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出版社に入って思い知ったこと。それは「棚の重要性」である。棚というのは本屋さんの棚のこと。つまり、ある本を刊行したときに、その本がどの場所に置かれることになるか、それが明確でないといけないというのである。だから、単行本企画を営業部が落とすときの決まり文句は「棚がない」だ。
2022-06-28 09:41:03一般的に言って、出版社の人間がやっていることは、書き手と読み手の間をつなぐこと、つまり仲人みたいな仕事である。ある文章があったときに、その文章を読んでくれる先を見つけてあげることであり、両者のマッチングである。
2022-06-28 09:43:48書き手が知らせたいと思うことと、読者が望んでいるものとが合致するかどうか。そして、書き手と読者のいわばインターフェイスが、書店の棚なのである。インターフェイスはフレンドリーでないといけない。誰もが、あそこへ行けばこういうタイプの本が手に入るということが明示的でないといけない。
2022-06-28 09:46:48TOEIC本は英語の資格検定試験の棚に置かれるし、アメリカ海外文学の翻訳本は海外文学の棚に置かれる。分類がはっきりしている場合は、棚問題はとりあえずは厄介なことにならない(海外文学の棚自体が減っていることはとりあえずこことでは書かない)。
2022-06-28 09:48:58問題は、どの棚に置いていいのか今一つ分からない本というものも一定数存在することだ。こういうのは例がないとわからないので、一冊だけ例を出す。佐藤淳一先生の『恋する水門』(BNN)という本だ。水門の写真集。ちなみにカバー写真は、赤羽岩淵にある水門(旧門)である。 pic.twitter.com/eRwESDP2re
2022-06-28 09:54:20帯に「世界初・水門写真集!」とある。世界初なんだから、定義上、本屋さんに「水門」の棚などあるはずもない。では、この本はどこに置くのか。写真集か。美術か。土木建築コーナーか。確かに、こういう企画が出たときに、この版元の営業部は「棚はどこだ?」と聞いたであろう。
2022-06-28 09:55:58今でも私はこの本がどの棚にあるのか知らない。ただ、最近は、鉄塔とか団地とか工場夜景とか、いわゆる土木系の写真集がいくつか出て、人気を博しているらしいから、そういうコーナーがどこかにあるのかもしれない。
2022-06-28 09:57:30棚問題は、新しく出す本を旧来の秩序による棚配置のなかのどこに置くかという問題だ。しかし、本は常に新しいものを生み出し、棚の秩序を再編する可能性を秘めた媒体である。新しい枠組みの本であればあるほど、棚問題は厄介になるし、逆にいえば、棚問題の厄介な本は、斬新な企画である可能性もある。
2022-06-28 10:00:28(魚)と(M)の編集者2名で書籍の企画・編集・出版を手がけます。署名がないのは(魚)の投稿。(魚)は英語文学・英語(言語)学・英語教育・翻訳全般、(M)はノンフィクション翻訳・文芸翻訳・国語教育などが中心。連絡先などはホームページhttps://t.co/CPE43oQyzKをごらんください。PTA会員。
@kkyeditors 営業部「どのジャンルに分けていいか迷う本は悪い本の可能性が高い」 書店員「どのジャンルに分けていいか迷う本はいい本の可能性が高い」 出版界のリアル… twitter.com/moroQma/status…
2022-06-28 22:13:55精神病院のアトリエを題材に本を書いたら「本屋が置き場に困る」から次は配慮をと出版関係者に言われ、書店の棚より世界は複雑だ、その魅力を伝える本を次も書こう! と逆に燃えた荒井先生 書店員には後日こう言われたという 「どのジャンルに分けていいか迷う本はいい本の可能性が高い」 俺も燃えた pic.twitter.com/es72n1Jz9g
2022-05-18 21:15:29直面したことのある人もいるようで
昔、「アミ 小さな宇宙人」という翻訳小説があったが、まさに、どこに置くか書店員は迷った。児童書、文芸書、癒し系コーナー、書店によって色々だったが、今読んでも素晴らしい良書。 ジャンル分けし難い本は、要するに今までにない要素が多い新しいジャンルなのだと思う。 twitter.com/kkyeditors/sta…
2022-06-30 09:07:33これは拙著『台湾、Y字路さがし。』を出したときに知りました。 台湾旅行ガイド?歴史本?社会?地理?? 台湾でも自分の本がどこの棚に置かれているかわからないことが多く、本屋さんを困らせているな、、と感じてしまいます。 日本では最近「台湾コーナー」棚がある書店さんもあり有り難いですね twitter.com/kkyeditors/sta…
2022-06-29 14:16:42こども六法も「児童書に置けばいいのか、学参に置けばいいのか、法律・六法に置けばいいのか」と言われて苦労した覚え twitter.com/kkyeditors/sta…
2022-06-29 11:23:36書店さま営業を担当していたとき、どこに置いてもらうか難しい本は確かにありました。 大きな書店さまで最適と思しき棚担当の書店員さまを探すのですが「この本はあちらの棚では?」と別の方を案内されての最大7人を棚クエスト…‼︎(続きます) twitter.com/kkyeditors/sta…
2022-06-29 13:39:01その時感じたのが、 「この本は、あの棚でも、その棚でも、この棚でも売れると思うんですよね‼︎」 という本より、 「これはズバリ! こういう本なので‼︎ こういう方に届くところに‼︎ 置いてほしいです‼︎」 という本の方が、売りやすいし、 売れることが多いということです。
2022-06-29 13:41:41ターゲットが明確であれば、 書店さまで最適な棚も探しやすく。 棚がないときは他社さまの類書と思しき本を集めて特設コーナーを作っていただいたことも! そのあたりは書店さまとの日頃の関係を含め、営業の腕の見せどころですね!
2022-06-29 13:44:18いわゆる領域横断系、学際系の書籍がなかなか売れないのは、二つの棚にまたがってしまうから。 twitter.com/kkyeditors/sta…
2022-06-29 12:02:25斬新な企画出せって言って、出すと棚がねぇって言いやがる。執筆者とお客さんのこと考えろ(個人的怨恨が含まれたツイートです) twitter.com/kkyeditors/sta…
2022-06-29 20:38:00ゲームブックを書き始めた時によく言われていたことを思い出しました。本屋さんに棚を作ってもらい、それを維持し続けること。それが当時の命題でした。今はだいぶ時代が変わった感がありますが……ネット書店だと、まず検索してもらわなきゃどうにもならないですもんね。 twitter.com/kkyeditors/sta…
2022-06-30 14:06:18@kkyeditors >ある本を刊行したときに、その本がどの場所に置かれることになるか、それが明確でないといけない 書店以上に、図書館はもっと深刻で悩むんじゃないでしょうか。 社会心理学とか、言語地理学のような本は、どこに置くのか。 社会学なのか、心理学なのか、言語学なのか、地理学なのか。 複数冊を両方
2022-06-29 15:27:07