秋葉原名物として知られる「おでん缶」、非常食にはもったいないレベルのうまさだった!
こんにちは、Togetterオリジナル編集部のToge松です。秋葉原に来ています。
秋葉原にやってきた理由は、ひさしぶりに見たいと思ったものがあったからだ。
その目的はこちら。
「おでん缶」の自動販売機である。20年以上前より秋葉原の名物になっていることから、ご存じの方も多いだろう。
アキバで初めておでん缶の自販機を導入したと言われるのは、秋葉原ジャンク通りにあるチチブ電機ビル。現地に行ってみると、今でもおでん缶の自販機があった。
最近いろいろな缶詰にハマっていたことから、秋葉原のおでん缶のことを思い出したのだった。
とはいえ自分の記憶をたどってみると、今までにおでん缶を食べたかどうか全然覚えていない。これを機に食べてみることにした。
一躍有名になった「こてんぐ」のおでん缶
今ではいくつかのメーカーがおでん缶を作っているが、秋葉原で一躍有名になったのは天狗缶詰の「こてんぐ」ブランドの缶詰だろう。
天狗缶詰は愛知県豊田市に拠点を構えるメーカーで、業務用商品などを中心にさまざまな缶詰やレトルト食品を扱っている。
今回は自販機で「牛すじ大根入り」「がんも大根入り」(各320円税込)のおでん缶を買ってきた。
「牛すじ大根入り」「がんも大根入り」の違いは、商品名のとおり「牛すじ入り」か「がんも入り」かの違いと言ってもいい。
原材料を確認してみたが、そのほかの具材やダシの構成などは一緒だった。
なお、自販機では「温かい」「冷たい」の2種類が売られていたが、どちらも商品内容は同じ。そのときの時期や食べたい気分で選ぶと良さそうだ。
1缶に7種類のおでん種がみっちり
さっそく開けてみよう。こてんぐのおでん缶はプルトップ式なので、簡単に開けることができた。
中にはダシ汁がなみなみと入っており、具材が浸かっている。開封した瞬間からおでん特有のダシの香りがふわっと漂っている。
すべての具材を皿に取り出したところ、7種類のおでん種が入っていた。
どちらの商品も「がんも」と「牛すじ」以外は共通して、「三角こんにゃく」「糸こんにゃく」「大根」「うずら(2個)」「ちくわ」「さつまあげ」が入っている。
内容量は1缶280g。具材ひとつひとつは小ぶりだが、盛り付けてみると小料理屋に訪れた気分でワクワク感がある。
「おでんを食べている」という満足感
おでん缶の基本的な食べ方は「最初に竹串に刺さった三角こんにゃくを食べ、その串で他の具材を食べる」のがセオリーだとか。今回はお皿に盛り付けてしまったので、普通に箸でいただくとしよう。
気になるお味だが、これがなかなかに美味しい。
缶詰の中で長らく調味液に浸かっているわけなので、正直、食べる前は「具材に味が染み込みすぎているのでは?」と心配していたが、杞憂だった。具材の芯までしっかりと味が染みつつ、絶妙な塩加減をキープしている。
また、煮込みすぎて具材がボロボロになることもなく、大根のような食材も適度な食感を保っている。個人的にはうずら卵がすごく気に入った。何個でも食べられそうだ。
各商品の主役となっている「がんも」と「牛すじ」だが、口に含むとジュワ~とダシが広がるがんもに比べ、牛すじはサイズの小ささもあって満足感に乏しかった。
一方で、ダシ汁の味を飲み比べてみると、「牛すじ大根入り」のほうがうま味を強く感じる気がする。どちらのダシ汁も同じ成分なので単なる気のせいかもしれないが、牛すじのうま味が汁に溶け出しているのかもしれない。
いずれにせよ缶詰でありながら「おでんを食べている」という満足感がしっかりと得られる。素晴らしい缶詰だ。
ちなみに本商品の賞味期限は製造から3年間。災害時の非常食として家にストックしておきたいが、普通におでんを食べたいときの選択肢になりうる美味しさなので、非常食にならないかもしれない。