクとか、あってもいいのかも。ちょっとだけ手助けしてほしい障害者もいると思うの。

2014-03-07 19:39:59
くらげ@通常運行モード @kurage313book

感音性難聴は「耳をふさぐ」というより、耳に水を詰め込んだ状態で話を聞いている、という例えが一番しっくりきますね、私は。

2014-03-07 19:42:26
くらげ@通常運行モード @kurage313book

一方、補聴器とはどういう機械かといえば、単純に言ってしまえば、「音を増幅する機械」であって、「音の歪みを解消してくれる」機械ではないのです。

2014-03-07 19:43:38
くらげ@通常運行モード @kurage313book

もちろん、補聴器があれば普通に会話が困らない人がいます。しかし、逆に「(一般的に想像する)聴力検査では普通に聞こえていても、語音明瞭度は低い」というケースではさほど有効ではありません。なお、語音明瞭度のテスト方法はこちらを参照。 http://t.co/CaCmLJFbSI

2014-03-07 19:47:38
くらげ@通常運行モード @kurage313book

なお、人工内耳をつけた状態での私の語音明瞭度は60%程度です。すなわち、相手の発音した全部の言葉に対して、6割しか聞こえていません。

2014-03-07 19:48:48
くらげ@通常運行モード @kurage313book

「音」を発してるのはわかる、「言葉」として完全に理解するのは難しい RT @TamaT_yu: @kurage313book 相手が何かを伝えようとしている。だけどそれが何なのか具体的なとこが見えてこない。みたいな感じですかね。そこで勘違いとか色々害が生じる。という。

2014-03-07 19:49:27
くらげ@通常運行モード @kurage313book

ですので、佐村河内が「補聴器を付けないこと」はべつにおかしくもなんともなく、同時に手話通訳をつけていることも説明できるのです。補聴器がさほど効果を発揮しない、しかし、50dbでは全てを理解するのは困難である。となれば、手話通訳を介することは不思議でもなんでもないのです。

2014-03-07 19:52:37
くらげ@通常運行モード @kurage313book

えーと、たぶん普通にありすぎて意識できてないと思うw RT @ChromeTzahal: .@kurage313book ある音が別の音に聞こえることはありますか?

2014-03-07 19:53:48
くらげ@通常運行モード @kurage313book

で、同時に「手話通訳を見てないのでは」「手話通訳とのタイムラグが非常に短い、実は聞こえている」というツイートも目にしましたが、可能性としては「聞こえるところは聞いて、聞こえないところは手話通訳を見ている」という手話通訳の使い方をしてるということです。

2014-03-07 19:55:23
くらげ@通常運行モード @kurage313book

ここでも、聴覚障害=全く聞こえない、という勘違いが強く働いているのですね。私も時々手話通訳や要約筆記を利用しますが、ずっとそれを見ているかというと、見てないです。わからないところの確認のために見る、ということがほとんどです。そういう使い方もあるのです。

2014-03-07 19:57:00
まとめたひと
橋本麻里 @hashimoto_tokyo

本業は日本美術方面のライター&編集者(震災モード)。