映画のある世界で

人生に迷った時は映画を…いつも迷ってるかも

映画「僕たちは天使じゃない」感想~刑務所から聖職に~

 

今回は最近再度見た1989年公開の筆者お気に入りの映画を紹介。笑いと感動のバランスと三人の名俳優によるコメディ。ちょっと終盤のシーンネタバレしてます・・・

引用元:https://video.unext.jp/



簡単なあらすじ

 

アメリカの刑務所でコソ泥のネッド(ロバート・デニーロ)とジミー(ショーン・ペン)は騒動に乗じて脱走。カナダ国境を目指すが、脱走犯とバレないため、なりゆきで神父に変装する・・・・

 

ポイント 印象的なジミーの話のシーン

 

「危険な時、ポケットには何もない。希望だけだ。お金を奪われたり、裏切られたりしても、誰も充分な力はない。災難に遭っても。」

 

ジミーは急に多くのキリスト教信者の前で演説することになり、あわてて聖書に挟んだ役に立たない広告を見てこう切り出します。 

 

お前がして演説している場合かって状況。ジミーが続ける。

 

「人間は弱い。もし信仰が慰めになるなら、神を信じなさい。何かを信じたいならそれでいい」笑えるシーンのはずなのに真剣に聞いてしまう不思議。人生をどう乗り越えるか考えるいいシーン。

(ショーン・ペンが演技がやはり上手い)

 

ここからのラストシーンも面白い内容となっている。

 

まとめ

 

設定がまずコメディで、二人の脱走犯が困る様子が面白い。その笑えるシーンと感動するシーンのバランスがいい。レベルの高い作品なのに気軽に観れる点もいい。

 

 

現在(2025年1月)、見放題配信はu-next。レンタルはAmazonプライムなど

人生の希望についてちょっと考えるし、笑える作品。

 

監督  ニール・ジョーダン

制作国 アメリカ

公開年 1989年

時間  107分

出演  ロバート・デ・ニーロ

    ショーン・ペン

    デミ・ムーアなど

映画「窓際のトットちゃん」感想 ~時代の厳しさと自分の生き方~

今回は2023年公開のアニメ映画を紹介。一か月前くらいにNetflixで配信されたので見ました。原作は黒柳徹子のノンフィクション小説。ネタバレ注意を

引用元:https://tottochan-movie.jp/



簡単なあらすじ

1940年、東京の公立学校に入学したトットちゃん(大野りりあな)は、好奇心旺盛な性格から問題を起こし、退学を余儀なくされる。

 

新たに入学した私立の「トモエ学園」は、生徒一人ひとりの個性を尊重し、自由に授業を選べる先進的な教育だった。そこでトットちゃんは、小児麻痺を抱える優しい少年、山本泰明(松野晃士)と友情を深めていく。

 

ポイント①自由な精神の学校と戦時中の時代

 

トモエ学園の生徒が好きな科目から授業を始められるシステムや、校長先生(役所広司)の温かく生徒を包み込む姿勢が本作の魅力の一つとなっている。

規則第一の公立学校とは対照的で、現代でも見習うところがあると思う。

 

一方で、他校の生徒からトモエ学園がバカにされる場面や、トットちゃんの母親の服装が批判されるシーンでは、個性や自由が否定される戦時中の厳しい空気が痛いほど伝わる。(見ててつらい)

 

ポイント➁印象的な雨の日のシーンから怒涛の展開

 

特に雨の日のシーンが印象的だった。お腹を空かせたトットと泰明がご飯を求める歌を歌っていると兵士に叱られる。

泣き出したトットを前に、泰明は水たまりを跳ねながら笑顔で歌のリズムを刻む。その姿には、苦しい状況でも希望を見出そうとする強さが感じられ、胸を打つ。

 

そこからのラスト20分は、怒涛の展開が続き、ちょっと泣きました。(二回目ラスト見て、二回目も涙出たんで、だいぶ心にきたと思う)

 

まとめ

 

どんな逆境でも、自分の魂を失わない尊さを教えてくれる本作。筆者が今年一番よかったと思った作品。(まだ1月だけど)

二人のような生き方をしていきたいと思う、人生の一作になる映画だった。

あと、声優が役所広司、小栗旬、杏など実力派俳優が揃っていることもポイント。

 

現在、見放題配信はNetflix。レンタルは他にも。どんなに遠くに行っても必ず戻ってくる・・・泣


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監督  八鍬新之助

制作年 2023年

制作国 日本

時間  114分

出演  大野りりあな など

映画感想「能登の花」

~惨劇の中での一息。どのような状況でも笑顔は生まれる~

2024年公開の能登半島地震に関してのドキュメンタリー映画を紹介。

引用元:https://video.unext.jp/



簡単なあらすじ

 

イタリア人写真家のトマゾと友人の映画監督が、能登半島地震後の被災地で活動するボランティアチームを記録したドキュメンタリー映画。地震から3か月後、ボランティアチームであるアドリアーナたちは、被災者のためにイタリア料理を振る舞い、トマゾたちはその活動に密着。準備段階から現地での活動、彼らが見た被災地の状況、そして活動を通しての地域住民との交流が描かれる。

 


ポイント 人生で築いてきたものが崩壊するということ

 

活動も終盤に差し掛かる中、トマゾは瓦礫の山と化した街並みを車の中から見ながらなんとも言えない表情で言う。

「この体験を一生忘れることはないだろう」と彼の人生観は少しこの活動で変わったのかもしれない。

「自分かどんなに恵まれているかわかった。全てを失うことが怖い。全てなくなり一人になることが」とさらに言う。

自然のあまりにも大きな存在に人生の無常さを思ったのだろうか。一瞬で全てを奪っていく無慈悲な力に。

それでも映画では住民の必死に生活する姿や、イタリア料理を貰っての笑顔が映し出される。こんな状況でも未来に向かう姿は凄いとしか言いようがない。


まとめ

 

映画は悲惨な状態の能登を映すが、住民の顔は再び立ち上がろうとする力を感じさせる。被災地の記録映画なのにポジティブな気持ちにさせてくれる。30分の短編映画だが、内容は濃密で完成度は高い。

 


一年経った今、被害を忘れないためにも大切な映画だと思った。地上波でやってなかったら、放送して欲しいな。

現在、見放題配信はAmazonプライムや、u-next、FODで。有名なクラシック音楽が劇中よく使われているが、不思議と合っている気がした。


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監督  トマゾ・バルベッタ

制作年 2024年

制作国 日本、イタリア

時間  30分

映画感想「パッセンジャー」永遠の孤独と倫理観の葛藤を考える

~最悪の状況のボーイミーツガール?永遠の孤独と倫理観~

今回は2016年公開のSF映画。ネタバレあります。

引用:映画.comより

簡単なあらすじ

新たなる惑星へ地球から120年後に移住するため、宇宙船には乗客約5000人が冬眠していた。しかし、30年後にジム(クリス・プラット)だけが一人機械の故障により起きてしまう。ジムは再び冬眠をする方法を探すが、行き詰ってしまう。そんな中、冬眠しているオーロラ(ジェニファー・ローレンス)に心惹かれる・・・

 

ポイント①特殊過ぎる最悪の状況

最初に・・・なんじゃこの状況!!火星に残されるとかではなく・・・・宇宙船で移動途中で起きて一人になるとか・・・・ふざけるなだわ!でも、面白い設定

 

ジムはスポーツしたり、豪華な食べ物食べたり、ロボットのアーサーと話したりしますが、やはり孤独で押しつぶされそうになる。

 

ポイント②悪魔のささやき。最悪の選択

中盤、ジムはオーロラに過去のメッセージなど見て一目ぼれします。寝てるだけのオーロラに。

筆者がめっちゃジムを擁護するなら彼は本当に寂しくて狂うぐらいだったと弁護します!!・・・・・ええ彼はオーロラを冬眠から起こしてしまおうと策を練り始めました・・・・

「止めてえええ」と観客は思ってもジムの情熱は止まらない。いやいやダメでしょ!!

 

オーロラにとってはここで冬眠から起こされるのは人生を奪われるようなもの。ですが、ジムは冷静ではいられない。

まとめ

ジムとオーロラの物語の行方はどうなるのか・・・・観客は倫理観を取るか永遠の孤独を取るべきなのか、悩むことでしょう。それゆえにその後の行動の意味が深く問われていきます。ジムの立場から見るか、オーロラの立場から見るかで映画の見方が変わります。

現在、見放題配信はu-nextで。まあ愛情はすべてを救うってことで・・・賛否両論?


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監督  モルテン・ティルドゥム

公開年 2016年

制作国 アメリカ

時間  116分

出演  ジェニファー・ローレンス

    クリス・プラットなど

映画「グレイテスト・ショーマン」感想

~希望で輝く、人類の謳歌。自らの存在証明~

最近だいぶ寒いですね。今回もよろしくお願いします。では暖かくなる作品を。2017年公開の希望を与えるミュージカル映画。

 

引用:映画.comより

簡単なあらすじ

時代は19世紀、幼い頃から貧しい生活を送っていたバーナムは、良家の娘チャリティと結婚し、娘2人に恵まれる。野心を抱く彼は、社会の偏見にさらされてきた個性的な人々を集め、ショービジネスで一旗揚げようと奮闘。しかし、成功の裏で彼を待ち受けるのは、周囲からの厳しい目や自らの葛藤だった・・・

 

ポイント①勇気があふれる歌「This is me」

バーナムは、個性豊かな人々をスカウトしショーを作り上げますが、成功を収める中で、ショーのメンバーたちを隠すという失態を犯す。

そこでショーのメンバーが歌うのが「This is me」彼女らの何も隠さない人生の謳歌なのだ。力強い歌声と圧倒のダンス、自らの存在を誇る姿・・・このシーンだけでもこの映画の価値がある。

 

ポイント②数々の素晴らしい音楽と映像美

バーナムの野心や挫折、彼を支える仲間たちとの物語が、美しい楽曲と圧巻の映像美で心を響かせる。特に「The Greatest Show」や「Rewrite the Stars」など、耳に残る楽曲が物語を彩り、観客を作品の世界に引き込む。お気に入りの楽曲を見つけてみてください。

 

まとめ

歌のパワーがあふれ、観客にもパワーが伝わり何か行動を起こしたくなるそんな映画だ。落ち込んでいる時、一緒に立ち上がってくれる、そんな映画。闇から希望を照らすような作品。

現在、見放題配信はAmazonプライム、ディズニー+。ヒュー・ジャックマンの筋肉は観れないけど、抜群の表現力はそこにあるね。


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監督   マイケル・グレイシー

制作国  アメリカ

公開年  2017年

時間   105分

出演   ヒュー・ジャックマンなど

映画「スーパーノヴァ」感想

~愛と最後の形についての物語~

今回は2020年制作の映画を紹介です。美しいヒューマンドラマであり、ロードムービー。

 

引用:映画「スーパーノヴァ」公式サイトより

簡単なあらすじ

サム(コリン・ファース)は演奏会のために、20年来のパートナーである作家のタスカ―(スタンリー・トゥッチ)とイギリスをキャンピングカーで旅をする。しかし、タスカ―の秘密によって二人の未来の形が変わってしまう・・・

 

まとめと感想

序盤の会話から、二人がどうしようもなくピッタリの相手であることが伝わってくる。愛情に満ちたやり取りの中に、ユーモアと知性が絶妙に混じり合い、聞いていて心地よく、いくらでも見ていられる。二人が男性同士なのは、演出の自然さから特に気にならなかった。

 

主演のコリン・ファースとスタンリー・トゥッチの演技は、この映画の最大の見どころだろう。特に、二人が交わす目線や仕草には、台詞を超えた深い感情が表現されていた。愛情と喪失感の入り混じった複雑な感情を、これ以上ない形で見せてくれる。

 

筆者が特に好きなのは、タスカーが小さな女の子に星について語る中盤のシーンだ。老いた星は爆発し、その欠片が何年もかけて生物の一部になるという話を静かに伝えるタスカーの姿には、大きな物語を感じさせる。

人間の命や愛もまた、終わりを迎えた後に巡り巡って何かの一部になる――タスカーはそう思ったのだろうか

 

繊細な演技と美しい映像が重なり、観客に静かで深い余韻を残してくれる。最後の二人の選択をそっと見守ってあげて欲しい。見放題配信はhulu、u-next、ABEMAなど

めっちゃ静かに見る作品・・・


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監督  ハリー・マックイーン

制作国 イギリス

制作年 2020年

出演  コリン・ファース

    スタンリー・トゥッチ―など

時間  95分

映画「カルキ2898ーAD」感想

 

~今のインドのSFアクションの現在地がわかるアクション大作??~

 

今年最初の映画レビューです。イオンシネマで観た「カルキ2898-AD」、壮大なSFアクションが展開されるインド映画。

 

 

引用:映画.comより

簡単なあらすじ

時代は未来、2898年。退廃した世界を支配する巨大要塞「コンプレックス」。しかし、ある女性が“運命の子”を宿したことで、反乱軍とコンプレックスの間で激しい戦争が勃発。そんな中、賞金稼ぎのバイラヴァがこの争いに参戦します!

 

ポイント①アンチヒーロー「バイラヴァ」の魅力

主人公のバイラヴァは、怠惰で自分勝手、欲望に忠実という性格で、インド的な笑いの表現もあり親しみやすい。また「インド版アイアンマン」のようなスーツで戦う姿も面白い。アクションの迫力も抜群で、「アベンジャーズ」に出てきてもおかしくない感じ。

 

ポイント②インド世界観とビジュアルの魅力

未来の雰囲気や、巨大要塞「コンプレックス」のセットデザインは凄い。荒廃した世紀末的な世界観は「マッドマックス」を思わせる一方で、インド神話とかのディテールが加わり、アメリカにはない感じに。

 

まとめ

「カルキ2898-AD」は、インド映画の新たな可能性を示す意欲作なのかな?お金かかった派手なアクションと独特なキャラクター、壮大な未来の世界観が融合したエンターテインメント大作。インド映画とは思えないよね。

 

でも長いよ160分・・・いやいやこの展開いる?ってとこもある・・てかここまでやって続編あるんかよ!ダンスもおまけ程度にはあるよ。

 


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監督  ナーグ・アシュウィン

公開  2025年

制作国 インド

時間  168分

出演  プラバースなど