都道府県別信仰・祭祀費

総務省の家計調査から都道府県別信仰・祭祀費ランキング。家計調査は全国から9000世帯を抽出して調査しており、この中から単身世帯を除いた二人以上の世帯の支出を調べた。家計調査には県庁所在地と政令指定都市の数値が掲載されており、政令指定都市がある県は政令指定都市と県庁所在地の平均値を、政令指定都市がない県は県庁所在地の数値を県の消費量としている。また、年による変動が考えられるので直近5年間の平均値をとっている。

家計調査では信仰・祭祀費の例として「教会費、教会献金、宗教団体の会費、さい銭、お札、お守り、護摩、護摩木、納骨堂・墓地の管理料・使用料、寺の墓掃除代」などがあげられている。以下の物は含まれていない。

神仏具、経机、ちょうちん、数珠、位はい、線香、ろうそく、墓石、婚礼費用、葬儀費用、七五三費用

一世帯あたり信仰・祭祀費の全国平均は15,401円。最も多いのは奈良県で30,057円と、全国平均の約2倍。2位は長崎県で24,130円。3位以下は京都府、佐賀県、愛知県の順。奈良県や京都府は伝統文化、長崎県や佐賀県は豪華な精霊流しで知られており、これらが信仰・祭祀費を押し上げているのだろうか。

一方、信仰・祭祀費が最も少ないのは群馬県で7,811円。この他、宮崎県や沖縄県、徳島県、岩手県、北海道などが下位になっている。

分布地図を見ると京都・奈良を中心とした関西と日本海側で信仰・祭祀費が多く、太平洋側で少ない。

相関ランキングでは国宝・重要文化財数(美術工芸品)や国宝・重要文化財数(建造物)と正の相関があり、文化財が多いところで信仰・祭祀費が多い。古くからの文化が残るところで信仰・祭祀費が高くなるようだ。