隠れてていいよ

主にアニメや漫画の感想を書いています

漫画『竜送りのイサギ』 1話の完成度が高すぎる。ここまで感情を揺れ動かせるのか

サンデーうぇぶりを見ていたら、『竜送りのイサギ』という漫画が目に入りましたので最新話まで読了しました。
作者は、星野真(ほしの まこと)さん。

すーっと引き込まれまして、面白さを伝えたいと思いましたので筆を執りました。
本記事は第1話のネタバレを含みますのでご注意ください。

アプリ版のサンデーうぇぶりだと初回のみ無料で全話読めるほか、Kindleでは1巻が1/16までは無料で読めますのでよければぜひご自身で目を通していただけたらと!

www.sunday-webry.com


「竜送り」の意味

まず、絵が好きです。骨格をきちんと描くタイプの絵で、人間らしさを感じられる。
人間らしさを感じられると、その人間の人間くささをストレートに感じることができます。

本作品は崇め奉られる竜の元で描かれる人間模様が面白さだと感じていますが、タイトルにもある通り竜そのものではなく、竜送りを主体として描いているんだと気づいてハッとしました。
その人間の感情の揺れ動きを存分に感じられる絵柄です。

「俺よりうまい奴がいねェーんだもん!!」
(漫画『竜送りのイサギ』第1話 pp22-23 より引用)


主人公イサギの「俺よりうまい奴がいねェーんだもん!!」というセリフ、言葉遣い、コマ、絵……めっちゃ好きなんですよね。
第1話始まって数ページでイサギの生き方のちぐはぐさは伝わってはいたのですが、このページのこの叫びで一気に引き込まれました。

イサギだけでなく人類最強と名高いタツナミの人間性も同時に描いていて、わずか7ページほどの回想シーンではありますが満足度が高すぎます。
この時点で、この作品は竜ではなく竜送りのイサギの作品なんだと感じたのでした。

激しい感情の揺れ動き

タツナミを殺す前の二人のやり取りからの、斬った瞬間にサトリによって見えたタツナミの竜殺しからの、ドン引きからの笑いからの涙……この一連のシーンめちゃくちゃ好きです。
イサギの笑いにつられて笑いが出るぐらいにはシリアスな笑いなのですが、キュッとまた涙で戻してくるのがめっちゃよいです。

ドン引きの表現が最高
(漫画『竜送りのイサギ』第1話 pp56-57 より引用)


周りは後片付けに向けて作業を進めている中でただ一人、サトリによって映像が見えたイサギのみが呆気にとられて佇んでいる。
直前の、タツナミが竜を殺している大迫力の見開きからの、すっと現実に戻ってきてのスピード感、圧倒的なリアルタイム感がありましてゾクゾクします。


からの、

「あ…っ ははははははは!!」
(漫画『竜送りのイサギ』第1話 pp58-59より引用)


大事な人を失った気持ちと、竜を見た気持ちと、その竜を殺していたタツナミと……いろんな感情がごちゃまぜになっているけども、サトリを見るためには相手の首を落とす必要があり、一緒に過ごす中で大事な人となったタツナミを殺してしまったことをあらためて理解したように見える流れが本当に心地よい。


第1話はイサギの感情の揺れ動きが激しくて瞬く間に読み終わってしまうのですが、1コマ1コマに熱量が込められていて全部が面白いです。
こんな1話を見せられると、そりゃ全話すぐに読みたくなるわけです。

終わりに

サンデー作品は肌に合うかもと最近感じています。サンデーにて少なくとももう1作品紹介したい漫画がありますので、近いうちに書ければと思います。

『竜送りのイサギ』という作品、間違いなく今後面白くなっていく作品だと確信がありますので、連載も引き続き追っていきたいと思います。