CEATEC 2009 テレビ関係編

今年もCEATEC に行ってきました。

今年は出展者は減っていましたが、逆に来場者は多かったように見えました。

CEATECは従来からテレビ、ビデオ関係の展示が引っ張ってきています。2002年頃は次期記録メディア戦争(BluRay vs HDDVD)、2004年頃は薄型ディスプレイ戦争(プラズマvs液晶、 SED) なんていうのが話題で、パナソニック、ソニー、日立、東芝、シャープなどがガチ競争を続けています。去年は一段落しておとなしかったですが、今年はまたテレビ関連での新たな戦争が勃発。

すでに話題になっていますが、今年のトピックは「3D映像」。

アメリカなどでは去年辺りから特に子供向けの映画で3D化が進んで来ていてます。 日本でも109シネマズなどでは3D化のスクリーンができているしな。
一足先に映画館での3D化がすでに始まっていて、家庭のテレビの3D化も期待できるから、デファクトスタンダードを取ろうという競争が始まっています。

今回の参入者は、 ソニー、パナソニック、日立、東芝、三菱、シャープ。


ソニー

ブラビアの3D版と研究開発中のシステムの2つを展示

ブラビアの3Dは偏光フィルタ方式。立体が協調されすぎにも思えたが、きれいに3Dとして見えた。
研究開発中の「単眼レンズハイフレームレート3Dカメラ」。まだまだ研究開発レベルだが、こちらは他の3Dテレビとは一線を画したリアルな3D映像だ。

他の方式にあるような「飛び出す絵本」のような無理矢理つくった遠近感ではなく自然だ。おまけに240fpsというちらつきがない画像なので、高速で動く被写体もスムーズに見える。 サッカーの試合の3D映像を見たのだが、自然な3Dだ。
他のテレビはまずこの画質、3D感をベストプラクティスとして目指して欲しいな。

パナソニック
液晶シャッター方式の3D。 液晶シャッターということは、1フレーム毎に、右目用、左目用と交互に画面に映し出す方式なので、テレビ側のハード的な改造は不要なのだよな。
その分、メガネに細工がいるけれど。
まあ、飛び出して見えた。

シャープ
偏光フィルタ方式。 撮影禁止のため写真無し。
これもちょっと奥行き感が強調されがちだなあ。

東芝 10:30頃ブースに到着したら、なんと15:40の回まで予約がはけたとのこと。 唖然
CELL REGZA は評判が高かったので見られなかったのは残念

三菱
レーザーテレビは人気が高く、こちらも長蛇の列だったのであきらめ。
去年もレーザーテレビを参考出展していたが、1年でどの程度進化しただろうか。去年の日記を見ると。。。

三菱が「レーザーテレビ」という新方式で参戦。 フラットディスプレイとはいえ、リアプロ方式なんですな。 北米でこの秋から発売されるというもうばりばり商用機なのに、別室でそれも真っ暗な中で展示。おまけにテレビ本体は撮影禁止だとか。何かまだ問題があるのか???
http://mixi.jp/view_diary.pl?id=954319411&owner_id=170739


今年も暗い部屋で展示していたみたいだけど、どの程度進化したのかな。

その他:

日立
今回、3Dは展示していなかったが、その代わり、「超解像技術」の出来がよかった。
超解像技術は、DVDなどのすこしぼやけた画像を、ハイビジョン並みの画質にしようという、不思議な技術。シャノンの標本化定理などの情報理論を少しかじっていると、一見「あり得ない!」と思ってしまうのだが、実際に動いているのをみると、まともな技術だ。

今回は、3Dの試作品発表を除くと、派手な展示は少ない。もう家電量販店で普通に売られていていまさら展示するまでもないのであろう。

3Dの実現方式は、「偏向フィルタ方式」「液晶シャッター方式」などもう何十年も前からある方式なので真新しさはない。 立体感も過剰に協調されていて長くみると疲れそうだし。 まだまだ実用化には課題が多いと思う。 ソニーの実験中の方式には期待している。という状況


その他:

裸眼立体テレビ

NiCT の研究開発展示で「裸眼立体テレビ」が展示されていた。
多数のプロジェクタをアレイ状にして、特殊なスクリーンとに投影すると立体視ができるもの。 画質はまだまだだったけど、裸眼で立体に見えたのは確か。 仕組みは複雑で、自宅に置くことはありえないけど、イベント会場や博物館などでは使える技術だろう。 この記事が詳しいと思う。
http://plusd.itmedia.co.jp/lifestyle/articles/0910/07/news052.html


続く