さだまさし「俺がずっと歌ってたらどうする?」Xで振り返る「アーティストのライブ騒動」
X(Twitter)では、アーティストによるライブにまつわる言動が注目され、議論を呼ぶことがあります。
特にアーティストとファンの間での「感覚・認識のズレ」が原因となって、やや炎上気味に広がるケースが多いようです。
ツイートまとめサービスのTogetter(トゥギャッター)が解説する「3分くらいで分かる週刊X(Twitter)トレンド」、今回は「話題を呼んだアーティストのライブ対応」について掘り下げます。
沢田研二の当日ドタキャン騒動
2018年10月、沢田研二さんが埼玉で行われる予定だったコンサートを当日に「ドタキャン」したことが、大いに話題を呼びました。
Xでは、会場まで辿り着いてから中止を発表されたファンたちの困惑や怒りが伝わる投稿が相次ぎ、現地が騒然としている様子がリアルタイムで発信されました。会場では中止の理由について「契約上のトラブルが発生したため」と説明されていたようです。
後日、コンサート中止の理由が「集客が想定していた人数より少なかった」ことによる沢田さん自身の判断だったと公表されると、沢田さんの対応への批判が噴出し、炎上状態に。
Xユーザーからは「体調不良や天候の問題なら分かる。でも契約上のトラブルで中止ってプロ失格じゃないの?と思う」「少ないんでやめます、はファン心理としては許せるのだろうか?俺だったら許せないと思うな」といった疑問の声が。
これだけでなく、「嘘でも体調不良としとけば観客は納得しただろうに、わざわざトラブルを仄めかしてるってのは沢田さん相当怒っとるんやろなあ」といった中止理由の背景の憶測などがあれこれ飛び交いました。
当日会場には7000人近くのファンが集まっており、数多くのファンを落胆させたインパクトはやはり相当に大きかったようです。
「最後の挨拶の途中に帰る観客」にはいろんな事情がある?
Xでは、アーティスト本人が、ライブについての感想などを投稿することがあります。これを楽しみにしているファンも多いと思いますが、その内容がきっかけで議論を巻き起こした例もあります。
「DREAMS COME TRUE(以下、ドリカム)」の中村正人さんが、2024年12月7日に行われた愛知公演の後にXに投稿した「最後の挨拶の途中で帰る観客」についての言及が波紋を呼びました。
中村さんは「最後のご挨拶の途中でどんどんお帰りになる多くの皆様のお姿を拝見すると『ああ、そんなにライブがお気に召されなかったのか』と深く反省する次第です」と投稿。
こちらの投稿を受けて、Xユーザーからは「Liveに不満じゃないよ、マサちゃん。遠征組が多かったんでは?」「最後までいると規制退場に引っかかって何時に帰れるかわからないから、遠征民は仕方なく早めに帰るのよね」と、ライブの途中で帰る人たちの事情を説明する投稿が相次ぎました。
実際、この日ライブが行われた会場は主要駅からのアクセスに時間がかかる立地だったということもあり、帰路のことを考えてライブの途中に泣く泣く帰らざるを得なかったファンも多かったのかもしれません。
Xユーザーからは「気持ちは分かるのですがライブに行くほど好きなアーティストにこれを言われると…すごく悲しい」「(中村さんの投稿によって)これからのライブも早めに退席する人はプレッシャーになるんじゃないかなぁ」など、中村さんの投稿内容に疑問を投げかける声も少なからず挙がりました。
中村さんはその後「なるほど、初めての会場なので事情がわかりました。ご足労誠にありがとうございました。明日もベスト以上を尽くします」と投稿するも、最終的には該当の投稿を削除した形です。
さだまさしのフォロートークに反響
アーティストのライブでの行動が物議を醸したことを受けて、他のアーティストが自身のライブ中にそのことについて触れるケースもあります。
起点となったのは、2023年10月21日に行われた山崎まさよしさんのライブでの一幕。山崎さんが「今日はあまり歌いたくない」と言ってとりとめのないトークを中心とした内容にした結果、怒って帰る観客が複数出たという話が話題になりました。ライブに参加した複数のXユーザーによる報告から、炎上気味に拡散された形です。
そんな山崎まさよしさんのライブから4日後、10月25日に行われたさだまさしさんのライブの話が、にわかに注目されました。きっかけは、さださんのライブに参加したXユーザーの投稿。さださんが山崎さんのライブについて言及した後、「もし俺が『今日喋りたくない』って言って、ずっと歌ってたらどうする?」と発言し、会場に爆笑を巻き起こしたというのです。
さださんのライブは、トークが多く、長いことが持ち味として、ファンの間でも親しまれてきたという背景があります。さださんにしかできない自虐ネタに、ファンが大喜びしたというわけです。投稿を見たXユーザーからも「さださんがずっと歌ってるのも嫌だな(笑)」「歌い続けるさだまさしに「まっさんお願いだから喋ってよォ!」って野次飛ばしかねん 」といったツッコミが相次ぎました。
さださんはその後のトークで山崎さんの人柄などについても触れたそうで「大先輩がユーモアを交えながらさりげなく後輩のフォローをする優しさにしびれた」とさださんの山崎さんに対するフォローを評価する声も。投稿者も「山崎さんの件についてはわたしも胸が痛かったので、今日まっさんの口からこの話が聞けてよかったです」と振り返っています。
Xでのアーティストのライブの振る舞いが世間を騒がした例を見ると、SNSの普及でライブ後にアーティスト本人やファンたちの感想がすぐに投稿されるようになった、現代ならではの広まり方をしていることが分かります。
アーティストにとってはファンとの距離がより近くなったというメリットがある半面、より慎重な対応が求められる時代になっているのかもしれません。
以上、Togetterがお送りする「3分くらいで分かる週刊X(Twitter)トレンド」でした。こちらのコラムは、今回では最終回となります。これまで読んでくださった読者のみなさん、どうもありがとうございました。良いお年を!