佐藤誠市氏によるナムコ80年代ゲーム作品についての証言
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時は80年代初頭……
魔法少女ものは見たり見なかったりだが、『うたう!大竜宮城』は見ていた。面白いとはとても言えないが、変なもの好きの私のレーダーが反応したらしい。後でフジテレビの視聴率マイナス5パーセント男こと石原隆プロデューサーが関わっていることを知り納得する。
2011-08-06 13:09:07『魔法少女ちゅうかなぱいぱい!』から『魔法少女ちゅうかないぱねま!』に切り替わった大人の事情は会社の同僚から聞いた気がする。彼はアニメも好きで『機動戦士ガンダム』の布教を会社で行っていて、そのころほとんどアニメを見ていなかった私をどっぷりとはまらせてくれた。
2011-08-06 13:17:43当時会社でもあまりアニメを見る人は少なかった気がする。ゲームの題材にもSF小説からとったものが多かった。特に『レンズマン』のファンが多かったのはおお仲間がいるとうれしかった。この後の世代からアニメに影響を受けた世代が続々と入社してきた。
2011-08-06 13:22:18そんなわけでアニメに影響を受けた最初のビデオゲームは『ゼビウス』ということになるのだろうか。画面表現はアニメの手法を取り入れていた。ネーミングも当時流行っていたSFアニメを取り入れて4文字にした。『ガンダム』を習って4文字に濁点を含めた。『マクロス』に習っていたら濁点は無しかも。
2011-08-06 13:31:29「ギャラガ」「ボスコニアン」の基板と「ゾウさん」
多根清史著『教養としてのゲーム史』に『ギャラガ』と『ギャラクシアン』にハード的に根本的な違いはないとある。外から見るとそうみえるのかもしれない。でも『ギャラクシアン』の基板利用で企画された『ギャラガ』であるが、開発の途中でスプライトの数が激増したことにより仕様が大幅に変わった。
2011-08-17 17:16:17スプライトが激増したことにより、『ギャラガ』を『ギャラガ』たらしめている要素が付け加えられたのである。豊富なスプライトが発想の拡大に役に立った良い例と思う。それに比べると『ボスコニアン』も『ラリーX』の基板利用で始まり途中で基板を新しくするが発想をふくらますことはできなかった。
2011-08-17 17:22:14『ボスコニアン』での基板変更で発想の大幅変更が無かった件で弁明させてもらうと、目に見えるところでの変更が少なかったということ。スタージェネレーターを2個使いスクロールスピードを変化させ奥行きを出したところが一番大きなところ。スプライトの数は同じで6個のまま、自機と敵5機となる。
2011-08-18 11:15:31最大の変化はCPUが2個使用されたことか。画面表示の切り替えは60分の1秒で行わなければならないが、処理速度が間に合わなかったのである。今では『処理落ち』などという言葉が使われるが、昔会社では『ゾウさん』するという言葉が使われていた。この言葉の始まりが『ボスコニアン』である。
2011-08-18 11:19:08※実際には「ボスコニアン」では3個のCPUが使用されていますが、うちひとつはサウンド専用とされているのでここでは勘定に入っていないのだと思われます
『ボスコニアン』で自機を追いかけてくる細長い敵が5つ連なり処理落ちで象の鼻のように動く様をプログラマーが「ぞうさんぞうさnお鼻が長いのね」と歌っていたのが始まりだと思う。そういうこともありCPUを二つにして処理落ちを防いだのである。仕様を詰め込み過ぎるのは私の悪い癖であった。
2011-08-18 11:24:12@SugarSeisan いまだに、社内では処理落ちに対して「ぞさる」という言葉が使われています。若い社員は「?」という顔をしますがw。
2011-08-18 12:02:28「スタージェネレーターで星をスクロールする」と書いたが、ハードウェア的にはスクロール技術ではない。多根氏も言葉の綾で使われているかもしれませんが、スクロール技術のもとがスタージェネレータということはありません。『ギャラクシアン』の回路図を見せてもらったときに感心しました。
2011-08-18 11:31:03スタージェネレーターの技術は乱数発生器が使われていてM系列とかマルコフ連鎖とか言う言葉が思い出されます。あらかじめ造られている星の絵をスクロールさせるのではなくその都度、乱数発生器で星の絵を作成しては表示するというのではなかったかと思います。特許出願も乱数発生器とかいうタイトル?
2011-08-18 11:35:10「パックマン」における緊張と緩和
多根清史著『教養としてのゲーム史』「パックマン」の項。ヒットの要因分析に異論はないですが、紙幅の都合で触れられなかったであろう部分を補足。パックマンをしていてモンスターに前後を挟まれて危機一髪と言うときに突然モンスターが引き返していき事なきを得たという経験のある人は多いでしょう。
2011-08-19 10:29:49各モンスターが4隅のパワーえさのところに戻るという仕様ですが、モンスター的には全く意味が無い動きではないでしょうか?まあ急に動きを変えられるので操作をパニクって自分からモンスターに突っ込んでゆくことがありますが。お笑いで緊張と緩和という言葉がありますが、これと同じでしょう。
2011-08-19 10:35:15緊張と緩和はお笑いだけでなく映画や演劇その他のエンターテイメントで必要なものだと思います。まさしくこれによりドラマチックが演出されます。パックマンでこの仕様をつけたのはこのことに尽きると思います。モンスターのアルゴリズムとしてはパックマンを捕まえるだけでいいのです。
2011-08-19 10:38:38いわゆる「おもてなしの心」というものでしょう。コーヒーブレイクを付けたのも勿論その発想でしょう。『ドンキーコング』の項で詳しく述べたいと思っているプレイ時間からするとゲームセンターなどのお店側はプレイ時間が長いといやがります。それでも長く遊ばせてあげたいという心が生んだ仕様です。
2011-08-19 10:43:08パックマンを発売した頃はまだそんなにプレイ時間のことは気にされていませんでしたが、そのパックマンで延々とプレイする人が出てきました。そこで難易度を難しくしたバージョンをROM交換で出したりしました。ただ単に難易度を上げただけではプレイヤーに不満が出るのではという考えもありました。
2011-08-19 10:47:35そこで考え出されたのが「自動難易度設定機能」です。つまりプレイヤーの技量を判断してそれに応じて難易度を上げていくというものです。つまりノーミスで一面をクリアした人はミスした人より次の面の難易度の上がり方が激しいと言うことです。一台試作品をつくりロケテストを行いました。
2011-08-19 10:52:27結局パックマンでは「自動難易度設定機能」を付けたものは市販されませんが、ボスコニアンには最初から仕様として組み込みました。ただ、デフォルトの仕様ではなく基板上のディップスイッチで切り替えるのでどのくらい使われていたか不明ですが。あの時点でこの機能を考えついた岩谷さんはやはりすごい
2011-08-19 10:56:47今だと特許出願も考慮されるでしょうが、あの自分はこの手のソフトウェア特許とでもいうものの出願は思いもよらず、たぶん出しても特許庁ではねられていたでしょう。岩谷さんはピンボールの好きな方でしたから、ピンボールからアイデアを思いつかれたのかもしれません。
2011-08-19 11:01:41ピンボールでボールを弾いてすぐにアウトになってしまった場合、救済措置で一球おまけしてくれるものがありました。これも下手な人にはやさしくという難易度設定につながるからです。でもこのピンボールの仕様がパックマンの前だったかどうかは定かではないので新たな都市伝説となるかもしれません。
2011-08-19 11:14:37(PC-6601に)夜な夜な無体なことを強要しては怪しい声をあげさせている人……らしい? 気まぐれアオスケなので他人へのツッコミが中心になりそうな気が。 http://tiny-p.cocolog-nifty.com/