『左翼は、ナショナリズムと帝国主義は同じで、一切忌避すべきものと思われがちだが、実際はんなことないのだ』こたつ猫 @sangituyama さんのツイート

こたつぬこ🌾野党系政治クラスタ @sangituyama

1⃣左翼は、ナショナリズムと帝国主義は同じで、一切忌避すべきものと思われがちだが、実際はんなことないのだ。すごく皮肉なのは、ポストコロニアル的なナショナリズム観を提示したとされる<想像の共同体>の著書ペネディクト.アンダーソン自身が、ナショナリズムについてはこんなスタンスなのだ。

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②以下、アンダーソンの最近のインタビューが流れてきたので抜粋 「質問者：　――石原前知事の言うようなことは、本来のナショナリズムではないということでしょうか。 　「ええ、違います。自分の国がどうもうまくいっていないように感じる。でも、それを自分たちのせいだとは思いたくない。

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③そんな時、人々は外国や移民が悪いんだと考えがちです。中国、韓国や在日外国人への敵対心はこうして生まれる。これはナショナリズムというよりは、民族主義的、人種差別的な考え方です」

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④　――日本では、ナショナリズムは鬼門です。明治以降、国家の名の下に植民地政策を推し進め、最後に破局が訪れました。 　「ナショナリズムそのものが悪なのではありません。それは、いわば社会の接着剤であり、人々に『自分は日本人だ』と感じさせるものです。

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⑤決して石原さんの威勢のいい演説が示しているようなものではない。そして、この当たり前の感覚が崩れるとしたら、それは社会の危機を意味します。まるで人がマラリアなどの病気にかかったときのように、すべての悪い症状が一気に噴き出てくるでしょう」

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⑥――戦後日本では、ナショナリズムをやっかいなものだと考え、遠ざけて考えないようにしてきました。 　 「本来、ナショナリズムは未来志向なんです。考えてみてください。私たちはなぜ税金を払うのか。それは、例えば公園や美術館を維持するためだと考えて納得します。

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⑦「…その前提となっているのは、国家は将来も存続し続け、自分の孫や子たちもきっとこの国で生き続けるという揺るぎない確信です。私たちは、国家があるからこそ、未来のため、まだ生まれもしていない子たちのために行動することができる」

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⑧　「私が言いたいのはこういうことです。黒人の権利、同性愛者の権利を認めるとき、人々は『彼らだって同じ米国人なんだから、同じに扱わなければ』と考えたはずです。国家という概念が、こんな考え方を可能にする。ナショナリズムは、人種偏見や性差別を乗り越えるのです」

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⑨　「一方で、排外的な人種主義、民族主義は、過去にとらわれる思考です。旧ユーゴスラビアの分裂は、その好例でしょう。クロアチア人、セルビア人らは第２次大戦前から一つの国家として共に暮らしていたにもかかわらず、過去に拘泥して悲惨な内戦を戦い、『民族浄化』すら起きた。

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⑩――私たちはナショナリズムとどう付き合えばいいのでしょうか。 　「いくつか、ヒントがあると思います。スポーツの例は重要です。印象に強く残っているのは、２００２年の日韓サッカーＷ杯で、日本が敗退した後に、多くの日本人が韓国の応援をしていたことです。

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⑪「米国もサッカーが強くないので、２番目にひいきのチームを応援する人が大勢います。自国のチームが負けたから無関心になるのではなく、別の国を応援する。ナショナリズムは、こんな形で昇華することもあるのです」

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⑫重要なのは、移民の存在だと思います。グローバル化が進み、今後は多くの労働者が外国に移り住むようになります。日本政府の移民政策は評価できませんが、『外人が来たら、日本らしさが失われる』というような議論が出始めたら危険です。それはナショナリズムなどではなく単なる差別主義なのです」終

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アンダーソンのナショナリズム論はもはや世界的な左翼知識人のなかでは前提になっている。でも、いわゆるヘサヨというひとたちは、海外の議論詳しいはずなのに、こうした都合の悪い議論はしらないふりをするのだ。

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「帝国主義」「ナショナリズム」そうした社会科学のタームが、いかに日本ではご都合主義的に使われているかの一例でした。

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従って、アンダーソンのナショナリズム定義にのっとれば、「仲良くしようぜ」は下からのナショナリズムなのだ。問題はそれを、排外主義とナショナリズムの区別もつかない輩がレッテル張りに使ってることだ。

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@torapocodan そんな技術ないっすー アンダーソンの元記事はこれ http://t.co/NDGdlGevww

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あと、ナショナリズムの代表的論客が９０年代に一斉に指摘したのは、ナショナリズムが「弱くなったから」排外主義的民族主義が台頭したということ。ところが日本ではナショナリズムが「強くなったから」排外主義的民族主義が台頭したと逆の理解が広がった。

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①「こんなにナショナリズムを肯定するアンダーソンってやつはどうで左翼でもなんでもないただの一国主義者だろう」なんていうむきもあろうから、アンダーソンの経歴を書いておくと、彼はアイリッシュ系とイングランド系の両親のもとの中国生まれ。

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②ミドルネームのO'Gormanは１８４８年アイルランド蜂起の指導者の一人にちなんだもの。弟はイギリスの社会主義系学術誌「ニューレフトレビュー」の編集長ペリー・アンダーソン。カリフォルニアで育ち、ケンブリッジを卒業し、インドネシア研究を専門にするののの、スハルト独裁体制を批判して

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③国外追放され、研究対象を失ったかれが手掛けたのがナショナリズム論だった。それからもうひとりの代表的論客エリック・ホブズボウムはこんな経歴。ユダヤ人の船員の父とハプスブルグ家の中産階級の子女の子としてエジプト・アレクサンドリアにうまれ。

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④ウィーンを経てナチス台頭期のドイツでドイツ共産主義青年同盟に加盟。亡命したイギリスでケンブリッジに入学し、スペイン内戦に参加する。 このように、代表的なナショナリズムの論客の多くは実は「コスモポリタン」な経験をもっている。だからこそ「ナショナリズム」に正面から向き合おうとする。

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⑤実は日本の安易な「ナショナリズム否定論者」こそが皮肉なことに実は一国的で「日本的」なことだ。彼等にとってナショナリズムは格闘するものではなく、「目をつぶれば見えなくなる」程度か、あるいは「主敵」を打倒すれば消え去る程のものでしかないのだ。滑稽極まれり。