TINAMIの中の人(@tinami_info)が語る、原稿のギャラ相場に伴う作家さんの責任のお話+α
価格については、いくらであろうと双方で合意が取れた時点で成立なので、ひどいかどうかは受けた当人が決めることでしょう。だから外野が、ひどいとかひどくないとかを言うのはちょっと違うかなぁ、とは思います。
2010-08-20 03:36:24とはいえ。それは別として、TLを眺めていると報酬の相場を知らない方が案外多くて、驚きました。参考までに、だいたいの相場感をお話してみようかなと思います。いままで経験した、モデルケースを示して、このくらいでしたとお話するだけですけどね。
2010-08-20 03:41:30ともあれそれは明日にでも。「こういう種類の絵を描くといくらくらいなの?」みたいな具体的な質問あればリプライ飛ばしておいてくださいませ。ではでは今日はこれで去ります!
2010-08-20 03:43:14昨日からツイッターで情報を確認したんですけど、あれ、つまり報酬(=原稿料)でなくて「謝礼」ですよね。依頼時のニュアンスとか、まったくわかりませんけれど、昨日も話した通り、それについて事前に合意が取れているのなら、今更騒ぐべきことでもないような気がします。
2010-08-20 22:34:43雑誌の投稿コーナーに掲載されて、掲載記念にテレホンカードが送られてくる、みたいなのに近いイメージですよね、たぶん。もし万が一「原稿お願いします」的に依頼されてるのだったら問題あるとは思います。でもやっぱり結論としては「別に…」というのはあまり変わらないのでした。
2010-08-20 22:36:25と、それはさておき。「謝礼」ではない「報酬」、つまり原稿料ってだいたいどのくらいのもんなの? というお話なのですけれども。正直、ピンキリです。しかしそれだと始まらないので、たとえばA5サイズのカラーイラスト1枚で考えてみましょうか。
2010-08-20 22:38:25まず、ピンキリと書いたのは、クライアントさんの予算によってくるからです。どんな企画にも、必ず「予算」というものがあります。このくらいの量をこのくらいのお値段で出来ないだろうか、と誰しもが考える。
2010-08-20 22:50:48そういう話が我々のところに来たときに、まずは「この予算であればこのくらいの作家さんが呼べますよ」とか「これだとさすがに厳しいですよ」とか、そういう話をします。そこで、最終的な依頼内容や起用作家をフィックスしていきます。
2010-08-20 22:51:07で、原稿料の話。A5のカラーイラスト1枚であれば、まず1万円は切らないようにしています。というのも我々の受け取る編集費が原稿料と別途でその2〜3割の額としていますが、これだと2000円、とかになってしまい、額的にちょっと受けにくいからです。
2010-08-20 22:53:28編集の仕事は右から左に流すだけだと思われがちですが、作家の選定・依頼・スケジュール管理・クォリティチェック・原稿料支払い…などなど、いろいろと手間があります。もちろん流すことも可能ですが、コンテンツとして「安かろう悪かろう」では、誰も幸せになれないですしね。
2010-08-20 22:57:26とはいえちょっと前まで、カラーイラスト1枚の原稿料は2万円ベースでやってました。でもやはりここ最近に不況のせいか、ある程度値段を落とさざるを得ない案件も出てきました。それでも、なんとか1枚1万5千円くらいで止めるように努めています。仕事って難しいですね。
2010-08-20 23:07:59作家さんには1万5千円でお願いすることになっても、それでクライアントからしっかり受注を取って、継続案件にすることで還元できるのかな、と思います。いわゆる「グロスで単価を落とす」という、ビジネス的にはよくある話です。
2010-08-20 23:12:59あ、あと1万円を切る依頼をしないのは、値段が下がると、依頼に対する作家の責任が薄くなるからです。数千円までダンピングは出来るかも知れませんが、その依頼には数千円の価値しかありません。当たり前ですよね。ある程度お支払いするかわりに、責任のあるお仕事をお願いしたいのです。
2010-08-20 23:17:00いくらなら高いか、いくらなら安いか…という感覚は、企業や作家さんそれぞれがお持ちだと思います。で、うちはそのラインを1万円と設定しています、というだけの話です。恐らくこのうちの感覚は、業界的にはそんなに外れてないと思うんですけれど、どうなんでしょうね。
2010-08-20 23:19:13なにより、絵を描くことを仕事として考えたときに、1枚数千円で飯が食えるのか、という問題があると思います。イラスト1枚1日8時間で仕上げたとしても、やっぱり1万円はないとやっていけないんじゃないですか。絵を仕事として生活していくのであれば。
2010-08-20 23:24:14でもやっぱり見えないところでびっくりするほどダンピングが進んでいるようで、なかなかに恐怖を感じることがあります。作家になりたい人がたくさんいて、ネットを利用すればその大勢に簡単にアクセスできる時代、ときには不当に安い値段で依頼をしようという考える人も出てきてもおかしくないわけで。
2010-08-20 23:26:43駆け出しのときは、ときには安い値段で受けるのもいいでしょう。自身のステップアップを考えれば、それもアリだと思います。ただ、受けたからには自己責任ですから、かならず完遂して頂きたいと思います。そしてその経験を元に、将来、自分の価値を安売りしないようにしてください。
2010-08-20 23:35:28「自分は作家です」と言いたいためだけに、到底仕事とは言えない値段でみんなが安売りをし続けてしまえば、業界全体がナメられることになります。事実先日も、ソーシャルゲーム制作者の人が「タダでみつけてこれる」なんてウェブで書いて炎上してましたけど、あれなんかまさにそうですよね。
2010-08-20 23:38:15ちなみに安いものの話ばかりしてましたが、今まで僕らが関わったもので、いちばん高い提示額は1枚20万です。でも、これ結局受けて頂けませんでしたw 大御所になればなるほど、原稿料は青天井です。20ってのはそうそうないですが、1枚10万前後の依頼はけっこう頻繁にあったりします。
2010-08-20 23:42:02まあ、そんな感じでしょうか。最初に言ったように、金額はすべてカラーを前提とした話です。カラーがこれなのだからモノクロは…あとはわかりますね?(^ω^ )
2010-08-20 23:52:52絵仕事の原稿料の話をはじめたとき、マンガの原稿料の話までしないと完璧じゃないのですが、いろいろとややこしいことになるので今日はやめておきます。ちなみにマンガの原稿料も青天井ですが、たいていの場合モノクロ1ページは1万円を切ります。
2010-08-20 23:56:11ラノベの絵を1冊まるまる手がけると、イラストレータが貰える額はだいたい20〜30万の範囲に収まります。ほとんどの場合、印税はありません。一度、手持ちのラノベにどのくらいイラストが入ってるか数えてみるといいかも。さて、これを安いと思うか、高いと思うか。
2010-08-21 00:00:15自分がtwitterでのpostをまとめさせていただく際のポリシーは「後で自分が読み返させていただいた時読みやすいかどうか」です。なので ■1:一連のpostや出来事に対し、すべての反応(一言replyや非公式RTなど)をまとめることはほとんどありません。 ■2:内容をわかりやすくさせるために、postされた時系列をあえてまとめ内で前後させる場合があります。 以上二点についてご注意いただければと思います。