氷川竜介、評論について語る

Yuki @porcoatacar

@Ryu_Hikawa ご教授願います。やはり私は”評論家”という職業に納得がいきません。嗜好品には人それぞれ好みがあり、評論すべき対象ではないと思います。”解説者”ならその分野に深い知識のある人が、無い人に「こんな楽しみ方もありますよ」とガイドする立場として納得いくのですが。

氷川竜介 新書「アニメの革新」発売中 @Ryu_Hikawa

@YUKIxUN 評論家は背景をふまえ、歴史・社会的位置づけを含めて総合的に論じる立場の人間です。単に作品に詳しいという解説を超える役割が求められます。もちろんテレビ・雑誌の仕事などの場合、解説も含まれることがありますが、新たな観点、切り口も提示する意識を求められると思います。

氷川竜介 新書「アニメの革新」発売中 @Ryu_Hikawa

@YUKIxUN アニメ作品は、嗜好品・消費物としての側面もありますが、アニメが継続的に永く作られ続けるためには、文化としての文脈や継承性の意識が必要です。そのための価値判断をつけるという役割もあると思います。事実、この数年はその仕事の比重も増えています。

氷川竜介 新書「アニメの革新」発売中 @Ryu_Hikawa

@YUKIxUN 実際に映画の世界では映画評論の先達がいて、文化としての研究、位置づけや歴史化をされ、厚みが出ているかと。そして評論家の方は、かつてはテレビ洋画劇場などで解説・ガイドもされ、映画の楽しみを啓蒙していました。YUKIxUNさんの求められる職能に近い仕事です。

氷川竜介 新書「アニメの革新」発売中 @Ryu_Hikawa

@YUKIxUN 「評」を「点数づけ」のように誤解される方が多いのですが、自分自身は「価値観の提示」が評論の仕事だと思っています。それは主体性を持つ仕事なので、従属性が高く聞こえる解説者よりも、評論家の方がベターと思って名乗ってます。この種の誤解が多いのでベストではありませんが

Yuki @porcoatacar

@Ryu_Hikawa 分かりました。それには同意見です。でも”研究家”ではいけないのでしょうか？”評論家”の言葉は受けとる側にとっては、結局のところ「おもしろい」「おもしろくない」とか「おいしい」「まずい」に聞こえるのですが。すいません、ここまでくると言葉遊びですね。

氷川竜介 新書「アニメの革新」発売中 @Ryu_Hikawa

@YUKIxUN 「価値観の提示」というのは「オレの価値観」という意味ではありません。クリエイターの価値観と受け手の価値観をつなぐ仕事ということです。

氷川竜介 新書「アニメの革新」発売中 @Ryu_Hikawa

@YUKIxUN 研究家だと学究肌で、アカデミズムに属しているというイメージがあって、大衆向けテレビ出演に際して誤解をまねくと判断しました。文章によっては研究家と書いてあるはずです。「評」という言葉を自分は二値判断に使ってませんし、高いところから裁くみたいな発言は避けます

氷川竜介 新書「アニメの革新」発売中 @Ryu_Hikawa

@YUKIxUN 大事な説明が抜けてました。最大の仕事は「言葉にする」「語る」ということです。アニメの感動を具体的な言葉にして腑に落ちさせることで、その感動が「個」を超え、「時」を超える可能性が生まれます。これが冒頭述べた社会と歴史との接点になり、次の継承の核になるわけです。

氷川竜介 新書「アニメの革新」発売中 @Ryu_Hikawa

@YUKIxUN 肩書きもまた「言葉」です。こうした意識の有無を言葉に凝縮しているつもりです。ただ、なかなか分かりにくい話であろうという点については、今後考えていきたいところです。長々と恐縮です。

Yuki @porcoatacar

@Ryu_Hikawa ご教授ありがとうございました。大変失礼ではありますが、このあたりで終わらせていただきます。また疑問できて氷川さんのお時間が空いている時はお付き合いください。重ね重ねありがとうございました。

氷川竜介 新書「アニメの革新」発売中 @Ryu_Hikawa

@YUKIxUN ご丁寧な質疑、どうもありがとうございました。