- K_misa_maguro
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ふと思ったこと。笠井潔は『探偵小説と叙述トリック』で“大戦間の倒叙探偵小説に乱歩が見た「異様な性格」、「悪事を悪事と感じ得ない道徳的不感症者」、「無邪気な悪人」という犯人像の共通性は、『容疑者Xの献身』と『扉は閉ざされたまま』の犯人にもそのまま該当しそう”(p.57)としている。
2011-06-04 01:15:58ミステリと道徳:けれど、それはむしろ逆ではないか。「大戦間の倒叙探偵小説に乱歩が見た」犯人は、荒んだ世情を背景とした利己主義者に過ぎない。『容疑者X』『扉は閉ざされたまま』の犯人は、むしろ道徳に過敏だった。ただの利己主義者だったなら、一銭の得にもならない犯罪など為さなかったはず。
2011-06-04 01:17:50ミステリと道徳:その一方で、それほど人々が道徳から自由になったかというと、そうでもないように思える。「なぜ人を殺してはいけないのか?」という問いに寄せられた答えは膨大だけれども、けっきょく現代の日本で人を殺すことはダメだよねという穏当な結論に持っていく。みんな、空気を読んでいる。
2011-06-04 01:22:32ミステリと道徳:かつては政治家や教師や親に反抗し、不満を述べてさえいれば団結できた。道徳の主体化が進んだからこそ、教室は空気を読む戦場となる。『容疑者X』『扉は閉ざされたまま』の犯人が否定されるのは、不道徳だからではなく、自分だけの道徳を他人に押しつけようとしたからではないか。
2011-06-04 01:24:36でもそれを言ったら、論じるべきは『バトル・ロワイヤル』や『告白』になるのでは QT @longfish801 //教室は空気を読む戦場となる。『容疑者X』『扉は閉ざされたまま』の犯人が否定されるのは、不道徳だからではなく、自分だけの道徳を他人に押しつけようとしたからではないか。
2011-06-04 02:08:14そうですね、自分は「道徳のバトルロワイヤル状態で、なぜ探偵役が唯一の正義になりうるか?」というところに興味があるからだと思います。 RT @toru_hikawa: でもそれを言ったら、論じるべきは『バトル・ロワイヤル』や『告白』になるのでは QT @longfish801 //
2011-06-04 07:43:04ああ、なるほど(納得)。 RT @longfish801 そうですね、自分は「道徳のバトルロワイヤル状態で、なぜ探偵役が唯一の正義になりうるか?」というところに興味があるからだと思います。
2011-06-04 12:08:10横レス失礼。探偵役と正義とは何の関係もないと思います。私見では// RT @tinydogs @longfish801 また、個人的には「探偵役が唯一の正義になりうるか?」に関してですが、別に正義である必要性も今までのミステリの歴史から鑑みても正義だったことなんて半分程度では?
2011-06-06 06:13:50//「正義」なんてしょせん「特定の社会の安定を守るもの」にすぎないし、「真実」を志向する探偵役とははなっから無関係、というのがぼくの考えです。あ、よけいなこと言いました(汗)。
2011-06-06 06:17:15