Slackワークフローとスプレッドシートを連携して開発工数の内訳を簡単に可視化

こんにちは!ファインディでFindy Team+開発チームのEMをしている浜田です。

Findy Team+開発チームでは、Slackワークフローとスプレッドシートを連携して開発工数の内訳を可視化しています。 開発工数の内訳を可視化することで、どの開発にどれくらい工数がかかったかや全体の工数のうちどれくらいの割合を開発に使えているかなどを定量的に把握できます。

Slackワークフローとスプレッドシートの説明

ここからはTeam+開発チームで実際に使っているSlackワークフローとスプレッドシートをキャプチャを交えつつ説明します。 Slackワークフローで入力した内容がスプレッドシートに連携されるので、スプレッドシートで集計して表やグラフに加工しています。

Slackワークフロー

開発メンバーの稼動終了時にSlackワークフローを使って日報を提出してもらっています。 日報としての役割を兼ねているため工数の可視化と直接関係ない項目も含んでいます。

Slackワークフロー

午前のタスク / 午後のタスク

その日に取り組んだタスクを午前・午後で1つずつ選択します。 自由記述の場合、選択肢が人によってブレるので選択式にしています。

選択肢は、改善開発 / トイル / 休暇 / 開発以外の4項目は固定で、現在進行中の施策開発ごとに選択肢を追加しています。

タスクリスト

細かく分ければ工数の精度は上がりますが、入力の手間を考慮して0.5人日精度にしています。 全体の傾向を把握するだけであればこの精度で十分だと感じています。

トイル時間

アラート、問い合わせ、セキュリティチェックなど、Team+プロダクトに関係する運用作業に使った合計時間(0.5h単位)を入力。

※トイルとは、SRE サイトリライアビリティエンジニアリングで紹介されており、次のように定義されています。 Findy Team+の開発チームでは、繰り返し発生し、かつ手動で実施しなければいけないタスクとして主にアラートや問い合わせ、セキュリティチェックなどの作業が顕在化しているため、それらの時間をトイル時間として計測しています。

トイルとは、プロダクションサービスを動作させることに関係する作業で、手作業で繰り返し行われ、自動化することが可能であり、戦術的で長期的な価値を持たず、作業量がサービスの成長に比例するといった傾向を持つものです。

やったこと / 次やること / 所感

その日にやったことや翌営業日にやること、所感を自由記述。 こちらは日報としての役割のための項目です。

今日の調子

その日の調子を5段階で選択。 調子の推移を可視化したら面白そうと思って項目を追加したが、あまり活用できていない😭

担当イシューは見積もり通りに完了しそう?

イシューの進捗を3段階(まかせろ/多分そう/ダメそう)で選択。 自身のタスク現状を考えるきっかけにちょうど良い項目だと感じています。 「ダメそう」の場合は、即相談を推奨しています!

工数の内訳と割合

Slackワークフローの「午前のタスク」「午後のタスク」のデータをもとにタスクごとの工数を集計しています。 午前と午後で入力しているので、工数の精度は0.5人日です。 黒塗りのところは実際の施策開発の名称が入っているのでマスクしています🙏

工数の内訳

タスクを「施策開発」「改善開発」「トイル」「開発以外」に分類して、それぞれの工数の割合をグラフ化しています。

工数の割合

開発以外の作業やトイル対応が多い場合、「トイル」や「開発以外」の割合が大きくなります。 今までの傾向から施策開発と改善で7割を超えていたら開発に集中できていると判断しています。 トイルや開発以外のタスクが定常的に多い場合、開発に集中できるように早急に原因を取り除く必要があるとわかります。

また、開発の割合が多かったとしても「改善開発」の割合が多い場合は注意が必要です。 この場合、着手可能な施策開発がなく改善開発ばかりを実施している可能性があり健全とは言えません。施策開発に着手できていない原因を探り対策する必要があるとわかります。

トイル

Slackワークフローの「トイル」のデータをもとにトイル対応した時間を集計しています。 トイル時間が定常的に多い場合、開発に使える時間が少なくなることを意味するので早急に対処する必要があります。

トイル

トイルに使った工数の割合をグラフ化しています。今までの傾向から5%未満で推移していたら健全と判断しています。

トイルの割合

Slackワークフロー作成手順

Slackワークフローの設定方法を説明します。*1

ワークフローを作成するために、サイドメニューから「その他」>「自動化」を選択します。

Slackワークフロー作成手順1

自動化の画面から「新しいワークフローを構築する」を選択します。

Slackワークフロー作成手順2

ワークフローを開始するイベントを選択します。 今回は任意のタイミングで起動したいので「Slack内のリンクから開始します」を選択します。

こちらを選択することで、発行されたリンクを実行したり、Slackのスラッシュコマンドから実行できるワークフローが作成できます。

Slackワークフロー作成手順3

1つ目のステップでは、日報の内容をフォームで収集するため「情報をフォームで収集する」を選択します。 ステップから見つからない場合は、検索ボックスからキーワードを入力して探すこともできます。

Slackワークフロー作成手順4

フォームのタイトルや項目を設定する画面が開くので収集したい項目を設定します。 入力形式はフリーテキストだけではなく、ドロップダウンやカレンダーから選択など様々な方法が準備されているので適したものを選択しましょう。

Slackワークフロー作成手順5

フォームで入力した内容をスプレッドシートに連携したいため、2つ目のステップでは「スプレッドシートに追加する」を選択します。

Slackワークフロー作成手順6

連携するスプレッドシートは1つ目のステップで作成したフォームを基に生成できます。利用者のユースケースが的確に捉えられており、とても良いUXですよね!

Slackワークフロー作成手順7

フォームの項目とスプレッドシートの列を紐づけます。

Slackワークフロー作成手順8

入力した内容をSlackチャンネルにも投稿したいため、最後のステップでは「チャンネルへメッセージを送信する」を選択します。

Slackワークフロー作成手順9

Slackチャンネルへ通知するメッセージのテンプレートを作成します。

Slackワークフロー作成手順10

作成できたら公開します。公開すると実行するためのURLが発行されます🎉

Slackワークフロー作成手順11

Slackワークフローを実行すると、次のように連携したスプレッドシートにデータが1行追加されます。 スプレッドシートにデータが溜まりさえすれば、スプシ芸(?)を活用して様々な切り口でデータ分析できますね! ガンガン活用していきましょう💪

Slackワークフロー作成手順12

まとめ

この記事では、Slackワークフローとスプレッドシートを連携して開発工数の内訳を可視化する方法を紹介しました。

前半に書きましたが、工数の可視化は入力の手間と精度のバランスが大事だと思います。 必要最低限の精度で手間なく可視化できるように工夫しつつ、開発工数やトイル時間を把握して開発組織が健全に開発を推進できている状態にしていきましょう!


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*1:こちらは2025年1月時点の情報です。Slackのバージョンアップ等で変更される可能性があります。