海を守る男のある日のお仕事
- fussoo_moe
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何かというとVHF16chのマスキング(送信しっぱなし)事案.夜中2時前から朝7時頃までずっと.16chはすべての船が呼出しや遭難通信をする大事なチャンネル.これが長時間に渡って妨害されたのである.
2013-12-02 18:13:43免許の関係上,うちの日ノ御埼局では友ヶ島でベイパイロットが乗る船としか通信できなかったが,北上中の各船を呼び出し混信状況を確認.徐々に範囲を絞っていった.
2013-12-02 18:18:27海保のオペレーションと電話で密に連絡を取りながら手分けして船を呼び出して混信状況を確認.各船からの情報をまとめると該船は徐々に北上していることがわかった.
2013-12-02 18:20:25おそらくこのままでは16chの妨害源が大阪湾内に突入するのは05:00~06:00.一番通信が輻輳する時間帯にVHFが使用不能になる恐れがあった.
2013-12-02 18:22:5816chのボリュームを最大にして耳を澄ませていると,英語で船員同士の話す声が.外船だ!ならばAISを持っている!すぐに海保に電話して情報を伝える.ちょうど同じ頃,総合通信局の方位探知機が16chの発信源を特定.1隻の北上船から発せられてると判明.
2013-12-02 18:27:05なんとその船は神戸行き(笑)船名が特定できたところで海保の海岸局が怒濤の呼び出し.しかし当の本人は電波を垂れ流しているので聞こえるはずもなく…
2013-12-02 18:29:29そうこうしているうちにも大阪湾内へは入港船が押し寄せてきており,湾内の通信機能が失われるのも時間の問題だった.すでに友ヶ島方面から来る船とは16chでの通信設定が困難になっていた.
2013-12-02 18:31:53そこで僕は湾内が機能不全に陥る前にVHFで各局に宛てマスキング情報と各ポートラジオへの連絡方法(それぞれのポートラジオは何chで直接呼び出せばいいか)を日本語と英語でそれぞれ数回アナウンス.それが効を奏し,内航船や外船も通信波で直接呼んできてくれ,無事に各船と通信を確保できた.
2013-12-02 18:39:38あとは問題の発信源.幸い神戸入港船だったので代理店と担当者が判明.早朝だったが構わず代理店の携帯に電話し,本船のインマルに電話して無線を停波させるように頼んだ.
2013-12-02 18:42:26するとVHF16chからピリリリリリッ!と電話の着信音が!つまりマスキングしてる張本人の船のブリッジで代理店からの電話が鳴り響いたのである.直後に妨害電波は停波.間髪入れずに海保の無線局が該船を呼び倒す(笑)
2013-12-02 18:45:16どうやら該船のVHFの調子がおかしいらしい.どきどき電波が出っぱなしになるも,マスキングは消滅.あとの処理は海保に任せることに.述べ5時間に上る妨害電波発信源の特定劇は終わった.ポートラジオは夜間は2名勤務なので当然2人とも徹夜(笑)
2013-12-02 18:48:51通常の朝ラッシュに加えてイレギュラーな事案の対処.特に大阪・堺ポートラジオの通信が爆発してたのでやばかった.朝から上司への報告やら何やらで結局退勤したのは夕方(^_^;)
2013-12-02 18:51:13大きな港で船が行き交うのを見たとき,それらの船が順序良く安全に入出港できるよう見えないところで24時間365日誰かが働いている,ということをふと思い出していただければ幸せです.
2013-12-02 19:40:00