『聯合艦隊司令長官山本五十六』。文藝春秋とソフトバンクグループ後援ということで、要は「マスゴミ(但し大新聞のみ)が悪い」「国民が悪い」「(薩長系が占める海軍と違って"賊軍"側が占める)陸軍が戦争を推進したのが悪い」を柱に、後は偉大なる五十六様の御言葉と良き父ぶりを羅列した映画。
2012-01-01 22:37:39五十六様の日中戦争での御活躍とか愛人の話とか逆立ちとかはカット。自存自衛とか、民間人は攻撃するなとか、奇襲攻撃にならないように念押しするとか、台詞の端々にそういう配慮が入れられているので、段々笑えてくる。甘味処の子供に贈り物をしていくとか、偉大なる描写の部分では苦笑が漏れた。
2012-01-01 22:43:17反対と言ってもあくまで対米開戦の話であって、しかもこの映画には東條も出て来なければ、昭和天皇は玉音放送だけと、結局「悪いのマスゴミと国民(だけ)」に焦点を絞っているから、観客は鼻白むわな。
2012-01-01 22:51:24特にエンディングの小椋佳の歌『眦』で♪歴史の中に真実を学べ~とフレーズが出て来た瞬間、椅子から転げ落ちそうになったわw 『突入せよ!あさま山荘』に続き、役所広司はこういう偉大なる俺様映画が好きなのか。
2012-01-01 22:55:07むしろ日中戦争から戦線拡大を推進した方々や、戦争反対なら特高に挙げられた方々でも映画にした方がよほど面白いと思うが。こういう映画を観ると、笠原和夫が市井の視点を忘れずに『二百三高地』『大日本帝國』の脚本を書き上げた点は、やはり尋常ならざる事だったんだなあと実感。
2012-01-01 22:57:59役者陣は総じて安定。吉田栄作もいいが、南雲忠一に扮した中原丈雄が特に良し。特撮は頑張っているけれど、やはりロングショットが多いですな。砲や甲板が吹き飛ぶアップは無し。このあたり、『連合艦隊』『太平洋の嵐』や、撃墜された長官機の上を護衛機が回り続ける三船五十六映画の演出の方が良い。
2012-01-01 23:06:11でも一番笑ったのは、はやぶさの予告編を上映した後、本編で米百俵の精神を解説しているところかしらん。こんなことなら、『宇宙人ポール』でも観に行けば良かった。
2012-01-01 23:08:39@TOKYOMEGAFORCE って事はミッドウェイ後にイケシャアシャアと「私はどんな脆弱な艦でも使いこなしてみせる」と大見得を切ったエピもカットすか?あるいは美談扱いとか?
2012-01-01 22:57:11@0086smart 何の話でしょうか? 我々の偉大な五十六様は、空母沈めてショボーンとした南雲たんに茶漬けを勧めて労っていましたよ! その平和と部下と国民を愛する姿勢に、我々は涙を流して五十六様万歳!神国日本は永遠に不滅だ!と叫ばなくてはなりません。
2012-01-01 23:22:06口直しに東映製作『海にかける虹』主題歌、デューク・エイセス『そして大和』[http://t.co/SsxhUDx9]。こちらは五十六の愛人も逆立ちも出て来るw そして面白いのが、五十六と並ぶ主役に、めし炊き兵の岡本信人。
2012-01-01 23:45:10『海にかける虹』の面白い点は、田舎から婚約者のお咲を置いてめし炊き兵になった岡本信人がケツバット喰らいながらw成長し、五十六戦死後もドラマが続く点。最後戦艦が沈められて死を覚悟した信人が五十六の言葉を思い出し、「お咲!俺は日本に帰る!」と無人の洋上で叫んで終了。凄ぇよ、新藤兼人。
2012-01-01 23:53:29