〜 ハリセンボンのおびれ 〜

生活と愉しみ そして回想・朽木鴻次郎

「自分らしく」の意味は?

高校時代、大相撲の取組後のインタビューで勝ったおすもうさんの言葉に妙に引っかかりました。

それは「自分の相撲が取れたました!ハアハア...!」という一言。よく聞きますよね。他のスポーツでもそうです。「あのチームは自分たちの野球をすれば良いんですよ」とかね。


当時、「自分の相撲とは何なのだろう?」と考えたんですが、つまりこれは「自分の得意な形で勝負を決めること」や「自分の得意技で勝つこと」を意味していたのだろうとわかりました。

ぼくってすごいでしょ?キラキラ!

最近、「自分らしさ」や「私らしさ」という言葉を耳にする機会が増えました。やりたいことをやり、欲しいものを手に入れることが「自分らしさ」として語られいます。

 

自分らしくあることにガマンしない!

ようするにガマンとか嫌なことはしないで、すきなものを買え、お金を使え、ということです。本当は全ての望みを叶えることは難しいのにね。なんでも買っちゃう自分、みんながすごいって言う自分。それが自分らしい自分。

他者から認められたいという気持ちについては、それ自体をぼくは否定するものではありません。共同体の中で生きていくには、他者から認められることはとても大事なことだと思いますし、それを発信することも必要な場合があります。ただ、「私はこんなにすごい」と直接的に表現する方法が、最善のやり方とは限らないかもしれません。むしろ、少し工夫を凝らすことで、もっと伝わりやすくなることもあるでしょう。要は頭を使えよ、ということ。

「自分らしさ」「自分らしく」という言葉は、実は「もっと物を買え」「好きなように生きろ」「好きなようにお金を使え」と、言い換えれば「俺に金を払ってくれ」「私のこれにお金を出して使ってくれ」といったマーケティングの罠でしょう。

本当に必要ではないものを、必要なもののように飾り立てて売り付けようとすること、要はそれがマーケティング。市場(=購買意欲)を作ることがマーケティングなのでしょう。

そんな言葉は聞かないぞ、と。

自分らしく、自分の意見を、自分が自分のブログ述べてみました。

 

©️朽木鴻次郎 プロダクション黄朽葉

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