歴史IF小説:もしもキキのいる世界でWWIIが起きていたら
- tknr_koume
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「魔女の宅急便」は第二次世界大戦が起こらず荒廃しなかった欧州の話らしいが、つまりあの世界ではまだドイツでナチスが存続してるのでは。シャハトの言うとおりにしてうまいこと財政危機を回避し、中国の改革開放っぽい感じで割と順調に発展したナチスドイツ(でも差別や弾圧は健在)。胸が熱くなる。
2011-07-08 20:49:45それでもどっかで歯車が狂って、ナチスドイツ第二代総統ハイドリヒが戦争をおっぱじめて、トンボが徴兵されて「俺、戻ってきたら魔女子さんにプロポーズするんだ……」とか言って。
2011-07-08 20:51:31パヤオが戦車や飛行機の発達する芽を摘み取るはずがない RT @ese_kichiku: @MyoyoShinnyo パヤオなら「ナチ?んなもんミュンヘン一揆失敗で滅んだよ」くらいの勢いじゃないですかね
2011-07-08 20:52:12天然の良港であるコリコの町に入港するイギリス艦隊を狙って沖合いにドイツの核兵器が炸裂。キキはたまたまお届けものをしに町の外に出ていたので助かる。
2011-07-08 20:58:43直撃は免れたものの熱線や放射線障害で地獄絵図となるコリコの町。グーチョキパン店も炎上する。おソノさん一家も吹き飛ぶ。悶え苦しむ人々を前にしてキキは絶望に打ちひしがれながら思う。「私、薬の作り方なんて覚えなかった……!」
2011-07-08 20:59:52その頃、ドイツ軍の捕虜となったトンボは、生きのびてキキに会うため、武装親衛隊スウェーデン人義勇兵部隊に志願する。(魔女の宅急便の舞台はスウェーデンという説が有力らしい)
2011-07-08 21:05:10「お母さん!傷を治す薬を教えて!それがだめなら、痛みを取る薬を……!」故郷に戻ったキキは母から薬の作り方を学ぶ。しかしその多くは命を救うというより安らかに看取るための薬。
2011-07-08 21:07:39「キキ、この薬は必ず最後までとっておきなさい。それからあなたも気をつけて」キキの故郷にもSS特別行動隊が迫っていた。ゴート的な文化通念と男性優位を是とする親衛隊にとってケルト的な魔女たちは民族浄化の対象であった。住み慣れた土地を去っていく父と母、それから近所の人たち。
2011-07-08 21:11:18@MyoyoShinnyo スウェーデン人義勇兵トンボが入るのは第5SS装甲師団ヴィ-キングか第6SS山岳師団ノルドのどちらかと妄想。ただ50年代にSSは、戦争中に研究していたヘリコプターを前線配備しているはずなので、航空特殊技能兵になっている可能性が大か。すみません下らぬTWで
2011-07-08 21:12:33武装親衛隊は征服者としてコリコの町に進駐する。そしてその中には土地勘を買われて配属されたトンボ分隊指導者(軍曹)の姿が。変わり果てた故郷の姿に絶句するトンボ。グーチョキパン店に走るが、思い出の場所は跡形もない。目の前が真っ暗になるトンボ。
2011-07-08 21:13:27@MyoyoShinnyo あと、フューラーとSSの世界観では、魔女はケルトの異教なので、浄化の対象と人体実験の対象になるはずなので、キキをトンボが助ける話にしないと凄惨すぎる
2011-07-08 21:14:14( ・皿・)/ 白黒テレビとトランジスタラジオはあっても、まだ旅客機が複葉機で飛行船も現役の世界。世界大戦で航空機が超進歩した私達の世界とは大違いな訳ですね。 RT @MyoyoShinnyo 「魔女の宅急便」は第二次世界大戦が起こらず荒廃しなかったヨーロッパの話らしいが……
2011-07-08 21:15:28その姿を物陰から見る若者がいた。かつての「飛行クラブ」のメンバーだ。「トンボの野郎……ドイツの犬になりやがった……!」彼はコリコのレジスタンスのメンバーであった。
2011-07-08 21:17:33キキはそのころ火傷で苦しむ老婦人の最後を看取ろうとしていた。「あなたのお友だち……会えるといいわね……」キキは震える手で「痛みを取る薬」を注射する。眠るように息を引き取る老婦人。キキの宅急便以外の最初の仕事。
2011-07-08 21:21:09コリコの町は連合軍の反抗作戦に備えて、どんどん要塞化されていった。トンボは毎日空を見上げるが、敵機を警戒して飛ぶ鳥すら撃ち落とすようになったコリコの町では、デッキブラシに乗った魔女など見かけるはずもない。
2011-07-08 21:26:04コリコのレジスタンスは「ドイツの犬」を片っ端から暗殺する活動を続けていた。対独協力者の町の住人を見せしめに殺すのである。もちろんトンボも標的になる。だが、暗殺者の銃弾はトンボの部下を貫いた。「くそっ、早く病院へ連れて行くんだ!」
2011-07-08 21:34:40運び込んだ病院には白衣に混じって真っ黒な服を着た女性が、助からない患者たちに最後の慈悲を与え続けていた。絶望的な再会。「ぼく、ナチの手先になったんだ」「そう」「君に会うためだよ」「そう」「生きて帰らなきゃいけなかったんだ」「そう」「わかってくれよ、魔女子さん!」「どいて」
2011-07-08 21:37:48歩み去るキキを呆然として見送るトンボ。だが、その背に刺すような視線が。ドイツの核兵器で苦しむ患者たちの目だ。逃げるようにして病院を走り出るトンボ。自暴自棄になり、酒量が増え、コリコの町で乱暴を働く親衛隊員たちを止めようともしなくなる。
2011-07-08 21:44:12トンボを拒絶したキキは病院の自室で声を押し殺して身を震わせる。泣いているかと思いきや、咳き込んでいる。手のひらには血が。死の灰はキキの体も確実に蝕んでいた……。
2011-07-08 21:48:14ある日、コリコの町に連合軍からの退去勧告のビラがバラまかれる。「この町を爆撃するので市民は退避しなさい」敵だけでなく味方からも爆撃されるのか! 憤る人々。しかしナチスは過酷な弾圧で勧告を封殺し、退去すらも許さない。
2011-07-08 21:53:53「実は、町を出る列車の家畜の運搬車の飼い葉の中に隠れる脱出ルートがあるんだ……」時計塔のおじいさんから耳打ちされるキキ。それはキキがこの町にやってきたのと同じ道だった。でもその情報をどうやって人々に知らせる? キキは闇夜にまぎれて再び飛ぶことを決意する。
2011-07-08 21:56:52闇夜なら黒い服を着た魔女は見つかりにくい。ましてや親衛隊員たちは、道に落ちているビラを見つけて拾うために、みな下を向いて歩いている。誰も空なんか見やしない。……たった一人を除いて。
2011-07-08 22:00:07新月の闇夜が訪れるとともに、キキはデッキブラシに乗って空へ舞い上がった。その姿はかつて満月の夜に希望を胸に抱いて故郷を飛び立った13歳のキキと重なる(演出として構図を一致させる)。キキは町の窓から窓へ飛び、人々に情報を伝えた。
2011-07-08 22:02:42