批評から美学へ『物語の外の虚構へ』刊行記念trickenシノハラ対談@スペース
やるべきこともやりたいこともなくなったのでとりっさんとシノハラさんのspaceを聴き始める。 twitter.com/i/spaces/1ZkKz…
2021-12-25 22:01:37#物語の外の虚構へ ケンダル・ウォルトン『フィクションとは何か』(Walton 1990)のメイクビリーブ論の話から。unp.or.jp/ISBN/ISBN978-4…
2021-12-25 22:29:19#物語の外の虚構へ とり「シノハラ論の各論ではその都度ウォルトンの解説はしているけれど、たとえば1術語ごとに3パータンあるとして、3,4の全パターンを網羅して再度説明しようとすると十数パターンの組み合わせが出てくる、みたいなめんどくさいことになってる。ウォルトンのせい」
2021-12-25 22:36:11#物語の外の虚構へ シノ「ウォルトンは、【想像を促す役割(プロンプタ)】【想像のオブジェクトになる役割(オブジェクト)】【虚構敵真理を生成する役割(プロップ)】の3つがフィクションの鑑賞の時に重要だと言ってる」
2021-12-25 22:37:44#物語の外の虚構へ 〔補足:【虚構的真理】のニュアンスはp.183註釈を参照。ウォルトンが虚構的対象を【想像のオブジェクト】として想定しない(物理的に確かに存在する対象しかその範囲に含めない)という話はp.313註釈参照。〕
2021-12-25 22:42:36#物語の外の虚構へ シノハラ「ウォルトンは【想像の小道具(プロップ)】さえあればフィクション経験は成り立つと言ってます。言ってみれば【プロンプト】と【オブジェクト】はあると嬉しいもの」 とりっくん「その上でいうと、シノハラ2021はその後二者にむしろ着目してるよね」
2021-12-25 22:50:37#物語の外の虚構へ とりっくん「Part IIIの “メディアを跨ぐヴィヴィッドな想像” は、【虚構的真理】だけでは説明しきれない話を扱ってる」 シノハラ「Part IIはむしろ虚構的真理の話に焦点を当てていて、そういう意味では【プロップ】の内容寄りの話をしていますが、Part III 以降は確かにそう」
2021-12-25 22:54:40#物語の外の虚構へ シノハラ「ウォルトンは動詞としての makebelieve (メイクビリーヴスル)と makebelieve game (名詞句としてのメイクビリーヴ)とを分けてる」 とりっくん「それはウィトゲンシュタインの言語ゲームとか Goffman の frame のイメージで 受け取ればだいたい自分的にはオッケーかも」
2021-12-25 23:06:06#物語の外の虚構へ シノハラ「ナナシス論で言ってるのは、藤田茜の声が虚構的真理でない側面、虚構的真理として言語化しきれないところで想起するということ」
2021-12-25 23:16:32#物語の外の虚構へ とりっくん「でも、ビデオゲームの音源論でdiegeticとnon-diegeticってあるじゃん。藤田茜の声を荒木レナの non-diegetic 、スキル音声として扱っていたものが、小説の虚構内真理で、さもdiegeticなものとして想像し直してる、というような説明は可能か?」
2021-12-25 23:24:44これに対してシノハラは、ウォルトンがいうところの作品世界ではなくゲーム世界(鑑賞者自身についての想像(虚構))で生じていることなので、という応答を試みている。
#物語の外の虚構へ シノハラ「詰めて考えると……ウォルトンは、“シノハラはホームズの行為Xを見た”と“とりっくんはホームズの行為Xをみた”は、どちらも虚構文」 とりっくん「それは事実文ではなく?」 シノハラ「そうです」 とりっくん「……あ、Salen & Zimmerman のマジックサークル論に近いね」
2021-12-25 23:30:25#物語の外の虚構へ とりっくん「完全に理解した! commitmentを要求するようにメイクビリーヴ理論はできてるわけね」 シノハラ「それを挿入したのが“フィクションは重なり合う”のところ」 とりっくん「p.250-251のところだ!」
2021-12-25 23:33:44↑ウォルトンがいうところの「参加」についての話をした際の、trickenさんの反応
ここから「メディアを跨ぐヴィヴィッドな想像」から「フィクションは重なり合う」の話へと変わります
#物語の外の虚構へ 『この世界の片隅に』の話が出たので、以前一緒に作った『背景から考える』と、その時以降からtrickenが考えていたことをちょっと話した。背景から考える――聖地・郊外・ミクスドリアリティ tacoche.com/?p=6440
2021-12-25 23:56:28#物語の外の虚構へ シノハラ「今はグッドマンの多元性の話にはコミットできないかも。no idea」 とりっくん「これまでの評論20年の前半では、【リアリティ】という術語でやろうとしていたよね」 シノハラ「途中で、【リアリティ】【眩暈】といった言葉が自分の主張とズレてることに気づいた」
2021-12-26 00:05:15ニコ動とか眺めている怠惰な日々。ネットしないで本を読め。札幌で生まれ育ち、つくばにひきこもり、東京へ出てきた。『筑波批評』を文学フリマで出すよ。