わさっきhb

大学(教育研究)とか ,親馬鹿とか,和歌山とか,とか,とか.

てふむかつく

TeXで最もむかつくのは,図表の配置が思うようにいかないときです.それはさておき.

コメントして寝間について,起きたら,はてブが100を超えていて,びっくりしました.昨日はここからお越しの方々のおかげで,平日並みのアクセス数になりました.
まとめを読み直してみると,[twitter:@jeonjung]さんの発言内容が,一貫しています.まとめに入っていませんが次のツイートが最も特徴的です.

ただ,この方が離れてからは,WordとTeXをめぐる口汚い論争となっているような.


ここで,WordとTeXに関する個人的な認識を整理しておくことにします.

  • Wordは単一のファイルに本文とそのスタイル,図表・画像を格納して表示する思想なのに対し,TeXでは本文(数式と表を含む)とスタイル,図,画像は別々に管理し,コマンドによって組版する思想を持っています.
  • 論文投稿時には,研究成果や学会などの指示をもとに,WordまたはTeXを選んで整形し,PDFファイルを送付します.
  • Wordで作成された文書に低い評価をする査読者がいることは,裁判における「自由心証主義」あるいは「心証形成」の考え方を査読に適用しているとみなせば,十分に理解できます.

2点,補足を.

  • 別刷り費用の違いは,「学会などの指示」に含まれます.TeX入稿が安く,他の手段が高い場合には,TeXを選ぶことになります.
  • 「心証」をより具体的に書くと,次のようになります.投稿文書がWordで書かれていること自体は,リジェクト(不採録)の理由としません.ですが査読者によっては,リジェクトとなる理由をより多く,探し出そうとする方向に傾きます.

まとめやコメントを読む限り,「TeXの擁護者(Wordの批判者)は最近のWordの機能を知らない/使いこなしていない」という指摘がずいぶんと多いのですが,その指摘は私自身にもあてはまるので,機能面でどちらが優れているかの見解は,差し控えることにします.


とはいうものの,今後も自分はTeX使いの道を進んでいくことにします.
論文執筆を離れたいくつかの文書作成で,TeXを用いるのが効果的な場面があるからです.
一つは,問題作成です.過去問(TeX)や今期の出題(多くはPowerPoint)をもとに,試験問題とプレ試験問題,それらの解答・解説を,少ない労力で見栄え良く作ろうとしたら,もはやTeXが手放せません.
複数教員の科目でも,TeX化を図りました.あるプログラミング科目の課題は,毎回2〜3個のソースファイルを打ち込み,要求通りに動作するまでの時間を測定してから,小問に取り組むという形態です.その課題文について,はじめはTeXとWordのどちらで作成してもよいとしていましたが,何年も実施していきながら,ファイルを整備し,3年目にはTeXに一本化しました.
自分の外ではどうかというと,昨年末にASCII.jp:算数・数学問題の自動生成/共有クラウド「MathPub」が提供開始という記事が出て,MathPubは「LaTeX準拠のTeXコマンドを利用」*1と明記されています.しかしその出題例を見ていると,β版以前の段階とはいえ,まずさが目につき,ここでTeXファイル例*2とともに書きました.
もう一つの有望な用途はというと,日記など,Web上の文書に数式を埋め込むことでしょう.MathMLの存在は知っていますが,とても活用する気になれません.Wordの数式エディタなどで作成してスクリーンショットを切り出し,貼り付けるのでは,再利用性に難があります.
それに対し,はてなダイアリーのTeX記法や,Google Char API,また数式生成機能を持つWebサービス(例えばhttp://www.codecogs.com/latex/eqneditor.php)を活用すれば,意図に即した数式*3が表示されます.また後述のとおり,ソースを見れば,TeXによる数式を得ることができます.
これは,公開された論文の中で主要な数式を記載して貼り付けるという方法を提供しており,再利用性に寄与するものとなります.論文の著者が,コピー・ペーストするのなら,そこに低コストという特性が加わります.


本記事のタイトルは,「TeX」で連想する言葉からです*4.
元ネタはfj.jokesなのですが,探しても出てきません.この記事を書くためにGoogleで調べた際のトップは,最近の日本人は、正しい言葉を選べない人が多すぎる。 - たと... - Yahoo!知恵袋です.
「てふ」も「むかつく」も,goo辞書に載っていまして.「てふ」の最初は「テフ【TeX】米国のドナルド=クヌースが(略)」となっています.
何やかや言っても,文書作成の一形態として,また「マークアップ」という考え方の理解のために,情報系の学生がTeXで文書を作成する経験は,あったほうがいいと思います.それを使いこなすかどうかは,一つは所属研究室の方針,あともう一つは自分が研究者をやっていこうと判断するときに,各自お任せということで.


自分の書いてきた記事で,ソースに数式が埋め込まれている例を2つ,挙げておきます.

<img alt="p(X|Y)=ï¿¥frac{p(Y|X)p(X)}{p(Y)}" src="http://chart.apis.google.com/chart?cht=tx&chl=p%28X|Y%29=\frac{p%28Y|X%29p%28X%29}{p%28Y%29}">
<img src="http://latex.codecogs.com/gif.latex?\bg_black&space;11\frac78" title="11ï¿¥frac78">

*1:https://h022.dynaxt.co.jp/g/manual/ja-JP/PDF/MathPub_Terms_and_conditions.pdf#page=2

*2:TeXはCと同様にソースファイルとして記述すること,そしてその中に,他のスタイルファイルなど,何を必要とするかも記述できる(あるいは,どんなことなら他のスタイルファイルなしで記述可能なのかが分かる)ことが,大きなメリットとなります.

*3:ブログの本文に「溶け込んだ」表示かというと,疑問はありますが.

*4:他には,メールというと連想するのは「sendmail=千度滅入る」です.