第3回ツイッター小説大賞 ~受賞作発表~2013/6/7
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大賞
おかあさんすき。きいて!お友達ができたよ。よそはもっとお小遣いもらってるのに。似てないよ母さんになんか。格好悪いから外で話しかけんな。何とか大学合格してた。たえこと結婚します。少し父親としての実感が沸いてきました。たまには帰るね。ねぇ嘘でしょ癌なんて。天国から見えますか。母さんへ
2013-04-09 13:50:15優秀賞
おはようございます。ご主人さま。執事ロボットは恭しく礼をする。すぐに朝食を持って参ります。コーヒーとトーストをトレイにのせて戻るとすでに主の姿は消えていた。執事ロボットはトレイを食卓に置き、古びた映写機を直しはじめる。もし直らなければ彼は一人きりになってしまう。 #twnovel
2012-09-05 01:44:08ある朝目覚めると小学校の文集で書いた将来の夢が叶っていた。町にはお姫様やらヒーローやらが溢れている。友人に電話すると同じ状況らしい。「お前はいいよな、現実的な夢で」メジャーリーガーになった俺が言うと「皆がちょっと羨ましいけどね」と公務員と書いた彼は笑った。#twnovel
2013-04-11 23:29:38#twnovel 20年後の自分がタイムマシンでやって来て、体に悪いからタバコはやめろと必死の形相で忠告していった。さすがに胸に響いたが、とりあえず20年後も生きていることがわかったので、安心してもう一服することにした。 #twnvday
2013-03-21 23:13:00教室の扉を開けると小学校で同じ組だった懐かしい顔が私を待っていた。「加奈は今日も遅刻やなー」そう言ったのは武だった。全員がどっと笑った。「これで揃ったね。入って来れば?」委員長の優花が言った。皆を待たせたみたいだ。老人の私はみるみる子供の頃の姿に戻った。私が一番長生きしたんだね。
2013-04-06 10:45:47新人の彼に声を掛ける。私は仕事で彼に気を掛ける。彼が私に優しい笑顔をかける。誕生日。プレゼントにリボンをかける。欠ける夜の月。電話を掛ける。彼に話しかける。家のドアに鍵を掛ける。彼の許へ駆ける。駆ける。駆ける。私はこの恋に賭ける。
2013-04-07 22:20:44読者賞
「犯罪に興味のある方、頼れる経験者とバスジャックをしませんか?銃支給!」男は開始の合図を出す役を割り振られた。メールの指示通りバスに乗り、定刻になると立ち上がり銃を構え叫ぶ。「バスジャックだ!」全ての乗客が銃を持ち立ち上がり、互いに顔を見合わせた。バスは静かに警視庁に滑り込んだ。
2013-03-08 22:23:39佳作
#twnovel コンビニで買い物をした。一品目、煙草。「私は20歳以上です」画面にタッチする。二品目、ビール。「私は20歳以上です」やれやれ、アルコールもか・・・。画面にタッチする。三品目、ざるそば。「私は蕎麦アレルギーではありません」画面を叩き割った俺は、逮捕された。
2013-02-14 15:38:27遠距離恋愛。半年に一回会えればいい方。身も心も乾ききってしまうので、博士に頼んで彼のコピーを作ってもらった。ただ、一つの場所に留まっていられないところもそっくりなので、一か月もするとまた遠距離になった。すぐに新しいコピーを作ってもらう。そうして三年。もう、本物が誰だかわからない。
2013-03-01 16:41:30妻が認知症と診断された。「あなた、ごめんなさい。私、ボケてしまったのね」縁側に並び、はらはら涙を流す妻の背を撫でる。「そうか、ボケか。なら俺はツッコミだな。よし、死ぬまで夫婦漫才しよう。なあにミケくらいは笑ってくれるさ」な、と言うと、庭からにゃあんと返事が一つ。 #twnovel
2013-02-04 22:17:30#twnovel 「お父さん検査行ってきて癌みつかってな。心配かけんとこ思たんやけどやっぱり知らせとかな思てな」いつもより力ない母親の声。「おう元気しとるか。せや、どこももなんともないんやけどな、まあしゃあないわな」いつもより力強い父親の声。寝て起きて携帯の履歴見て現実と知る朝。
2013-03-25 02:48:52#twnovel 彼は本をとばしとばしに読む。昨日は8ページとばし。今日は13ページ。本が閉じられると彼ことはさまれたしおりの読書が始まる。主人公がケガしてるけど転んだ?いつこの二人くっついたの…とんでしまった箇所は想像にまかせて、持ち主より文学を楽しむしおりの夜が更けていく。
2012-05-29 19:53:55その子の読んでいる本はどの頁も真っ白だった。不思議に思ってどんな話か聞いてみると、「竜と旅する話だよ」と本に視線を落としたままあらすじを教えてくれる。「だけどパパが星になってここから先が分らないの。ねえ読んでくれない?」盲目の少年の笑顔に誘われ、僕は物語を紡ぐ。#twnvday
2012-12-14 11:15:41だからタジマじゃなくてタシマだって前から言ってんじゃん!国語のセンセイも担任までどうして名前間違えちゃうワケ?何回目だと思ってんだよマジいい加減にしろよ!「鈴木くんさよなら、またね!」「あ、た、タシマさん!また明日!!」・・・俺はちゃんと、覚えてるから。#twnovel
2013-04-11 23:36:33魔法の力で永遠の若さを得た女がいた。ある日、老いを封じ込めた箱が満杯であるのに気づく。捨てるには自分に恋をした男へ手渡さねばならない。さもなければ、魔力が自分の元へ逆流する恐れがある。「という訳で、誰か目ぼしい男を連れて来い」「畏まりました乙姫様」海亀は答えた。 #twnovel
2012-05-29 21:25:03こちら惑星調査隊。「地球」の支配者を探し出すのが任務。あの四つ足は違うようだ。ではその四つ足を従わせている二足歩行生物が支配者だろうか。まて、その二足歩行生物がかいがいしく仕えている生物発見。早速コンタクトを試みる。その支配者は我々の呼びかけに応えた。「ニャア」 #twnovel
2013-04-01 14:43:06#twnovel ナビを彼女の声に改造した。『50m先を右に』『次、左だよ』聞くたびに胸が疼く。声を残し、事故で逝った彼女。「ずっと一緒って言ったよね」え!? 操縦がきかない。 勝手に走る車は崖にむかう。「でも、もう忘れて」寸前で停まり、声は途絶えた。愛を誓った岬で、僕は泣いた。
2012-07-01 21:55:12第3回ツイッター小説大賞まとめ
前回(第2回twitter小説大賞)まとめ
毎月14日に本気を出すbotです。 みなさんの素敵なツイノベをお待ちしています。