おまえは便所の落書きのつもりでブコメを書いているのかも知れないが、その便所の落書きには受け取り人がいるんだよネットでは

ブクマカだけで議論w してんじゃねーよ

yoppymodel.hatenablog.com
はてなブックマークの攻撃性問題は、ブクマカだけで議論しても無意味である。なぜならブクマカに迷惑をかけられている「被害者」は、ブクマカではなくブロガーだからだ。加害者であるブクマカだけでいくら議論wを重ねたところで、自分たちがいかに楽しく罪悪感を感じずに被害者をいじめるかという話しか出るわけがない*1。


それなりに炎上経験のある有名はてなブロガーで、はてブを好きな人間などいない。今回炎上の中心となっているヨッピー氏は言わずと知れた超有名ブロガー/ライターだし、過去を振り返ってみてもid:fujipon氏、id:p_shirokuma氏ら、名だたるはてなブロガーがはてブを批判している。

fujipon.hatenablog.com
p-shirokuma.hatenadiary.com

前垢から含めて20年近くブロガーとして多数の炎上経験を持つこの私も、ご多分に漏れずブクマカが大嫌いだ*2。

なぜ、ブロガーははてブが嫌いなのか?

その最大の理由は「集団の暴力性」にある。はてなブックマークでコメントするとき、1人1人の人間は「自分の意見を言っているだけ」という感覚でコメントを書いている。それは批判的なコメントをする時も同様だ。しかしその1人1人の小さな「敵意」が数十数百数千と集まったとき。それを受け止める1人のブロガー個人にかかる負荷は想像を絶するものとなる。


これは炎上経験者にしか絶対に分からない感覚だ。分からないからこそブクマカは、↓のようなコメントを気楽に書けるわけだ。

はてブはいまが終着駅 - novtanの日常

基本自分は「公開されているチラシの裏」と思っていたが、数年前までは少しはコミュニティ的参加もあったと思う。でもHagex氏の事件がきっかけで、本当に交流は消え、自分のチラ裏になった感じ。

2023/02/28 04:58
b.hatena.ne.jp
なるほどブコメを書くとき、書いている本人はチラシの裏に書いているつもりなのだろう。便所の落書きを書いているつもりなのだろう。しかしネットではその便所の落書きに受け取り人がいる。同種の落書きを幾重にも受け手に投げつける他人がいる。その集積された便所の落書きの暴力性を、そびえ立つクソの暴力性を、炎上経験のないブクマカ("雑魚"と読む)は知らない。知らないから罪悪感など覚えようがない。

これはマスコミの犯罪報道などからネット上での叩きが加速し時にその家族もが自殺にまで追い込まれてしまう*3、メディアスクラム/ネットスクラム現象とまったく同じ構造だ。1人1人の投げつけた石は極々小さな物でしかないのかも知れない。しかしそれを数十数百数千と受ける事になる個人は、その「集団の暴力」に潰されてしまう*4。

そうした炎上に晒される側は、いつの時代も圧倒的少数派だ。圧倒的少数派の意見は理解されない。顧みられない*5。だから15年以上ものあいだ数多の批判をブロガーから受け続けつつも、はてブの「集団の暴力性」は是正されることなく現代までその野蛮な姿を晒したまま生き残っているのである。



はてなブックマーカーを人間扱いしてはいけない

anond.hatelabo.jp
↑ここまで書いてきたような内容は、長いはてなブックマークの歴史の中で幾度となく批判されてきた。個人への反論が非常に難しい「安全地帯」にブクマカがいることも、ブロガー視点から見たこの問題の腹立たしさを加速させている*6。

そんな歴史のなか20年近くブロガーを続ける私が、この問題についてどのような解決策を考えているのかといえば…


「諦めている」というのがその回答となる。


前述したように1人1人のブクマカは、自らのコメントの暴力性に無自覚だ。そしてそれは間違っているわけでもない。1人1人のブコメの暴力性は、事実取るに足らないものだ。しかしそれが塊となったときの破壊力がヤバいという構造的な問題なのだ。であればブクマカ個人の責任を問うことは難しい。

それに自由な発言が許容されるネットの空気を守っていきたいという気持ちは私も持っている。


であれば攻撃を受ける側であるブロガー自身が自衛に努めるしかない。10年近く前2014年に私が書いた文章を、長くなるが引用する。

ネットの「とおりすがり」を、人間扱いしてはいけない - 自意識高い系男子

ブクマをしている人間なんて、相手の事情も知らず、TVの前でワイドショーにひとことコメントする程度の軽い気持ちでコメントしていく人間がほとんどです。こうした方に、本気で「反論」などしても、相手は面食らうだけでしょう。

ひどい人間になると、相手をサンドバックにしても構わない「コンテンツ」として扱い、ダメージを与えることを目的としてコメントしていく人間すらいます。こうした人間は、何を言っても相手を叩くのに都合のいい「材料」として脳内解釈を行うので、どんなにまっとうな反論を行っても無駄です。

こうした人間が一定数存在するネットでは、性善説的考えは、通用しません。こちらがひとりひとりと真摯に向き合いたいと考えても、相手はこちらをそこまで人間扱いしてくれません。「話せばわかる」は、お互いの信頼関係が一定以上ある人間同士だけで成り立つ話であり、素性も知らない人間同士が文章だけでコミュニケーションするネットでは、通用しないと考えるべきでしょう(非常に残念ながら)。


ネット上で、はてブユーザーのような「とおりすがり」の人間を、1人の人間扱いしてはいけません。あなたの人生にとって、彼/彼女らは「モブ」です。広大なネット上で「とおりすがり」の人間など、所詮その程度のつながりの人間ですし、そうした人間が言うことを、いちいち真に受ける必要もありません。

<中略>

炎上に反論し、「火に油を注いで」しまう方は、基本的に「いい人」なのだと思います。相手を「人間」として見ているからこそ、「話せばわかる」と考え、真摯に接し、理解してもらおうとしてしまう。

しかし、ネット上の人間は、所詮街中ですれ違った「とおりすがり」程度の関係でしかありません。なかには、あなたを傷つけることが目的の、悪意に満ちた人間すら存在します。そんな人間を「真摯に」「まともに」相手したとしても、相手にエサとして消費されるだけ。本当に、人生の無駄です。そんなことで心身を疲弊することは、やめたほうがいいでしょう。

この考えは、10年近く経ったいまでもまったく変化していない。



サイコパスしか生き残れない、インターネットというこの腐海

「ネット民を人間扱いしない」。これはネット有名人になればなるほど自然に身に付けているリテラシーだ。そうなれない「まともな」人間は、炎上に呆れ返り早々にネットから立ち去っていくだけだからだ*7。

生存者バイアス。だからネットから出てくる有名人たちはみな、人を人とも思わないような顔をしている。人を人とも思わないような発言をしている。ひろゆき/はあちゅう/イケダハヤト。ああいうサイコパスしかネットでは生き残れないからだ。

彼/彼女らはネット民を自分たちの養分としてしか見ていない。それは佇まいを見れば一目瞭然だろう。臭い立つ腐臭。だが彼/彼女らにそう扱って欲しいと望んだのは、「おまいら」ネット民なのだ。人間ではなく便所の落書きとして扱って欲しいと自ら願い出たのは、他ならぬ「おまいら」ネット民なのだ。

ひろゆき/はあちゅう/イケダハヤト。あいつらはネットの民意の反映だ。ネットの民意の映し鏡だ。なるほどあいつらはモンスターなのかも知れない。だがそのモンスターを育て上げたのはおまいらだ。ああしたサイコパスしか生き残ることができない腐った土壌に、インターネットを変えてしまったのは他ならぬおまいらなのだ。


そんな腐海でブロガーをやる以上、私もその流儀に従うしかない。この記事はおまいらにクソミソに叩かれるだろう。しかし私にダメージは通らない。私がおまいらを人間扱いしていないからだ。おまいらが私を人間扱いしていないのと同じように。


……


このような考えで殺伐としたインターネット空間に自らを適応させ今日もブログを書いている私だが、本音を言えばこれには寂しさも感じている。私自身がネットに救われた人間だから。20年以上前コミュ障だった私が、初めて得た居場所がインターネットだったから。

「ネット民を人間扱いしない」と決めてから、ネットを通じた新しい出会いは激減した。願わくばかつての牧歌的だった頃のように、私はインターネットでまた「人間」と出会いたい。とうの昔にネット上での人間性を放棄した私だが、心の奥底で、密かに私はいまでもそう願っている。



【ブコメにお返事】ブクマカに批判するなと言うつもりは毛頭ない

おまえは便所の落書きのつもりでブコメを書いているのかも知れないが、その便所の落書きには受け取り人がいるんだよネットでは - 自意識高い系男子

何かを発表するってことは不特定多数から批判される可能性は常にあるものだと思うべきでしょう。批判的な内容ならなおさら。何も攻撃していない映画とか音楽だって内容でクソだなんだ散々言われます。

2023/02/28 23:25
b.hatena.ne.jp

↑を始めあり得ない誤読してる人が散見されるけど私、ブクマカに批判するなとか言うつもり毛頭ないからね。ちゃんと書いてますやん(しかも赤字で)↓。

それに自由な発言が許容されるネットの空気を守っていきたいという気持ちは私も持っている。
であれば攻撃を受ける側であるブロガー自身が自衛に努めるしかない。


そのうえブクマカ個々人の責任ではなく構造の問題だとまで言ってんだけどなー↓。

前述したように1人1人のブクマカは、自らのコメントの暴力性に無自覚だ。そしてそれは間違っているわけでもない。1人1人のブコメの暴力性は、事実取るに足らないものだ。しかしそれが塊となったときの破壊力がヤバいという構造的な問題なのだ。であればブクマカ個人の責任を問うことは難しい。


読まずに(読めずに)適当いってんの丸わかりなんだよ。そういうとこだぞ、ブクマカが嫌われるトコ。



【ブコメにお返事2】最後にいい知らせだ

おまえは便所の落書きのつもりでブコメを書いているのかも知れないが、その便所の落書きには受け取り人がいるんだよネットでは - 自意識高い系男子

<a href="https://twitter.com/akiman7/status/1264218588014993408" target="_blank" rel="noopener nofollow">https://twitter.com/akiman7/status/1264218588014993408</a> ←あきまんのこの漫画のタイトルは「インターネット」

2023/03/01 13:33
b.hatena.ne.jp

↑ほんコレ。教えてくれて感謝。ブコメ、基本クソだけど稀にこういう光るコメントがあるのも事実なんだよね。

ta-nishi.hatenablog.com
ta-nishi.hatenablog.com


*1:かつての2chの「ヲチ対象に触ってはいけない」などはまさにこれだ。アクセス解析とかからすぐ特定されるのは明らかなのに、「自分たちは加害してないですよ。被害者が勝手に見つけてくるんですよ」という言い訳のためだけの「マナー」。本当に「発見されてはいけない」と考えているのなら、ヲチ対象から見つかった瞬間にスレを畳むべきだろう。

*2:ブクマカは嫌いだがホッテントリは情報収集の場として有用性を認めている。

*3:石を投げたほとんどのネット民も、そこまでのダメージを与えてやろうと考えていたわけではないだろうにも関わらず。

*4:商業メディアなど書き手が「アバター」を介した場合このダメージは軽減されるが、生身の個人ブロガーの場合ダメージがもろに通る。「本音」を書くタイプのブロガーほどそうなる。ゆえに個人ブロガーに対するブコメ攻撃は、メディアに対する物よりもより罪深い。

*5:コンテンツとしてのブログがオワコン化し、ブロガーが絶滅危惧種と化した令和の現代ではなおさらそうだろう。

*6:私ははてブだろうとTwitterだろうとブログだろうと、ネットに書いた以上反論される可能性があるのは当たり前だと考えている。ブクマカは自分への反論を「ダサい」などと言い始めるのが本当にダサい。

*7:これは書き手/読み手双方にとって不幸なことだと思うが仕方がない。衆愚の数の論理には勝てない。