森川嘉一郎氏( @kai_morikawa )の語る、震災が今後のおたく文化に与える影響について

"今回の震災がマンガ・アニメ・ゲームなどの表現にどのような変化をもたらすか、については、短期的かつ表層的な自粛を除けば、わかりません。多分、5年か10年経た後でないと見えてこないと思います。" 森川嘉一郎氏(@kai_morikawa)の語る、震災が今後のおたく文化に与える影響について
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森川嘉一郎/『マンガ・アニメ展のデザイン』発売中 @kai_morikawa

今日は地震の余波が続く中、米沢嘉博記念図書館でのトークイベント「美少女表現の発達史」に思いのほか多くの方にご来場頂きました。あらためて御礼申し上げます。お陰様で楽しくスライドを回すことができました。

2011-03-20 00:26:40
森川嘉一郎/『マンガ・アニメ展のデザイン』発売中 @kai_morikawa

おたく文化のこれまでの流れの話をする中で、震災が今後のおたく文化を変える可能性について触れましたが、その方向性について、後から幾人かの方にご関心やご質問をお寄せ頂きました。意見交換ができ、印象深かったです。

2011-03-20 00:27:18
森川嘉一郎/『マンガ・アニメ展のデザイン』発売中 @kai_morikawa

今回の震災がマンガ・アニメ・ゲームなどの表現にどのような変化をもたらすか、については、短期的かつ表層的な自粛を除けば、わかりません。多分、5年か10年経た後でないと見えてこないと思います。敢えて何か予測するなら、現実によって超えられたフィクションは失効してしまう、ということです。

2011-03-20 00:27:50
森川嘉一郎/『マンガ・アニメ展のデザイン』発売中 @kai_morikawa

24時間、日常品と蛍光灯の光に満ちたコンビニの空間は、いわば「永続する日常」の象徴だった。そのコンビニがいまや、むしろ「日常の脆さ」を露わにする空間へと変貌している。数ヶ月にわたって東電域で計画停電が続けば、それが今の小中学生の世代的な原風景にだってなるだろう。

2011-03-21 14:00:38
森川嘉一郎/『マンガ・アニメ展のデザイン』発売中 @kai_morikawa

おたく文化は、永続する強固な日常(とその閉塞感)を基盤にして成り立ってきた。80年代のアニメはハルマゲドン願望が大きな柱だったし、オウム事件でそれに傷が付くと、重心を近未来から「近過去」のリセットに移して構築されてきた。ところが今や、永続する日常という基盤自体に亀裂が走っている。

2011-03-21 14:01:07
森川嘉一郎/『マンガ・アニメ展のデザイン』発売中 @kai_morikawa

ハルマゲドンを描くような作品だけの話ではない。コンビニの描き方一つ取っても、意味合いやニュアンスがこれまでとは多かれ少なかれ変わらざるを得ないのではないか。虚構を成立させている基盤それ自体が傾いたのだから、制作に関わっている方々はこの問題に直面していると思う。紙不足と併せて。

2011-03-21 14:01:33
まとめたひと
MASAMITSU @masa_mitsu

写真や映像の撮影、美術の仕事をする人。公式・非公式RT、Pic投稿多め。