アニメのロボットデザインに於いて『穴』と言うものは、初期には何らかの機能を有するものであった。兵器の発射口であったり、燃料の噴出口で有るのが一般的であったと言える。これは、ロボットアニメにおけるメカが日常から離れた存在。
2012-05-01 21:48:25ガンダム以降、ロボットアニメに『リアリティ』が求められるようになり、徐々に現実の機械のギミックが取り入れられるようになった。ボトムズのAT が戦車のギミックを採用したのがはしりであろう。
2012-05-01 22:00:34そして幾つかの作品を経て『マクロス』が現れる。現実の戦闘機F15を模した変形ロボット『バルキリー』を主役機としたアニメだ。
2012-05-01 22:05:53バルキリーのデザインは河森正治氏が担当した。元になったF14から見事に人型への変形を見せたそれには、機首部分に謎の穴が空いていた。
2012-05-01 22:10:11さて、ノーズ部に有るこの謎の穴。良く見ると斜線が入っている。何らかのハンドルで有るようだ。実際にこういった窪みのなかにバーハンドルが通っている物は有る。動くものなら気密室のドア、動かないものなら牽引用のフック受けと言ったところだろうか。
2012-05-01 22:57:21純粋に有るものとして考察するなら、牽引、係留用と考える方が腑に落ちる。位置的になにかをロックしているようには見えないし、人が手で回すにはでかすぎるのだ。
2012-05-01 23:06:37現実的な考察は置いておいて「実際に存在するデザインだけど、機能はしていない穴」がロボットアニメに現れた瞬間である。画面上のアクセントとして○に斜線が入っているデザインは河森氏の作品に多く見られる。同作に出てくる敵メカのポッドの目の部分やデストロイド、果てはミサイルの弾頭まで
2012-05-01 23:13:56河森氏の使う「○に斜線」は多くのメカデザイナーに影響を与えたと言って良いのではないだろうか。皆さんもメカを書くとき一回ぐらいはこのモールドを使ったことが有りませんか?(私は有ります)
2012-05-01 23:18:55「出渕裕とパンチングメッシュ」時代は進み、マクロス以降も多数のロボが世に現れました。時に河森穴を踏襲したり、或は大河原穴へ回帰したり。ロボは穴を持ち続けました。ロボ穴にとっては停滞期とも言える数年を経て、我々は全く新しい穴と邂逅するのです。
2012-05-02 19:45:39機動警察パトレイバーに於いて、主役機を勤める98式イングラムの登場である。デザイナーは出渕裕氏。センサー類を納めた鉢ガネ状の即部に設けられた五つの穴。俗に言うブチ穴のメジャーデビューの瞬間である。
2012-05-02 19:51:32この「ブチ穴」大河原穴や河森穴との決定的な違いがある。なにかと言うと「なんの機能も無い」と言う点である。強いて言うならネジ穴か軽量化の機能が有るくらいであろう。
2012-05-02 20:04:24さて、このブチ穴と言うもの。メジャーデビューと言う言い方をするのには理由があり、初出はケロベロスサーガシリーズで特警が使用したプロテクトギアのヘルメットに見られるモールドである。本人もそういってるのでたぶん間違いない。
2012-05-02 19:55:22ブチ穴誕生のいきさつに、ケロベロスサーガのデザインの際、監督の押井守氏から「ドイツ軍のヘルメットで頼む」と言われたが気に入らなかったので穴を開けた(正確にはパンチングモールド)と言う逸話がある。ただカッコいいから開けられた穴な訳である。
2012-05-02 20:09:47イングラムをはじめとする出渕メカの穴。ハイクオリティ画像などで確認していただければ分かりますが、大体ボルトヘッドらしきものが確認できます。
2012-05-02 22:14:18なるほど、機能的にはネジ穴なのだと納得していただけるだろう。しかし、同作パトレイバー内に於いてブチ穴デザインの最高峰メカが現れる。
2012-05-02 22:17:40しかし、同作品内に、ブチ穴デザインの最高峰メカが現れる。自衛隊空挺部隊99式ヘルダイバーである。http://t.co/F2XxLymJ
2012-05-02 22:23:30お、ちょっと被ってた。ご覧いただけばわかる通り、あらゆるところに穴が開けられている。脚部内側、手首、内腕、肩、頭。もはや軍用機とは思えないほど穴だらけである。
2012-05-02 22:28:09