「あなたの研究はデタラメ」専門家から否定され見放されたマイケル・ヴェントリスが誰も読めなかった線文字Bを本当に解読してしまったその理由とは?
古代ギリシアの城塞都市 (天理大学の天理参考館で撮影させて頂きました) pic.twitter.com/MnMKZ4syHw
2020-01-01 17:15:17紀元前1250年~1190年頃って、これは古いですね。ミケーネの近くのティリンスにあった城塞の模型です。 pic.twitter.com/b9j8OZ7WsH
2020-01-01 17:21:33「あなたの研究は、無茶苦茶で、デタラメです。」とヴェントリスは言われ続けてたので、とても耐えられないような気持ちになったとありました。何故なら、アマチュア研究者ヴェントリスの線文字B(ギリシア語)解読法は、強い拒絶を示してきた研究者から、「直感」や「思い込み」と言われてたからです
2021-09-17 22:06:05線文字Bを解読したヴェントリスの事例を、ご存じ頂ければ、と思います。『線文字Bを解読した男―マイケル・ヴェントリスの生涯』(2005年)という本に出てくるヴェントリスは、「思い込み」と「直感」という否定的に扱われやすい取り組み方で、解読に漕ぎつけました。
2021-09-17 22:59:48この本によるとヴェントリスには空想家と言われても仕方無い特性があり、長い間、線文字Bをエルトリア語だと考えてたので、完全に荒唐無稽な文章の読み方(音価のあてはめ)をしていたが、直感と思い込みと、現代のネットに似た情報共有と、辛辣な批判を受けることを繰り返して、解読に成功しました。
2021-09-17 23:02:04線文字Bには、ロゼッタストーンのような解読の手引きになるものが無く、アマチュアのヴェントリスがいなければ、解読は半世紀は遅れていたと書かれていました。そのようなものには客観主義的な研究者が「思い込み」と思う方法が実は有効です(試行錯誤と「分かった、こうだ」の実感を繰り返すものです)
2021-09-17 23:05:12ヴェントリスは、自身の研究や先行研究から、ある程度の確度の高い情報を得ていて、「文章の特定の特徴がある部分には、限られた種類の発音しか入らない」といったことを整理し、正しい音価をあてはめると、玉突き式に正しい発音と言語が入力される「仕掛け」を使用したそうです。
2021-09-17 23:05:57線文字Bを解読したヴェントリスって、線文字Bがギリシア語を写してるということを証明する前に、解読を終えてるんです。ある研究者が、ヴェントリスに手紙を送って「君の研究の仕方は絶対におかしい。根拠が明確では無い空論を進めていっては、いけない」って繰り返し言ってくるので、大変だったとか
2020-01-05 04:00:11その通り、実はヴェントリスは根拠の無い空論を、毎日繰り返してて、「分かった!こうだ!」と言って、エトルリア語で解釈していた時間の方が長かったそうです。しかし、結局、解読できたのは、アマチュアのヴェントリスでした。根拠を要求してたら、あの時点での解読は不可能でした。
2020-01-05 04:03:27ヴェントリスがいなければ、線文字Bの解読は半世紀以上遅れていたか、解読不能のままだったとされてます。ヴェントリスが何故、成功したかというと、何かの学問の枠から自由であったこと、何でも情報を共有したこと、直感を利用したことでした。
2020-01-05 04:06:06@fushunia 西洋古代史(古典古代を除く)を切り開いて行った人ってシュリーマンにしてもローリンソンにしても全く別分野からのアマチュア的な入り方をしていった人が多いですからねぇ…。シャンポリオンなんかはむしろ例外的というか…
2020-01-05 04:12:45@ant_onion シュリーマンは、遺跡の上層の歴史時代の部分には目もくれず、ガンガン掘って、上の遺跡を破壊してから、下の遺跡を大発見したって経緯もありますけど、「そんなの、ある訳無い」って言ってたら、その時代には見つからなかったってことですね。
2020-01-05 04:24:21@fushunia ええ、今の考古学からするととんでもないことをやらかしている訳ですけど、当時は層序学なんてものもまだありませんでしたし…
2020-01-05 04:29:17@ant_onion 一つの方法論だけが正しい訳ではない。もしくは、一つの方法論が正しい結果を導くとは限らない。日常生活では、これ常識だと思うんですけど、学問の中には、もう凝り固まってて、ちょっと対話しにくいものもあるってことだと思います。
2020-01-05 04:45:02@fushunia まあ方法論があんまり固定してしまうとその学問はいわゆる訓詁学化して、「死んだ」学問になってしまいますね…
2020-01-05 12:50:52@fushunia @alsnova @ant_onion 本人の権威が揺らぐからなかなか他の意見を認めにくいんだろうなーというのはあります。それも学術社会に限らず人間社会では避けられないことですが……。
2020-01-05 09:07:59線文字Bは何故解読できた? 1】解読には、ツイッターの言語学クラスタが今日してるような遠慮の無い意見交換が不可欠だった 2】正規の手続きでの研究発表は困難だったので、ラジオで解読結果を放送した 3】ラジオを聞いた一人の言語学者が「こいつは、本物や…」と確信したので、研究を継続できた twitter.com/fushunia/statu…
2019-09-08 03:29:54ヴェントリスは、ロゼッタストーンのシャンポリオンと違って古典文化に特別な関心があった訳では無く、大学で専門的に研究した訳でも無いばかりか「何故、そういう結論になるのか、自分でも分からない」という直観を重視した研究方法を使っていたので、解読後は、他の研究者への説明に苦慮したそうです
2019-09-08 03:13:274】線文字Bを解読したマイケル・ヴェントリスは、その後わずか数年で事故死してしまった。共同研究者の言語学者は、ヴェントリスの「論理的で無い部分」をわざと隠し、極力論理的な説明に務めたので、学会で支持を得た 5】後続の新出土史料が、この方法で正しく読めるので、驚愕されることになった
2019-09-08 03:39:516】ヴェントリスは、あらゆる方法を試行錯誤したので、正しい音価を最初に入力すると、連鎖反応的に正しい発音が構築される「可動式のリスト」を編み出してた。 7】線文字Bの正体がギリシア語だと確信した夜は、「奇妙な夜」だったらしい。その晩に研究は峠を越えた…
2019-09-08 03:51:03