【閲覧注意】
救命士をやっていた筆者が、そのキャリアを買われて「人体を冷凍し、未来に復活させる」という言葉を売り物にする財団に就職。そこには、確かに多くの学者や顧客がいた。しかし、その実態は、キチガイそのもののカルト集団であった・・・という本。
2012-09-09 02:27:14「人体冷凍」とはいえ、実際は「死体を解体して、頭部だけ冷凍」「凍ってヒビ割れちゃったり、保管が悪くて溶けちゃったりもするけど、まぁ未来の技術なら何とかなるだろ」という物で、「ファースト・ライフサイクルからセカンドライフへの旅立ちだ」と、拍手や記念撮影しながら死体解体。
2012-09-09 02:29:43で、切り離した生首は、猫の餌のツナ缶の上に置かれ(頭部が転がらないように)、凍らせる。しかし、死亡から「措置」までに何時間もかかってて、もはやドロドロに腐ってたりとか、もうダメダメ。だが、財団は死体を「患者」と呼ぶ。
2012-09-09 02:31:54「100年後に復活させる」と言いつつ、冷凍用の機械は結構故障したり、「あれ?インフレがあるから、100年後まで冷凍保存するカネ足りなくない?」「もっと払え、さもないと冷凍やめて溶かすぞ、って会員に言おうぜ」とか、もう無茶苦茶。「措置」の時の血液や化学物質は、その辺の野原に捨てる。
2012-09-09 02:34:15で、生首を切り離したら、胴体は要らないので、手術時に出た医療性廃棄物や汚物と一緒に袋に詰めて「指定の葬儀屋」に渡してオシマイ。
2012-09-09 02:35:26さて、アメリカの野球界に「テッド・ウィリアムス」という英雄がいる。1941年に、なんと4割という記録を残した、イチロー以上のバッターである。さらに太平洋戦争で徴兵され、動体視力・運動神経・反射速度などを買われ、パイロットとして活躍。8年後の朝鮮戦争にも従軍。
2012-09-09 02:37:12朝鮮戦争時は、球界のスーパースターが二度も徴兵されるのはおかしいとして、軍が「戦闘に参加しなくとも良い。軍の野球チームに所属して野球を続ける形はどうか」と提案するも、前線での飛行任務を選ぶ。海兵隊では「テッドは野球で何百本も打ったが、合衆国と海兵隊のためには1000回も打った」。
2012-09-09 02:39:44で、この人の息子がクズで、「起業→潰す」を繰り返しつつもポルシェを何台も買い美女を侍らせてたそうで、最終的に「親父のマネージメント会社」を設立。病床の親父に、何万枚もサインを書かせグッズ販売するなど。しかも「自分が親父の字をまねて書いた物」も大量に。
2012-09-09 02:41:49ある日、テッドさんが友人に「借金返してくれ・・・何億円(日本円にして)も貸したままだ」と催促される。驚いたテッドさん、調べてみたら息子が「事業資金」として借り、踏み倒してた事を知る。で、自分の老後資金を全て捨てて友人に返そうとするが、その預金も息子が全額使ってた。
2012-09-09 02:43:34なので、テッドさんは、病床においてもグッズにサインを書き続けるなどして、少しでもカネになれば・・・と働かせられていた。
2012-09-09 02:44:21というテッドさんのクズ息子が「親父のDNA保存して売るか、死体を保存して売っちゃえば、買う奴いるんじゃねーの?」と、人体冷凍財団と意気投合。
2012-09-09 02:46:09で、テッドさんの「措置」が始まるも、なんか、うまいこと生首が切れなかったらしく、「ノコギリ持ってこい」とギコギコ切ってる時に「あれ?契約書では、クビじゃなくて全身冷凍ってなってるぞ?」と判明。「まぁいいか」ってことで、首をツナ缶に乗せて冷凍。
2012-09-09 02:48:54冷凍してたら「バキッ」とかいう音がして、まぁ、「血抜き」がいい加減だったため、脳の血管に残ってた液体=血液が冷凍して膨張、脳味噌が16回ほど破裂したと。で、取り出して、ツナ缶を蹴ったりハンマーで叩いて、冷凍された頭の破片が部屋に散らばったりしつつ「まあいいか」と再び冷凍。
2012-09-09 02:50:49で、テッドさんのサインした書面を見ると「これ、本人のサインじゃなくない?」って感じの筆跡。また、弁護士が「遺体は火葬にしてくれ」とテッドさんの残した遺言を提示。財団は「うるせぇ、テッドさんのサインした書類は本物だ」と主張。そこには「テッド・ウィリアムス」とサインがあったが・・・
2012-09-09 02:52:57「テッド」ってのは略称で、テッドさんの公式書類(税金とか国に提出する書類とか)は、すべて「セオドア・S・ウィリアムス」と書いてある。じゃあ財団の「テッド」と書かれた書類は何だ・・・と考えるに、クズ息子が父「テッド・ウィリアムス選手」の偽サインを書いた時の字に似てるという・・・
2012-09-09 02:55:15てなわけで、筆者が、これ以外にも「本人の同意なく冷凍されちゃった死体があるのでは?」と調べて行くと、財団のメンバーたちは「ああ、措置の途中で蘇生すると厄介だから、確実にアレするために毒物投与したりするよね」とペラペラ。
2012-09-09 02:57:00さらに「というか、間もなく死ぬだろうけどなかなか死なねぇな・・・って時に、サッサとアレするために薬物をナニしたこともある」と。筆者は証拠を集め、警察に提出。マスコミにも告発。そしたら、全米にいる「人体冷凍カルトの信奉者」が「殺してやる殺してやる殺してやる」と襲いかかってくる。
2012-09-09 02:58:50人体冷凍カルトによると「人体冷凍は永遠の命を与える物で、ファーストライフサイクル(つまり、いま生きている命)に関してどうこう言うな」「永遠の命を与える我が財団を攻撃するという事は、永遠の命を奪おうとする事であり、つまり財団の敵である貴様は殺人者だ」という話だそうで。
2012-09-09 03:01:01で、筆者は逃げ回り、潜伏生活を送るが、ある日「よぉ・・・アンタの家、○○州××市△△ストリートの××番だろ・・・?いま、アンタの妻が1人で洗濯してるのが見えるぜ・・・」とか電話がかかってきたり、家に向かってカメラのフラッシュがたかれたり、まぁ色々と大変。
2012-09-09 03:03:00で、いろんな事件があるが、テッド・ウィリアムスの件は「遺族の間における、遺体の取り扱いに関する民事訴訟に過ぎない」、薬物投与で殺した事に関しては「死体から薬物は検出できるが、死ぬ前か死んだ直後かわからん」という事になり、いまでも財団は活動中。名前を変えたりダミー会社作ったり。
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