スト6を始めたとき、自分に向いたキャラがどれなのかわからず、結局こいつが向いてるなと確信できるキャラを見つけるまでに1年くらいかかってしまった。
どのゲームをやってもそうである。初めてやるゲームだと、そもそもどんなゲームかもわからないし、キャラの違いもわからない。キャラに個性があるようにプレイヤーにも個性がある。自分の得意なことを活かせて、苦手なことをやらなくて良い、という自分に合ったキャラを選べれば最高である。ただしそれが誰なのかわからない。
スト6に関しては、特にいい感じのキャラ診断が今のところ見当たらない。公式で一応あるけど、自分なりにも作ってみようと思った次第。初心者向けだけど中上級者にも参考になれば幸い。
スト6は、「見てから返す」がひとつのコンセプトになっている。「出るのが遅くて反応される可能性があるけど、反応されなければ強力」という技がたくさんあって、それを上手く使って通していくのか、それとも反応して見てから対処していくのか、という駆け引きがひとつのテーマになっている。ドライブインパクトやジャストパリィというシステムが正にそうだし、個別の必殺技にもそんな性質のものがたくさんある。
そこで出るのが遅い強力な技をガンガン使っていくのか(奇襲型)、それとも使わないのか(堅実型)。そして相手のそういう技に対して見てから反応して対処したいのか(対応型)、それとも反応に頼らず戦いたいのか(押し付け型)、の2×2の4分類で、プレイヤーの向き不向きとキャラクターの特性を分類することができるな、と思い作ることにした。
人とキャラクターの個性って他にもいろいろあるけど(得意な距離とか)、こういう分け方もあるよなということでひとつ。
1、どちらによりあてはまる?
負けそうな試合でも一発逆転したい | 勝てそうな試合を確実に勝ちたいㅤ
相手のミスを誘って勝ちたい | よく考えて最善手を選びたい
過程より勝つことが大事だと思う | 結果より内容で褒めてもらいたい
↓ ↓
奇襲型のキャラがおすすめ! 堅実型のキャラがおすすめ!
2、どちらによりあてはまる?
焦るとつい動いてしまう | 困ると固まってしまうㅤ
相手の動きがなんとなく読める | 見てから後出しで動くのが好き
ㅤ勝ち方が明確なキャラが良い | 致命的な弱点のあるキャラは嫌
↓ ↓
押し付け型のキャラがおすすめ! 対応型のキャラがおすすめ!ㅤ
3、分類を見る
奇襲型×対応型 → ◆王道ハイスタンダードキャラがおすすめ!
堅実型×対応型 → ◆正統派スタンダードキャラがおすすめ!
奇襲型×押し付け型 → ◆ガン攻めトリッキーキャラがおすすめ!
堅実型×押し付け型 → ◆近距離パワーキャラか遠距離職人キャラがおすすめ!
4、表から好きなキャラを選ぼう!
下記に各分類と全キャラぶんの個別解説もあるのでご一緒にどうぞ。
各分類解説
◆王道ハイスタンダードキャラ - Balance
豪鬼/ケン/テリー/ラシード/ジュリ/ジェイミー
高い対応力と奇襲性能を兼ね備えた、万能型のキャラクターたち。
ストリートファイター6における王道キャラ。強力な対空技、無敵技、小技によって様々な状況に対応できる上に、ドライブラッシュ、前ステップ、前ジャンプ、中下段攻撃や強力な必殺技などを駆使して自分からも攻め込んでいける。守れて攻めれる、今作の基本となるバランスの良いキャラクターたち。
突出した長所は少ないが、大きな弱点もなく一通りどんな動きでもできる。このキャラから始めればスト6の基本を理解する助けにもなるし、極めればどんな相手のどんなキャラとも渡り合える万能さがある。
対空など相手の行動に対処する基本的な技術力と、いざというときはリスクを承知で攻めに転じる勝負強さがプレイヤーに求められる。
◆正統派スタンダードキャラ - Orthodox
奇襲性能は控えめだが、高い対応力と強力な牽制技を持つキャラクターたち。
そもそもストリートファイターは伝統的に守りが強いゲームである。お互いガードの上から小突き合って、全然体力が減らないままタイムアップが近づく……ということが前作スト5、前々作スト4のころはよくあった。今作スト6ではそれを打破するために、ドライブラッシュなどガードを崩せる強力な奇襲手段が追加された、という経緯がある。
このキャラたちは奇襲性能が控えめで、前作に近いじりじりとした戦い方を得意とする。飛び道具をはじめとした優秀な牽制技で相手をジリ貧に追い込み、焦って攻めてきたところを優秀な対空技などで落ち着いて迎撃する、いわゆる「飛ばせて落とす」立ち回りが持ち味。従来のストリートファイターの基本に忠実な、オーソドックスな(=伝統的な)キャラクターと言える。
相手の行動ひとつひとつを捌き切る高い技術力と、焦らずどっしり構える我慢強さがプレイヤーに求められる。
◆ガン攻めトリッキーキャラ - Rushdown
対応力は低いが、奇襲を絡めた高い攻撃力で相手をボコボコにするキャラクターたち。
「尖った」キャラクター。対空攻撃が弱くて相手のジャンプに困らされたり、無敵技が弱くて相手の攻めを切り返せなかったりと主に防御面に弱点が多いが、それを補って余りある圧倒的な攻撃性能が持ち味。ラッシュのように攻めを仕掛け続け、自分がやられる前に相手を倒しきることを目指す。
爆弾や人形を取り出したり毒沼を設置して有利な状況を作ったり、突然頭上や目の前にワープしたり、相手の技の届かない遠距離から投げ技で掴みかかったりと、他キャラでは考えられないような攻撃力の高い攻めを仕掛けることができる。ただしどんな攻めにも対策はあり、相手がどうやって対処してくるのかを見て攻め方を考える必要がある。また受けに回ると脆いため、上手く自分のターンを作り、相手に流れを掴ませないようにする戦略が必要になる。
自キャラの強力な技や連携を調べておく知識力と、相手の虚を突き今通るものを見つける攻めの嗅覚が求められる。
◆近距離パワーキャラ/遠距離職人キャラ - Control
マリーザ/ザンギエフ/リリー/エドモンド本田/ダルシム/ガイル/A.K.I.
対応力も奇襲性能も低めだが、得意な間合いでの圧倒的な制圧力を持つキャラクターたち。
スタンダードキャラと比べると対空も弱ければラッシュも遅く小技の性能も悪いなど弱点のオンパレード、無いもの尽くしだが、それが些細なことに感じられるくらい高性能で支配的な技を持っている。リーチの長い優秀な牽制技で相手が身動きを取れないようにしたり、ガード不能で威力の高い投げ必殺技で接近戦を制することができる。攻防一体、強力な技による抑止力で相手をコントロールしていけるキャラたち。
最初は強い技を繰り出しているだけで試合になるので、いわゆる「ゴリ押し」ができる初心者向きのキャラでもあるが、高いレベルの試合では攻める機会を作りづらく受け身な展開になりがちなのが難しい。真価を発揮するためには、そのキャラの強みを最大限に活かしつつ弱みをカバーする、緻密な戦略を組み立てることが求められる。ゲームの基本をおさえるだけでなくそのキャラ特有の戦い方に深く習熟する必要がある。
自キャラを理解し試合を組み立てる思考力と、相手の次の動きを読んでいく観察力がプレイヤーに求められる。
個別キャラ解説
◆王道ハイスタンダードキャラ - Balance
豪鬼
ストⅡシリーズで裏ボスとして初登場したキャラクター。リュウを魔改造したような性能で、こんなのどうやって勝つんだという無法な技の数々でプレイヤーを苦しめた。隠しコマンドで使用できたが、あまりに強すぎるので大会ではだいたい使用禁止だったらしい。続編からは正式にプレイアブルキャラとして参戦。性能の高さはそのままに、体力が低いという弱点でバランスを取っている……はずが、それでも強すぎてどのシリーズでも強キャラもしくは最強キャラだった。
スト6でも「低体力、高性能なスタンダードキャラ」として実装。足は速いし波動昇竜はあるし、長い牽制技もあるし火力も出るし、自分から仕掛ける奇襲技も豊富にある。無いものが無い、全部が高水準。弱点は体力が他キャラの9割しかないこと(通常10000、豪鬼9000)と、近距離の技の性能が微妙に低めなところ、前ステップやドライブラッシュの性能がやや低いところ。
性能が良いと言ってもどこかが飛び抜けているというよりは「全部がちょっと強い」という感じである。なんでもできるということはなんでもやらねばならないということである。また強みのひとつである「波動拳」は万能の地上技だが低威力高リスクで運用が難しい。これさえやっておけば勝てるというゴリ押しはしづらく、真価を引き出すにはスト6というゲーム自体や相手キャラへの幅広い理解度・技術力が求められる。
また「百鬼襲」「朧」「斬空波動拳」などの優秀な奇襲技を豊富に持っている。通用するかは相手次第ではあるものの、相手が対応できないものを見つけて使えばそれだけで試合を終わらせられるポテンシャルがある。リスクはあるが、使い手の勝負勘が良ければ強力な武器になる。
波動拳の強さと対応力の高さから、基本的に後ろに下がりながら防御的に戦うのが強いキャラだと言われているが、その一方で「相手を端に追い込んだときの火力が高い」という長所も持っている(OD金剛灼火)。下がる強さと追い込む強さ、相反する強みをどう活かすかというのも豪鬼使いに課せられる課題のひとつである。
総じて、体力の少なさからミスが許されないのに、できることが多いのと対応型の立ち回りなので幅広い知識と技術を要求される、難しいけど強くて面白いキャラクター。波動と昇竜で相手をコントロールしつつ、隙を見て百鬼などで自分から仕掛けることもできる。常に自分で試合を掌握できる支配感が魅力。高難度でいいから万能キャラが良いという人におすすめ。
ケン
ストⅡからの初期キャラ。最初はリュウと全く同じ性能だったが、シリーズが進むごとにちょっとずつ個性が付けられるようになった。波動拳が強くてどっしり構えるリュウに対して、竜巻旋風脚が強くてガンガン動けるケン、といった具合。
スト6での性能は「攻めれるスタンダードキャラ」。万能地上技の波動拳と防御技の昇竜拳で手堅く戦える上に、龍尾脚、迅雷脚、奮迅脚など接近技や中段技も豊富でドライブラッシュも素早いため攻めも得意。コンボに奮迅脚からの竜巻旋風脚を組み込むと相手を一気に画面端に追い詰めて勝ちパターンに入れるのも強力。目立った弱点はなし。
ルークと並んでスト6で最もスタンダードなキャラクター。こちらは攻め寄り。癖のない基本的な技が一通り揃っており、状況に応じて適切な選択肢を選んで相手に対処していく。
スタンダードキャラらしく、ある程度相手に対応しながら戦う場面が多い。どんな相手、どんな状況でも戦えるのが強みであると同時に、相手キャラを知っておかねばならないという課題にもなる。
攻め技の「龍尾脚」「迅雷脚」「奮迅脚」はいずれも強力だが対策も存在する。うまく使うには、目の前の相手にどれが通用するかを見極める観察力と、不意を突いて攻めを通す勝負勘が必要になる。
波動拳は扱いが難しいものの最強の地上技。読まれたときのリスクは大きく威力も低いが、相手のほとんどの行動に一方的に勝つ。間合いを問わず使えて、撃ち方次第では波動と昇竜だけで相手を制圧してしまえるが、一歩間違えれば自ら隙を晒す自滅行為にもなりうる。いつどれくらい撃つべきか、通称「弾撃ち」と呼ばれる独特なセンスが問われる。
奮迅脚からの竜巻旋風脚をコンボに組み込むと、相手を一気に画面端に追い詰めて強力な攻めのチャンスを作ることができる。逆に自分が画面端を背負っているピンチでは、奮迅脚からの龍尾脚やSA1で脱出することもできる。「画面端の魔術師」と呼ばれることもあり、「相手を端に追い詰めて投げまくる」というスト6の基本の勝ちパターンに持っていきやすいのは明確な強み。
総じて癖がなく、攻めも守りもできるバランス型のキャラクター。どんな状況でも何かしらやることがある。どんな使い方もできるし、全ての強みを活かそうと思えばスト6というゲームを真っすぐ極めることにもなる。あらゆる人におすすめ。
ジェイミー
スト6での新キャラ。過去作のユン、ヤンと同じ中国拳法キャラであり、使う技もかなり共通している。ユン、ヤンはストⅢストⅣ時代に飛び抜けた強さで環境を席捲した強キャラで、無法な技の数々で当時のプレイヤーを苦しめた。ジェイミーはそこまで壊れた性能ではないが、かつての最強キャラの面影を重ねるプレイヤーは多い。
性能は「多才な近距離スタンダードキャラ」。優秀な通常技、対空技、無敵技に加えOD無影蹴が受けの場面で強く、高い対応力と防御力を持つ。試合中に「薬湯」を飲むことで使える技を増やすことができ、空中技の無影蹴、飛び道具対策の爆廻、ガードを崩す点辰など、スタンダードキャラとは思えぬ多彩な技の数々を扱える。特に近距離戦が得意だが、飛び道具がないため遠距離戦が苦手なのと、薬湯を飲むまでは使える技が少ないのが弱点。
とにかく要素が多いキャラクター。どうやって薬湯を飲むかという課題を抱えていると同時に、解放される多彩な技を使いこなす難しさもある。挙動に癖のないスタンダードキャラの中では最も複雑で奥が深いと言える。
薬湯を飲むことで解放される技はどれも強力。「無影蹴」はジャンプの軌道を変える空中必殺技で、上手く使えば地上技の届かない空中から相手を翻弄できる。「爆廻」は飛び道具をすり抜けながら攻撃できる弾抜け技で、間合いを見切り素早く反応できれば相手の飛び道具を無効化できる可能性がある。「点辰」はガード不能の投げ必殺技、いわゆるコマ投げで、リスクはあるが強力な攻めの選択肢になる。ひとつひとつの技が奥深く、どれだけ活かせるかはプレイヤーの腕次第だが、いずれもスタンダードキャラにしては破格の性能。
全体的に近距離戦が強い。小技から大攻撃に至るまでどれも優秀で、何より立ち中キックはゲーム中最強クラスの近距離技。リーチの割に隙が少なく、相手の技にも勝ちやすく、キャンセル可能なので威力も大きい。その他、後ろ大パンチや前大キックなどの特殊技も唯一無二の強みがある。各技の性質を覚えれば覚えるほど、多彩な選択肢で近距離戦を制圧できる。
パリィドライブラッシュ、いわゆる生ラッシュからの立ち大パンチが強力で、素早い突進技として牽制と攻めの起点を兼ねる。加えて性能の良い前ステップ、長い中段攻撃、前述の無影蹴を絡めた前ジャンプもあり、相手の隙を付いて攻め込む選択肢が豊富。飛び道具を持たないため遠距離戦は苦手だが、これらでうまく接近できれば得意の近距離戦の強さを活かせる。
不利な局面でも、相手の投げにカウンターを取れる低空OD無影蹴での守りが非常に強力。対空技・無敵技の張弓腿に加え通常技も優秀で、全キャラの中でも屈指の防御力を誇る。不利な場面でもうまく応戦できれば粘り強く戦うことができる。
総じて幅広い選択肢を持つインファイター。できることが多いのは難しさでもあり面白さでもあり、やればやるだけ味が出る。いろいろやりたい人におすすめ。
ジュリ
ストⅣで初登場したドSな韓国女子。比較的新しめのキャラなのに、リュウや春麗と並んですっかりストリートファイターの顔になってしまった大人気キャラクター。漫画「がんばれジュリちゃん」もよろしくどうぞ。過去作での強さはだいたいずっと中堅くらい。
スト6での性能は「超攻撃的なスタンダードキャラ」。素早い前ステップとドライブラッシュに、中段攻撃や自分のターンを作る歳破衝も持っており、攻め能力がトップクラス。また無敵技・対空技として優秀な天穿輪を持ち防御力も十分。弱点は飛び道具対策に乏しく遠距離戦がやや苦手なこと。
前ステップの速度が全キャラ中最速。隙はやや大きいものの移動距離が圧倒的に長く、相手の手の届かない遠距離から一気に懐に潜り込むことができる。ドライブラッシュも最速クラス。また飛び道具である歳破衝は弾速が遅く、牽制技としてはいまいちだが攻めの起点にできる。これらを駆使して中遠距離から一気に攻め込むことができるのがジュリの強み。ラッシュやステップが速いキャラは他にもいるが、ジュリはその頂点たる性能をしている。ただいずれも見てから返すなど対策が存在するので、相手の守り方を見て手を変えていくなど、攻めのセンスが求められる。
風波ストックという独自のリソースを持つ。風波刃という必殺技を使うとストックが増え、次の必殺技が一回強化される。強化した歳破衝で攻め込んでも良し、コンボのダメージ底上げに使っても良しと、風波をどう溜めてどう使うかを考える奥深さがある。
SA2の風水エンジンはやり込み要素のひとつ。通常技を組み合わせて矢継ぎ早に攻撃することができる。操作は忙しく練習も必要だが、極めれば他キャラではできない高速の連携で相手を崩したり大ダメージのコンボを決めることができる。
他には空中必殺技の疾空閃やジャンプ大パンチが強力で、空中からの攻めも得意な部類。また立ち大キックや前大パンチなどリーチの長い牽制技も持っており、差し合いもそれなりにできる。最大の弱点は飛び道具対策になる技をほとんど持っていないことで、弾を撃ってくる相手にはパリィやジャンプなどによる基本的な対応力が問われることになる。
総じて正面からガンガン攻めていくキャラ。差し合いも守りもある程度こなせつつ、前ステップとドライブラッシュというスト6での基本の攻めを強く使うことができる。ケンやルークに並んで初心者に安心して勧められるキャラのひとり。守るより攻めるのが好きな人におすすめ。
ラシード
前作ストⅤで初登場したキャラで、今作にも続投。近距離でのEXワールとVトリガーのイウサールでの攻めが強力なスピードキャラだった。
スト6での性能は「攻め込む近距離スタンダードキャラ」。優秀なドライブラッシュと中段、そして必殺技のアラビアン・サイクロンとSA2イウサールのおかげで攻めが強力。一通りの通常技と無敵技も持ち守りも優秀で、飛び道具も一応持っている。弱点は牽制技による殴り合いがやや弱めなこと。
スタンダード系のキャラの中ではかなり攻めに寄った性能。特にアラビアン・サイクロン(強)が強力で、アサルト・ロールに派生することでガードの上から強引に攻め込める。出が遅いので対策もあるが、中版を混ぜることで相手の対策を逆に潰してしまうという駆け引きもある。ドライブラッシュも素早いほか、中段攻撃はリーチが長く威力も高め。これらの攻め技を駆使して自分から攻め込んでいけるのがラシードの強み。もちろん優秀な通常技や無敵技を駆使して相手の攻めを捌くような戦い方も可能。
イウサールはゲーム中最強クラスのSA2。特に画面端で使うのが強力で、竜巻を盾にしつつ強化された必殺技で攻め込むことができる。当たれば大ダメージだしガードの上からでも崩しにいける、対策不能の強力な攻撃手段。発動から様々な連携やコンボが可能で、使い手の練度次第で威力はより増していく。
攻めるのが得意なキャラは牽制が弱めに設定されていることが多く、ラシードもその例にもれずややリーチが短いため正面切っての殴り合いは弱め。ただしワールウインド・ショットという飛び道具を持っている。他の飛び道具と比べてやや性能は落ちるが、それでもリーチが長く相手の攻撃を潰しやすい強力な牽制技として使っていける。溜め版を攻めの起点にする使い方もあり、うまく使えば差し合いの弱さを補うことができる。
他にも画面端での三角飛びや、ジャンプからアラビアン・サイクロンで軌道を変化させたり、ウインド・ストロークで低空からの攻めを仕掛けるなど、相手を混乱させるような奇襲技を数多く持つ。上手く使うには独自の知識やテクニックが必要になるが、型に嵌まらない自由度の高い動きができるのがラシードの魅力。
総じて攻めが得意なバランス型のキャラ。弱点の少ない基本性能を備えながらも、相手の隙を突いての奇襲の数々に問答無用のSA2など、あらゆる手段で相手を崩していく。自分から動いていきたい人におすすめ。
テリー
かつてストⅡとともに流行った格ゲー「餓狼伝説」シリーズの主人公であり、ストリートファイター史上初の他社コラボキャラ。スマブラSPにも出てたので意外と若い人の間でも知名度がある。
性能は「突進するスタンダードキャラ」。癖の少ない通常技に飛び道具と対空技・無敵技を持っており、大きな弱点がない。前ステップとドライブラッシュが素早く、中段も持っており攻めも得意。またバーンナックルやクラックシュートなどの突進技が強力。他にも多種多様な必殺技やターゲットコンボの使い分け、コンボルートの選択など細かいやり込み要素が数多く存在する。弱点としては牽制技のリーチがやや短め。
バーンナックルは大きな長所。遠距離から攻撃できる突進技でありながら、先端を当てるように使うと隙が減るどころかガードされても自分が攻め続けることができる。ジャストパリィなど対策はあるものの難易度が高く、使う間合いを見極めることさえできれば中遠距離からもプレッシャーを掛けられるのはテリー独自の強み。下段技や飛び道具を避けるクラックシュートも併せて、短いリーチを突進技で補っていくのがテリーのスタイル。
スタンダードキャラの中では攻めが強力なほう。素早いドライブラッシュと前ステップから投げに行くのがシンプルに強い。中段技のハンマーパンチとクイックバーン、近距離の連携で強力なラウンドウェイブも持つ。いずれもリスクはあるものの、相手の守り方を見て上手く使い分けていきたい。
ターゲットコンボにやり込み甲斐がある。下段技としては破格の威力を持つファイアーキックに、三種類の派生技を状況によって使い分ける立ち中パンチ。それぞれ威力は高いものの隙があったり当てづらかったりして、これらの多種多様なターゲットコンボをどれだけ使いこなせるかはテリー使いの課題のひとつになる。
コンボの火力が高いのも特徴。特にパワーチャージの弱版を先端で当てたり、出の遅い強版を当てることができれば大ダメージを狙える。状況ごとにコンボを使い分ける難しさはあるが、コンボが好きな人にとっては腕の見せ所になる。
総じて原作のテリーをうまくスト6に落とし込んだキャラ。ここに書ききれないくらい原作再現の要素が多く、しかもひとつひとつが独自の面白さに繋がるように作られている。餓狼やKOFファンの人にはおすすめだし、そうでない人にもスタイリッシュでやり込み甲斐の多いスタンダードキャラとしておすすめできる。全体的な性能は若干攻め寄り。
◆正統派スタンダードキャラ - Orthodox
リュウ
初代からの主人公、格闘ゲームといえばこの男。ウメハラさん(伝説の格ゲーマーで、野球のイチローやlolのfakerにあたる人)が長年メインキャラとして使ってたこともあり、今も昔も大人気キャラ。どのシリーズでもバランス型で、開発もまずリュウを作ってそれから他のキャラを考えるらしく、ゲームの基準となっている。強さはどの作品でも中堅~若干弱めくらい。
スト6での性能は「古風なスタンダードキャラ」と言うようなものになっている。昇竜拳と性能の良い小技による高い対応力を持ちつつ、飛び道具の波動拳に加えて上段足刀蹴りや旋風脚など優秀な牽制技を複数持っているのが強み。シンプルな性能なので動かしやすいのも長所。ただし攻めに使える必殺技に乏しく、前ステップやドライブラッシュも遅いという弱点がある。
今作では主人公の座をルークに交代。ルークがスト6ならではのダイナミックな動きが得意なのに対し、リュウは従来のストリートファイターらしい堅実な戦い方が得意。どっしり構えて強力な牽制技で相手をジリ貧に追い込み、焦って動いたところを落ち着いて捌いていく、まさにストリートファイターの基本。
基本ではあるが、それが最も難しく、そして最も奥深い。「波動拳」は相手のほとんどの行動に勝つ技で、熟練の撃ち手なら波動拳ひとつで相手を封殺する可能性もある強力な武器。リュウはそれに加えて上段足刀蹴りなど波動拳を補完するような牽制技を複数持っており、状況に応じて牽制技を使い分けることで真面目な地上戦ではかなりの強さを誇る。ただしいずれも飛びやインパクトを噛み合わされると大ダメージを負うというリスクがある。牽制技を撃つのか撃たないのかの心理戦を制し、相手が焦って動いたところをひとつひとつ狩っていく、いわゆる「弾撃ち」の練度が強さに直結するキャラクター。
「電刃練気」という気を溜める技があり、隙を見て使用できれば波掌撃など一部の技が一度だけ強化される。この電刃をいつ溜めるべきか、溜めたらどこに使うべきかが難しく、プレイヤーの個性が現れる面白いところでもある。
自分から押し付けるような攻めがしづらいため、どのキャラ相手でも相手が選んだ展開になりやすい。相手が近づいてくるなら追い返し、逃げるなら追いかけ、飛んでくるなら落とし、弾を撃ってくるならかいくぐる。優秀な牽制技と小回りの利く通常技のおかげで、どんな状況でも受け身に応戦できるのは強みだが、相手キャラへの幅広い知識が求められるという難しさもある。
攻めはやや苦手なものの、近距離では鳩尾砕きや鎖骨砕きなどで攻め込むこともできる。ドライブラッシュからの鎖骨砕きも狙えれば強力。他キャラほどの派手さやわかりやすさはないが、最低限の攻め能力は備えている。
総じて堅実な、防御寄りのバランス型キャラクター。相手に対応しなければならない難しさはあるが、実力があればどんな相手にも正々堂々やって押し負けないポテンシャルがある。真面目な人におすすめ。格ゲー初心者の人にはどっちかというとケンとかルークのほうが良さそう。
エド
前作ストⅤで初参戦したキャラ。漫画「はじめの一歩」を読んでいる人にしか伝わらないと思うが、間柴了である。ボクシングキャラといえば幕之内一歩のごとく突っ込んで接近戦というのが多かったが、エドはおそらく格ゲー界初のアウトボクサー。リーチの長いフリッカージャブで中距離から相手をコントロールしていく。前作ストⅤではモダン操作の試作のために作られたような初心者向けの簡単操作キャラだった。
今作では「中距離特化のスタンダードキャラ」と言うべき性能。必殺技のサイコフリッカーと、立ち中キックやしゃがみ大キックなどのフリッカー系の通常技は、長いリーチと高い火力、隙の少なさを併せ持って非常に強力。ストリートファイターの主戦場である中距離の差し合いにおいて圧倒的な強さを誇る。ただし近距離や遠距離での技がやや弱めだったり、対空技と無敵技の出が遅い、前ステップが短めで中段がないなど弱点もある。
牽制が強く攻めが弱めなので、相手に攻めさせて迎撃する、「飛ばせて落とす」系統のキャラクターである。対応型のキャラなので守り切るために相手キャラへの幅広い知識や細かい技術が求められるが、中距離牽制の性能があまりに圧倒的なのでリュウなどより簡単に地上の差し合いを制圧できるという強みがある。半面、対空技や無敵技の性能は他キャラのそれよりやや低めで、攻めてくる相手を捌く難易度は上がっている。
中段がなく前ステップが遅いため攻めはやや苦手だが、ドライブラッシュはそれなりに早いので上手く使えば攻めるチャンスを作れる。また、サイコフリッカーを溜めることによる独自の攻めが存在する。溜め版をうまく当てれば相手を引き寄せて攻めることができ、対策してくる相手にはフェイント等で読み合う……という特有の心理戦を制することができれば、守りのキャラでありながら相手を崩せる可能性がある。
有志によって開発されたSA2を絡めた高難度高火力コンボ、通称「ドリームコンボ」が存在する。できなくても十分戦えるが、実戦で出来ると強力な上に見栄えも良くてかっこいい。エドを極めようとする者のやり込み要素の一つ。
総じて、守りと牽制に特化した手堅いキャラクター。圧倒的な地上戦の強さと、様々な状況に対応できる一通りの技を兼ね備えている。堅実に受け身に戦いたい人におすすめ。
ルーク
スト6における主人公。前作ストⅤの最後のアップデートで「ストリートファイターの未来を担う人物」として参戦。スト6のドライブシステムを先取りしたような性能をしていた。強さはぶっちぎりの最強キャラで、プロがこぞってキャラ変えし、最後の世界大会もときどさんがルークで優勝してストⅤの競技シーンは幕を下ろした。スト6発売当初も強キャラとして環境を席捲したが、弱体化を経ていまは中堅くらいに落ち着いている。
性能は「バランス型のスタンダードキャラ」。ケンと並んでこのゲームで最も癖がない性能をしており、どんな状況でも戦える。サンドブラストは距離を問わず地上戦を制圧できる優秀な飛び道具で、ライジングアッパーカットは安定した対空技・無敵技として守りの要になる。近距離用の通常技も性能が良く、攻めたければ素早い前ステップやドライブラッシュで接近できる。一応サンドブラスト以外の牽制技がやや短いのは難点だが、基本的にはほとんど弱点のない万能キャラと言ってしまって良い。
スタンダードキャラでありながら前ステップとドライブラッシュの性能が良い、というのが大きな長所。ルークは特にパリィドライブラッシュ、いわゆる生ラッシュからの攻めが得意で、ラッシュの速度がかなり速い。さらにサプレッサーというタイミングをずらす技を上手く使えば相手の対応を難しくさせることができる。生ラッシュはリスクもあるが牽制と崩しを兼ねた強力な行動で、これをいつどうやって使うか、ラッシュから何の技を出すかにプレイヤーの実力が問われる。
他のスタンダードキャラと比べて近距離の通常技が優秀なのも大きな強み。しゃがみ弱パンチ、しゃがみ中パンチ、立ち大パンチが特に出の速さの割にリーチが長くて優秀。攻め込むときに役立つだけでなく、相手に攻め込まれたときに応戦する能力も高い。試合が動きやすい近距離で強いのはこのゲームにおいて明確な長所。
コンボにやり込み要素がある。「フラッシュナックル」はボタンを押しっぱなしにして溜めると威力の上がる必殺技だが、これをちょうどのタイミング(猶予3F=0.05秒間)で離すとジャスト版になり、さらに威力が上がる。できなくても十分戦えるキャラだが、一部ジャスト版でのみ可能な高難度・高火力コンボも存在し、操作に自信があるなら頭一つ抜けた高火力キャラに化ける可能性がある。
総じて癖が無く、スト6の基本に忠実なキャラクター。キャラに迷うならまずはルークでゲームに慣れるところから始めてみて問題ないし、極めれば高い対応力とシンプルな攻撃力であらゆる相手と戦うことができる。全ての人におすすめ。
春麗
ストⅡからいる、格闘ゲーム初の女性キャラ。リュウたちと同じくけっこうな歳のはずだがまだまだ若く見える。性能としては機動力の高いスピードタイプ。シリーズによって強さはまちまちで、ストⅢ3rdのころは一強クラスの最強キャラだった。伝説の動画「背水の逆転劇」でも有名。
スト6での性能は「テクニカルなスタンダードキャラ」。対空技、無敵技、優秀な小技に飛び道具も持っており一通り重要なパーツが揃っている。さらに移動速度は最速クラスで、前ステップも早いなど、あらゆる状況で攻めも守りもこなせるポテンシャルがある。弱点は飛び道具以外の牽制技がやや短めなことと、ドライブラッシュの性能がやや低いこと、癖のある技が多くあらゆる場面で難易度が高いこと。
飛び道具の気功拳は、タメが必要な代わりに性能が良い。他のスタンダードキャラの弾より隙が少ない上に、弾速の緩急を大きくつけられる。タメさえどうにかすれば強力な弾を撃てるのが春麗の強み。強版を連打して地上戦を制圧できるほか、遠くから弱版を撃ってドライブラッシュで追いかける攻めが強力。対応力の高いスタンダードキャラでありながら、自分の展開を押し付けていくことができる。
足の速さは格闘ゲームにおいて最も大きな長所のひとつ。最初は強さがわかりづらいが、自分の有利な間合いを維持したり、居場所を掴ませないようにして相手の技を空ぶらせたり、突然踏み込んで攻めに転じたりと、あらゆる状況においてゲームを理解すればするほど足の速さを活かせるようになる。歩きの上手さにこそプレイヤーの格ゲー力がモロに反映される。
コンボの難易度がやや高い。下タメ技のスピニングバードキックや、構え技の行雲流水を組み込めれば大ダメージを狙えるが、操作が複雑で判断も難しい。百裂脚による簡単なルートもあるものの、高難度高火力なコンボをどれだけ狙えるかは春麗使いの頑張りどころ。
気功拳以外の牽制技は若干弱めで、特にリーチの短さが難点。ただゲージがあれば高性能な追突拳や、構えを介せばダメージの出る立ち大パンチ、下段に勝つ翼旋脚、ダウンを取れる下段技のしゃがみ大キックなど、どれもその技にしかない強みがある。これらの癖のある牽制技を使い分けることができれば、地上戦にさらに厚みを持たせることができる。
覇山蹴とSA2の鳳翼翼が飛び道具対策として優秀。どちらも素早い反応や間合いの判断力が必要にはなるが、飛び道具と飛び道具対策を兼ね備えているのは全キャラ中でも稀な特性である。
総じて上級者向けのスタンダードキャラ。攻めも守りもあらゆる状況を戦えるパーツが揃っているが、一捻り加えた技が多い。足の速さも相まって難易度もやり込み甲斐も相応にある。自分の上手さを見せつけたい人におすすめ。
キャミィ
ストⅡシリーズからの古参キャラ。伝統的に機動力が高い。空中必殺技の「キャノンストライク」が最大の長所で、極めればこの技ひとつでどんな相手とも戦える。飛んで降りるキャノンストライクのような技は他の格ゲーにもよくあり、熟練のプレイヤーはどのタイトルでも「とんおり」の上手さだけで勝ってしまう。
スト6での性能も「スピード型のスタンダードキャラ」。素早い歩き速度にキャノンストライクを備え、地上でも空中でも機動力が高い。無敵技・対空技として優秀なキャノンスパイクを持ち、近距離の小技も優秀で、相手の投げに勝つ低空ODキャノンストライクもあり守りの硬さは全キャラ中トップクラス。中段を持たずドライブラッシュが遅いので攻めはやや苦手だが、アクセルスピンナックルやフーリガンコンビネーションによる独特の崩しがある。弱点としては全体的に技の威力が低めで、リーチが短い。
とにかくストライクが強力なキャラ。相手の技を避けながら攻撃できる空中技でありながら、出が早いので対空技で落とされづらい。隙が出ないように相手の足元を狙って出す必要はあるが、うまく使えば相手の技をガンガン踏みつぶすことができ、高い抑止力で地上戦を制圧できる。他にも遠めから飛んで弱ストライクで手前に降りて対空技を空ぶらせる使い方もあり、使い方は奥が深い。
足の速さはあらゆる場面で活きる長所。常に自分の得意な間合いを維持したり、ふらふらと自分の居場所を掴ませないようにして相手の技を空ぶらせたり、不意に踏み込んで攻めることもできる。最初は活かすのが難しいが、相手の技の間合いを把握するなど上手くなればなるほど活かせるようになる。
アクセルスピンナックルは数少ない攻め技。強版で距離を詰めて攻めの機会を作ったり、OD版で裏に回って奇襲を仕掛けることができる。フーリガンコンビネーションは独自の択を仕掛ける技で、派生技の中段、下段、投げ、着地を組み合わせて相手のガードを崩すことができる。いずれも隙が大きめで対策される危険はあるものの、うまく使えば攻め手の少なさをカバーできる武器になり得る。
総じて機動力で戦う近距離キャラ。素早い移動速度と隙の少ない技を使って、相手の弱点を的確に突いていく。テンポの良い試合が好きな人におすすめ。
◆ガン攻めトリッキーキャラ - Rushdown
キンバリー
スト6からの新キャラ。過去作にいた武神流の忍者・ガイの押しかけ弟子で、一部共通の技を使う。
性能は「奇襲特化の近距離スピードキャラ」。足の速さと素早いドライブラッシュを筆頭に、彩隠形や前大キックなど奇襲技を豊富に持ち相手の不意を突いて攻め込むのが得意。さらに疾駆けや中段、細工手裏剣のおかげで近距離での攻めが強力。弱点は飛び道具を持たずリーチが全キャラ中ワーストクラスに短いことと、対空技と無敵技の性能が悪く守りが弱めなこと。
とにかく奇襲技が豊富で、遠距離から攻め込める対策困難な技を複数持つ。ただし上級者相手には反応されて迎撃される危険もある。全体的に、相手がキンバリー対策をどこまでできているか、その対策をいかにかいくぐれるか、という勝負になる。
特にパリィドライブラッシュ、通称生ラッシュからの立ち中パンチが強力。移動距離が長く、当たれば大ダメージを狙うこともでき、ガードされてもそのまま崩しに行ける。わかっていても対処困難な信頼度の高い攻めだが、飛び道具など地上技に負ける危険もある。
その他には相手の目の前や頭上にワープする彩隠形、飛び込んでから派生技で攪乱する前大キック、肘落としによる軌道変化で対空を空ぶらせられる前ジャンプなどがある。いずれも専用の対策が必須になる強力な奇襲技。相手が対処できないものを探して使ったり、次々繰り出して的を絞らせない使い方ができればさらに効果的になる。
接近した後は疾駆けが強力。性質の異なる派生技で攻撃したり、攻撃すると見せかけて急停止して投げたりできる。派生が多く複雑だが、独自の駆け引きに習熟すれば疾駆けひとつで相手を崩しきれるポテンシャルがある。
画面端の攻めでは細工手裏剣が強力。爆弾を設置する技で、ここから大ダメージのコンボに繋げることができる。いかに設置するか、設置した後の心理戦をいかに制するかがポイントになる。
最大の弱点は牽制の弱さ。飛び道具もなく、リーチの長い技を持たないため、真正面から相手とぶつかるとリーチの差で押しつぶされてしまう。前述の奇襲技を駆使してうまく相手の技を避けて飛び込んでいく必要がある。対空技の性能が低かったり無敵技がSAしかないのも弱点で、全体的に守りが弱い。また技のダメージが低く設定されており、相手を倒すのに手数が必要になる。
総じて相手の意表を突いてガンガン攻め込んでいくキャラ。ひとつひとつの技はどれも弱点があるが、バリエーションがあまりにも多く対処困難。ありとあらゆる技を使って近づき、攻め込み、崩していく。目にも止まらぬ動きで相手を置き去りにしたい人におすすめ。
ブランカ
ストⅡで初登場したアマゾンの野生児。人間です。そして良い奴です。身体を丸くして突進するローリングアタックや、身体から電気を流すエレクトリックサンダーなどのワイルドな必殺技で戦う。強さはシリーズ通してだいたい中堅からやや弱めくらい。
スト6での性能は「バランス型の奇襲キャラ」。サプライズフォワードやローリングアタック、ワイルドハントなどの豊富な奇襲技と、SA2やブランカちゃん人形を絡めた連携によって攻めが強力。タメは必要だが対空技・無敵技として優秀なバーチカルローリングを持ち、低空ODエリアルローリングもあって防御力が高め。弱点は飛び道具を持たず遠距離戦が弱めなこと。
最大の長所は奇襲による高い攻撃力。優秀な前ステップとドライブラッシュと中段攻撃に加え、突進攻撃と接近技で相手を惑わせるローリングアタックに、出は遅いがリーチの長い投げ技のワイルドハント、相手の裏に回ってガード方向を狂わせるサプライズフォワードなど、多種多様な攻撃手段で相手のガードを崩しにいける。いずれも対策は存在するものの、これだけ数が多いと対応しきるのは難しい。じっとガードを固める相手に対して、これらの攻めで自分から仕掛けていけるのがブランカの強み。
「ブランカちゃん爆弾」という人形を設置する技がある。起動すると自動で相手を攻撃してくれる置物で、置ければ自分と人形での波状攻撃による強烈な攻めを仕掛けることができる。どうやって置きどんな連携を仕掛けるか、調べて練習する手間は必要だが強力な攻めの武器になりうる。
SA2のライトニングビーストが極めて強力。ローリングアタックから様々なタイミングや方向へ派生技を繰り出すことができるようになる。接近手段として攻めの起点にしたり、裏に回ってガードを崩したり、高火力のコンボを狙ったりと、使い方は難しいが高いポテンシャルを秘めている。
無敵技のODローリングアタックと、相手の投げにカウンターを取れるODエリアルローリングが守りで強力。攻めキャラながら守りも硬いのがブランカの長所のひとつ。またしゃがみ中パンチが牽制技として強力で、奇襲を仕掛けるだけでなく正面からの殴り合いもある程度戦える。
総じて弱点の少ない攻めキャラ。豊富な攻撃手段で相手に攻め込んでいくのが基本だが、意外とバランスの良い性能をしており、スタンダードキャラほどではないがいろんな場面を困らず戦っていける。攻めるのが好きだけどあんまり尖りすぎたキャラは嫌かも、という人におすすめ。
ベガ
ストⅡのラスボスとして登場した古参キャラ。伝統的に突進技のダブルニープレスとサイコクラッシャー、空中から攻撃するヘッドプレスとデビルリバースが特徴。悪の組織シャドルーの総帥で、前作ストⅤのストーリーでようやく死んだはずだったが、記憶を失っただけで生き延びており今作にも参戦できた。
今作での性能は「攻撃特化の準スタンダードキャラ」。無敵技と対空が弱めな弱点はあるが、機動力や通常技の性能は良好で、比較的癖が少なく動かしやすい部類。長所としては攻めが極めて強力で、素早い前ステップとドライブラッシュに中段も持つほか、サイコマインの駆け引きに奇襲技のシャドウライズもある。
ベガといえば何と言ってもシャドウライズ。相手の技の届かない上空から攻め込む技で、派生技のデビルリバースやODヘッドプレスでガードを崩すことができる。出るのが遅いので対策もあるが、派生技を使い分けたりタイミングを散らすことで独自の駆け引きに持ち込める。シンプルに優秀な前ステップとドライブラッシュも合わせて、待っている相手を容易に崩せるのはベガの強み。
今作からの新技であるサイコマインで相手に時限爆弾を付与することができる。時間が経つと自動で爆発するほか、爆発前に特定の必殺技を当てると誘爆して大ダメージを狙える。特にODサイコクラッシャーで誘爆させるとダメージが大きく、全キャラ中でも屈指の火力を叩き出す。爆発に合わせて中下段の択を仕掛けるなど、マイン中の圧倒的に有利な駆け引きはベガ使いのお楽しみの時間でもある。ここでどれだけダメージを取れるかが重要なキャラ。
対空技の弱さは明確な弱点で、相手のジャンプ攻撃に苦しめられることも多い。無敵技がないのも受けの難しさに繋がっている。高難度だが高威力の対空技であるジャンプ中パンチや、共通システムのパリィやドライブリバーサルも上手く使い、守りの弱さをどれだけカバーできるかはベガ使いの課題のひとつ。
牽制技は一癖あるがいずれも強力。ダブルニープレスは垂直ジャンプに弱いものの、リーチも威力も規格外で相手の技にも勝ちやすい。立ち大パンチは上級者には見てからジャストパリィを取られる可能性があるが、牽制技でありながらガードさせると攻めの起点にもなるという唯一無二の性能。攻めだけでなく地上戦での高い制圧力もあるのがベガの魅力。
総じて扱いやすい攻めキャラ。守りは弱いが攻めも牽制も強力。挙動も素直で使いやすいし、攻め方もわかりやすい。どんどん攻め込んでいきたい人におすすめ。
JP
スト6からの新キャラ。発売当初はぶっちぎりの最強キャラで、多くのプレイヤーの持ちキャラとして愛され、多くのプレイヤーの宿敵として憎まれる一年を過ごしてきた。今は弱体化されてほどほどの強さになったが、その初心者キラーな性質から今でも一部のプレイヤーには目の敵にされている。
その性能は「遠距離からの襲撃者」。普通、遠距離キャラといえば優秀な牽制で守りながら逃げ、それを近距離の攻めキャラが追って崩すという構図が多いが、JPは遠距離からいきなり相手を攻め崩すことができる。素早いドライブラッシュや中段攻撃に加え、なぜか飛び道具でありながら中下段属性を持つトリグラフ、時間差で作動する罠を設置して自身との波状攻撃を仕掛けたり頭上にワープして攻め込めるヴィーハト、遠距離投げのアブニマーチ、そしてガード困難な連続攻撃を仕掛けられるSA2ラヴーシュカなど、攻め手段には事欠かない。その圧倒的で一方的な攻撃性能の代償として、対空技の性能は悪く、無敵技もSAしかなく、ステップも移動速度も遅いしまともな牽制合戦での殴り合いも弱め、と弱点は山ほどある。
JPの伸びしろは攻めにある。多種多様な必殺技の数々は使い方や組み合わせ次第でどんどん脅威を増していく。守りは脆いのでどうしたって相手の攻めを防ぎきることはできないが、自分のターンでどれだけダメージを取れるかがJP使いの腕の見せ所になる。
JPの特徴といえば遠距離からのシューティングである。距離が遠いほど効果的になる飛び道具のトリグラフとトルバラン、そして強力な設置技であるヴィーハトを駆使すれば、安全な遠距離から一方的に攻撃できる。強さを発揮するには飛び道具の使い分けを考えたり、ヴィーハトを設置する隙をどう補うか、抜け出そうとする相手をいかに釘付けにするかなど、JP固有の技術が必要になる。難しいものの、うまくハマれば他キャラにはない愉悦を味わえる。
連携やコンボの多彩さもJPの奥深さのひとつ。設置技のヴィーハトと、自動で連続攻撃してくれるSA2のラヴーシュカは、本体との組み合わせ次第で無限の可能性がある。これでいかに防ぎづらい攻めを仕掛けるか、どんなコンボができるかと調べて考える面白さもある。
半面、弱い場面はどうしようもなく弱い。一度ピンチに陥るとプレイヤーの地力で頑張って耐えねばならなかったり、不意打ちや博打のようなものを通さなければ打開できない場面も多い。唯一ODアムネジアでの守りはそれなりに強力で、リスクはあるものの発動後の連携次第では戦況を一変させられる可能性がある。
総じて、攻めを投げつけまくる遠距離キャラクター。小回りが利かない弱点と、相手次第で攻めを対策される恐れもあるが、型に嵌まれば相手にターンを渡さず崩し続けられる面白さがある。離れて安全に戦いたい、でも待つのは嫌で攻め込みたい、というわがままな人におすすめ。
マノン
スト6からの新キャラ。ザンギエフに並ぶ強力な投げ必殺技が特徴。過去作ではデカい投げキャラと言えばアビゲイルやヒューゴーなどゴツい男キャラが通例だったが、今作ではスーパーモデルにしてバレエを嗜む女性柔道家がこの枠に。
性能は一言で言うと「動ける投げキャラ」。投げ必殺技のマネージュ・ドレによる破壊的な近距離戦の強さを持ちながら、前ステップと歩きによる十分な機動力も兼ね備えている。デガジェやアン・オーによる中下段攻撃も強力。弱点としては対空技や無敵技の性能がやや低めで、ドライブラッシュが遅い。
近距離戦が得意なキャラは機動力が極端に低く設定されているのが普通だが、マノンは強力なコマ投げを持ちながらも前ステップと歩きの速度がほぼ平均値で、かなり動けるのが強み。特に前ステップからのコマ投げが強力で、見てから反応される恐れはあるものの、相手の虚を突けばどこからでも大ダメージを狙える。この勝負手をどこで切るかの勝負勘が大事になる。
遠距離必殺技のデガジェも強力。長いリーチで遠距離から中下段攻撃を仕掛けることができ、じっと待っている相手のガードを簡単に崩せる。下段は隙が大きく、中段は出が遅いなどリスクはあるが、前ステコマ投げと合わせていつでも攻めを仕掛けられるのはマノンの魅力。どれも使い所の難しい諸刃の剣だが、対峙する相手のプレッシャーは計り知れない。
独自の要素として「メダル」がある。投げ系の必殺技を当てれば当てるほどメダルが溜まり、威力がどんどん強化されていく。メダル最大時のマネージュ・ドレは爽快感バツグン。これはラウンド間で引き継がれるので、例えばメダルが少ないときにメダルを集めにいくべきか、それとも打撃中心に攻めるべきかなど、メダル枚数によって異なる戦略を考える奥深さがある。
他にはアン・オーという独特な中段技があり、使い方次第で攻めのバリエーションのひとつになる。近距離では通常技の性能も良く、特に立ち中パンチが優秀。対空技はやや性能が低めだが、ODロン・ポワンをうまく当てられれば大ダメージを狙える。またODランヴェルセが相手の飛び道具をすり抜けるようになっているなど、難しいが上手く使えば強力な技をいくつか持っており、やり込み甲斐もある。
総じていつでも引き金を引けるパワーキャラ。ハイリスクハイリターンな勝負手を、相手の意識の隙間を突いて通して勝つ。防御面や牽制が弱めなこともあり安定感とは縁遠いが、もしスリリングでエキサイティングなゲームを楽しみたいなら、マノンは決して君を退屈させやしない。
ディージェイ
ストⅡシリーズからいる古参キャラ。前作ストⅤにはいなかったが、見た目も性能も一新して久しぶりに登場した。旧作ではちょっと地味だったけど今作はモーションがノリノリでかっこよくて好き。
スト6での性能は「走り回る牽制キャラ」。飛び道具のエアスラッシャーと牽制技のクイックローリングソバットが優秀で、相手の技を避けるジョスクールもあり地上戦がかなり強い。さらにジャンプ攻撃のニーショット、素早い前ステップとドライブラッシュに、フェイントなど相手を攪乱する技を多数持っており、自分から攻め込むのも得意。弱点は対空技と無敵技にやや難がある点と、通常技の性能がやや低い点。
エアスラッシャーは独自の強みを持つ飛び道具。中版を基本として、強版は隙が増えるが弾を二段打ち出すことができ、弱版はフェイントで相手の飛び道具対策を釣り出すことができる。クイックローリングソバットもシンプルなら強力な牽制で、それぞれを使い分けることで地上戦では屈指の制圧力を誇る。前ジャンプやインパクトに弱い点をケアして上手く使っていきたい。
これだけ殴り合いが強いキャラでありながら、相手のガードを崩しに行く奇襲技を豊富に持っているのも強み。全キャラ中最速のドライブラッシュに、優秀な前ステップ、素早く飛び込めるニーショットのほか、フェークローリングソバットなどの「攻撃すると見せかけて接近する」というフェイント系の移動技を複数持っている。それぞれ対処法はあるものの、相手の意表を突いて使えば強力な崩し手段になりうる。
ジョスクールという特殊な構え技を持っている。一歩下がったのち、派生技で下段蹴り、中段蹴り、上段蹴り、移動技を出すことができる。差し合いで混ぜると下段派生で相手の技にカウンターを取ることができたり、近距離の連携に混ぜると中段派生でガードを崩すことができるなど、一味違った面白さがある。
弱点は対空技・無敵技のジャックナイフマキシマムを出すのに下タメが必要な点。タメさえあれば優秀な技なのである程度守りも硬いが、タメがないと通常技対空は貧弱で、無敵技はSA2、SA3しかない。通常技の性能もやや悪めで歩き速度もやや遅い。タメの管理や小回りの悪さをいかにカバーするかはディージェイ使いの課題になる。
総じて先手を取って場を制していくキャラクター。守りがやや薄く、相手の動きに後から対応するのは苦手なものの、強力な牽制技と攻め能力で自分の試合を作っていく。技のバリエーション自体は多く、遠距離から近距離まで強い技を振り回して幅広く戦える。じっと待ってられない人におすすめ。
◆近距離パワーキャラ/遠距離職人キャラ - Control
A.K.I.
スト6からの新キャラ。前作ストⅤにいたF.A.N.G(ファン)という中国毒使いの弟子。蛇モチーフの毒使いで、蛇腹剣のような鞭で戦う色白の少女、と属性がかなり多い。
性能は「テクニカルな遠距離キャラ」。とにかく技数が多い。リーチの長い蛇頭鞭(弱)と紫煙砲による中遠距離戦の強さを持ちつつ、素早いドライブラッシュに中段もあり攻めもこなせる。相手を毒状態にする技や構え技の悪鬼蛇行など、他に類のない特殊な技が多い。弱点は対空がやや難しい点と、無敵技に乏しい点。
基本的には遠距離キャラ。リーチが長い蛇頭鞭(弱)はゲーム中でも屈指の地上牽制技。威力はそれなりだが、出が早いため対処困難で、どんな相手にも通用する安定感がある。飛び道具の紫煙放は波動拳などと比べると隙が大きいが、弾速が遅く盾のように使えるのが特徴。蛇頭鞭で牽制しつつ、距離を取れたら紫煙砲からドライブラッシュで攻める、というテンプレートな攻めで自分の試合を作りやすい。
また、上空から飛び込む必殺技の強襲突や、相手の飛び道具をすり抜けて攻撃できる猛毒牙を持つ。遠距離から攻撃できるだけでなく、相手の遠距離攻撃を対策できるのもA.K.I.の強み。
一部の技は相手に当てると「毒」を付与することができる。そのままじわじわと体力が消耗するのを待っても良いが、毒状態では一部の技が「毒破裂」を引き起こすようになり専用のコンボを狙うことができる。この毒破裂を絡めた大ダメージコンボはA.K.I.の魅力のひとつ。どのコンボルートにするのか、ドライブゲージをどう使うのか、考えることや練習することは多いが、練習すればするほど火力がどんどん伸びていく面白さがある。
対空技の蛇頭鞭(強)は出が遅く、素早い反応が要求される。無敵技もSAしかないが、移動技のOD蛇軽功をうまく使えば画面端から脱出することも可能。守りの弱さはA.K.I.の弱点なので、プレイヤーの努力でうまく補っていく必要がある。
総じてコンボが楽しい遠距離キャラ。遠距離戦での強さを軸に、独特な技の数々を駆使して戦う。考えることや覚えることが多くて始めるのは大変だが、長く続けて飽きない奥深さがある。練習するのが好きな人におすすめ。
リリー
スト6からの新キャラ。実はストⅡシリーズからいる「サンダー・ホーク」というデカい男キャラと同じ一族の出身で、使う技もかなり似ている。outfit3がものすごく可愛い。
性能は「マイペースな投げキャラ」。近距離戦で強力なコマンド投げ「メキシカンタイフーン」と、無理やり自分のターンを作れる強力な突進技「コンドルスパイア」を併せ持つ。近づくと強いのに、近づくのが簡単であるという長所はあまりにシンプル。対空技も優秀。ただし無敵技の性能は低く、歩きもラッシュもステップも遅く、通常技の性能もやや低いなど、全体的に小回りが利かない弱点もある。
リリーの特徴に、独自のリソース「風纏い」がある。必殺技「コンドルウインド」を使用することで風がひとつ溜まり、各種必殺技が一度だけ強化される。相手の隙を付いていかに風を溜めるかが重要。コンドルウインドは隙が大きいので後出しで妨害されやすいが、弱版や中版をうまく使い分けることで相手の妨害に逆に反撃できる可能性もある。風溜めをめぐる駆け引きはリリー使いの腕の見せ所のひとつ。
メキシカンタイフーンというコマ投げを持っている。コマ投げ(コマンド投げの略で、投げ系の必殺技のこと)は通常投げより威力が高く、リーチも広く、投げ抜けもされないという強力な特性を持っており、そのおかげで近距離での攻撃力が高い。避けられると隙が大きいという弱点もあるハイリスクハイリターンな博打技なので、活かすにはコマ投げをどこで撃つかの心理戦の強さが問われる。
風が溜まれば各種必殺技が強化されるが、特にコンドルスパイアが強力で、強引に自分のターンを作ることができる。突進技なので遠距離からいきなり攻撃できるし、ガードされてもそのまま攻め続けることができる。特に超高速のOD版の風纏いコンドルスパイアはほとんど対策不能。風を溜めて、スパイアで近づき、タイフーンを絡めて攻める、というシンプルな戦略の押し付けで相手の体力を減らしていけるのがリリーの魅力。
それ以外の選択肢はやや弱めで全体的に動きの幅が狭い。細かく不自由を感じる場面はあり、少ないパーツでやりくりする工夫が必要になる。
総じて、自分の試合を作りやすい攻めキャラ。ある程度型に嵌まった動きで、相手を問わず同じ戦略で戦える。やることがわかりやすいキャラが良いという人におすすめ。少ない知識と技術で戦えるので初心者に勧められがちだが、細部まで極めれば上級者帯でも戦えるポテンシャルがある。
ザンギエフ
ストⅡからの元祖パワーキャラ。伝統的にコマ投げの「スクリューパイルドライバー」のおかげで接近戦が強いが、足が遅いので相手に近づくのに苦労する。だいたい弱キャラ、良くて中堅くらいだが、初心者キラーな性能だったり試合が大味になりがちなので大抵のプレイヤーにちょっと嫌われている。好きな人はとことん好きで、ザンギ使いはどのシリーズでもザンギを使うイメージがある。
スト6での性能は「投げ主体の鈍足パワーキャラ」。ゲーム中最強の投げであるスクリューパイルドライバーが最大の長所で、これのおかげで近距離戦ではぶっちぎりで最強キャラ。おまけに中距離牽制も優秀。ただしその大きな長所の代償として数多くの弱点を抱えている。歩きもラッシュもステップも最遅クラスで機動力がなく、対空が弱く無敵技もSA2・SA3しかなく、飛び道具もない。
投げ必殺技、いわゆるコマ投げを持っているキャラは他にもいるが、ザンギのスクリューはゲーム中最強のコマ投げ。リーチが長く出が早く、威力も最大。これにより近距離戦では圧倒的な制圧力を持つ。ただし読まれて回避されたときのリスクは大きいので、その破壊力を活かしきるには相手の動きを読みきる心理戦の強さが求められる。
接近戦では強いものの、そこに至るまでが難しい。遅い歩きとステップに性能の悪いドライブラッシュ、それと特殊技のニーバットくらいしか接近手段がなく、自分から攻め込むのはかなり苦手。基本的には相手の攻めを受ける展開になりがち。なのに対空技の性能が悪く、無敵技にも乏しいなど防御が弱め。相手の攻めを自力で受け止める技術力がプレイヤーには求められる。一応体力が他キャラの1.1倍ある(通常10000、ザンギ11000)ので打たれ強い、という長所はある。また中距離牽制は優秀で、立ち大パンチ、立ち中パンチ、立ち中キックなどを上手く使えば相手の攻めに応戦していける。
また、一部の蹴り技にカウンターが取れるツンドラストームや、下段技を避けながら攻撃するサイクロンニールキック、空中の相手を掴むボルシチダイナマイトとエリアルロシアンスラムなど、用途は狭いが大ダメージを狙える技を複数持っている。運用は難しく使い手のセンスが問われるが、相手の動きを読めさえすれば一発逆転を狙えるのはザンギならではの魅力。
総じて不器用なパワーキャラ。誤魔化しはない、絡め手もない、ただ頑張って近づいて、近づけたらものすごく強いというキャラ。相手のペースになりやすい難しさはあるが、我慢強い人、心理戦に自信がある人、一発の破壊力に魅力を感じる人におすすめ。
マリーザ
スト6からの新キャラ。髪型はギリシャの兜がモチーフらしい。こんな見た目だけどジュエリーデザイナーの女の子。技のエフェクトにハートマークが出たり、使い手からは「マリちゃん」とか呼ばれたりして案外かわいい。
性能は「打撃主体の鈍足パワーキャラ」。グラディウスやワンツー系のターゲットコンボなど打撃全般がシンプルに強力で、近距離戦を容易に制圧できる。中距離戦も豊富な突進技である程度戦える。弱点としては対空と無敵技が弱いので守りが薄く、歩きやステップが遅く下段も弱いため相手のガードを投げに行きづらい。
マリーザの地上戦といえばグラディウス。大ダメージの打撃技で、ガードされても隙がないし相手の技にもだいたい一方的に勝つ。間合い内なら最強クラスの地上技。ただ下段技には負けるのと、上級者には空ぶった隙を殴られる可能性もあるため、対策してくる相手にはうまく弱点をカバーして使っていく必要がある。
またマリーザは全ての強攻撃に溜め版がある。強攻撃ボタンを長押しして溜めることで、隙は増えるもののリーチが伸びて威力も大きくなり、ガードされてもゲージをごっそり削る。コンボに組み込んで大ダメージを狙ったり、固まる相手に奇襲のように使える可能性がある。使いどころを見極める必要はあるが、マリーザの豪快なパワーを味わえる楽しい要素のひとつ。
コマ投げ(投げ系の必殺技)のエンフォルドを持っている。性能は他キャラのコマ投げほどではないが、打撃の強さと併せて接近戦での高い崩し能力を発揮できる。他のパワーキャラと同じく、わずかな機会を捉えて試合を決め切る読み合いの強さが重要になる。
弱点は対空の弱さと足の遅さ。逃げ回る相手や、地上技を避けて空中から攻めてくる相手に苦しめられることが多い。またガードで丁寧に守る相手にはやや攻めあぐねる。使いこなすには、守りの弱さを補うプレイヤーの防御力と、崩しの乏しさを補い牽制の強さを活かす独自の戦略が求められる。
総じて豪快な打撃で押していくシンプルなキャラ。相手のいろんな選択肢に勝つ強力な牽制で地上を制圧しつつ、細かい弱点を補うように立ち回っていく。特に初心者同士の対戦で強力なキャラなのでおすすめされやすいが、上を目指すにはスト6への深い理解度が求められる。デカいパンチをぶんぶん振り回したい人、接近戦で絶対負けたくない人におすすめ。
ガイル
ストⅡからいる初期キャラ。優秀な遠距離技であるソニックブームで地上を制圧しつつ、飛んでくる相手はサマーソルトキックで落とす、シンプルな立ち回りでシリーズ30年間を戦い続けている。ストⅡ初期は簡単最強キャラで、「待ちガイル禁止」の貼り紙がされているゲーセンもあったらしい。
スト6での性能も「飛び道具特化の待ちキャラ」。タメは必要だが最強の飛び道具であるソニックブームを持ち、設置技のソニックブレイドも併せて中遠距離戦は最強クラス。対空技・無敵技のサマーソルトキックもタメは必要なものの優秀な部類。弱点としては歩きとステップとラッシュが遅めで、サマーのタメがないときの対空技・無敵技が弱い。
何と言ってもソニックブームが最大の長所。スト6はそもそも飛び道具が強いゲームだが、ソニックブームは飛び道具の中でも最高性能。隙が小さく弾速も早い。タメが必要な点と、全ての飛び道具に共通の「ジャンプとインパクトに弱い」という弱点さえカバーできれば、地上戦をソニックひとつで完封できるポテンシャルがある。ソニックをいつどのように撃つか、逆に撃たないのか、いわゆる「弾撃ち」のセンスが勝敗に直結する。なおソニック以外の牽制技もそれなりに優秀。
ソニックが強いぶん相手が飛んで来やすいにも関わらず、対空技には若干の難がある。下タメが必要なサマーソルトキック、出が遅く威力の低いしゃがみ大パンチと立ち中キック、そして難易度の高い空中投げ。状況に応じた対空技の使い分けはガイル使いの腕の見せ所である。
ソニックブレイドという設置技を持ち、これで弾の段数を増やせるため飛び道具の撃ち合いに滅法強い。ここから遅い弾を撃って壁のようにすることで攻めの布石にすることもできる。前ステップやラッシュの性能自体は低めだが、ブレイドを上手く使えば遠距離から自分のターンを作って攻め込むことも可能。中段を持っていることもあり意外と攻める性能もある。
総じて手堅い要塞キャラ。タメによる動きの不自由さをカバーできれば、ソニックで盤面を制圧しつつ、近づかれてもサマーである程度守れる。一発逆転できるような大技はないが、じりじりとリードを広げていくのが好きな人におすすめ。
エドモンド本田
ストⅡからの初期キャラ。古くから「スーパー頭突き」と「百貫落とし」で宙を舞うスモウレスラー。シリーズ通して初心者キラーな性能が特徴で、プロの間では誰も使わない弱キャラなのに一般プレイヤーの間ではずっと目の敵にされている。
スト6でも「上級者への登竜門」として全プレイヤ―の前に立ちはだかる。スーパー頭突きと百貫落としがとにかく強力で、対策もあるがこの二つを適当に出しているだけでめちゃくちゃ強い。全キャラ中ぶっちぎりで一番簡単に勝てるキャラ。ただしそれ以外の点は全部が全部弱いので、頭突きと百貫を対策した上級者の前では一転して最弱クラスのキャラになる。本田に文句を言い始めたらあなたも一人前の格ゲーマーであり、本田に勝てるようになったらあなたも一人前の上級者である。
スーパー頭突きは高速で相手に突っ込んでいく突進技。ダメージが高く相手の技とのぶつかり合いでも勝ちやすく、突進技なので間合いを問わず使えて、ガードさせても隙がない、というゴリ押しできる万能地上技。弱点は飛び道具やインパクトに弱いことと、上手い相手には見てからジャストパリィなどで対策されること。頭突きをガードさせた後の駆け引きが大事で、ガードさせることでゲージを削れるが一瞬相手に攻める隙を与えることにもなる。この隙をいかにカバーするかが重要。
百貫落としは突然離陸して上空へすっ飛んでいきタライ落としのようにケツから相手に舞い降りる技。これも幅広い間合いで使うことができ、しかも空中からなので相手の技を避けながら攻撃できる。飛び道具やインパクトも含め百貫は相手のほぼ全ての行動に勝つ。ただ相手に当たるまでがさらに遅いので、見てからジャストパリィなどで対策される危険性はさらに増している。
頭突きと百貫だけでなく、一応ODスーパー頭突きとSA2での飛び道具対策ができたり、近距離の攻めでのコマ投げを持っていたり、垂直ジャンプからの大パンチで間合いを調節できたり、「肩屋入り」で気合を入れることで強力なコンボを狙ったりと、細かい面白みも随所にある。
それ以外の基本性能は極めて劣悪。機動力は低いし、通常技の性能は悪いし、ガードを崩す攻め手段もあまり持たない。とにかく頭突きと百貫が当たってくれることを祈りつつ、横から上から相手にぶつかっていくでごわす。
総じて最初は楽して勝てるキャラ。ゴリ押しの極み。初狩りと言うにはあまりにも幅広いプレイヤーを容易に屠ることができる。細かいことを何も考えたくない人、このゲームを真面目に練習する気がなくて今日楽しく勝てればよいという人、友達をなくしてもよいという人におすすめ。
ダルシム
ストⅡからいる初期キャラのひとりにして、ストリートファイターシリーズで最も不可解な存在。こんな変なキャラは他にはいない。手足が伸びる超遠距離キャラで、その代替不可能な個性の強さから、ダルシム使いはどのシリーズでもダルシムを使い通すことが多い。「日本三大ダルシム」と呼ばれる名物プレイヤーみたいな人たちもいる。
スト6での性能は「異色の遠距離特化キャラ」。伸びる手足による全キャラ中最長のリーチを持ち、飛び道具も三種類あり、相手の飛び道具を対策する手段も豊富で遠距離戦は最強クラス。ヨガフロートや空中ヨガテレポートなどによる空中での変則的な機動力も強み。弱点は足の遅さと全般的な守りの脆さ。また挙動が特殊すぎて動かすだけでも一苦労する。
最大の長所はやはり長いリーチと豊富な飛び道具。性質の異なる多種多様な遠距離攻撃を使い分けることで、遠距離キャラ同士での撃ち合いで一方的に優位を取れる。遠距離キャラの頂点。これによって対近距離キャラはもちろんのこと、本来遠距離が強いはずのキャラ相手でも「攻めさせて、動いたところを捌く」という立ち回りができる。
実は空中戦が強い。ジャンプはかなり遅いものの、空中浮遊してその場に留まるヨガフロートが強力。相手のほとんどの技が届かない場所に留まりつつ、空中から手足を伸ばしたりヨガコメットを撃って一方的に攻撃することができる。他にもドリルキックやヨガテレポートが空中からの奇襲のように機能する。どれも独特な操作と知識が必要だが、使いこなせば意外と空中機動力があるキャラに化ける可能性がある。
弱点は山ほどあるが、何と言っても守りが弱い。特に対空技の出の遅さが苦しい。牽制が強いキャラだから相手はジャンプを仕掛けてくるのに、そのジャンプを落とすのにかなり苦労する。対空をどこまで頑張れるかはダルシム使いの腕の見せ所。また無敵技も通常技も性能が悪く、バックステップやジャンプでも逃げづらいため、攻め込まれると一気に崩されがち。寄られたときにいかに被害を最小限に抑え、いかに脱出するか、少ない手札でやりくりするプレイヤー自身の防御力が重要になる。
全体的に、技の種類は多いがどれも用途が限られており、どの技をどこで使うかをあらかじめ考えておくことが重要になる。アドリブや読みよりも事前に練った戦略で戦うキャラクター。あまりに特殊なキャラなので、初心者にはおすすめしないどころか使おうとしていたら一旦引き留めるレベル。それでも興味のある人は挑戦してみて構わない、ハマったら他では味わえない面白さがある。考えることが好きな人、変わり者になりたい人、過去作でダルシムを使っていた人におすすめ。