ご無沙汰しております

とりあえず生きております。

なんか最近リフレ系ブログがやたら充実してるし、リフレ系書籍も新刊沢山でてるし、日銀批判がマスコミでちらほら出だしてるし、もうあんまりここで書くことないよなーと思ってたらこんなに間があいてしまいました。皆さまお元気ですか。

僕は相変わらず戦前昭和史関連の本ばかり読む日々を過ごしております。昭和天皇から西園寺公望公に浮気して、その後その流れで近衛文麿公とゾルゲ・尾崎関連と旧海軍提督関連の文献を読んでる感じです(ずっと読みたかった細川日記やっと読みました。無茶苦茶面白い!)。ちなみに今個人的にアツイテーマは「反共の昭和史」。段々陰謀論ちっくになってきて我ながらガクブルであります。わはは。いづれ時間ができたら簡単なコメントを付して読んだ本をご紹介したいなあ【いつになるやらsvnseeds】。

というわけで頭の中がほぼ半世紀以上昔を彷徨っておりまして、最近の経済動向にはトンと疎くなっております。海の向こうでは金融機関が国有化されたり、クルーグマン先生がいわゆるノーベル経済学賞を受賞したり、大変なことになってるようですね・・・。ポールソン案がいったん却下されたのを聞いたときには、ああやはり人間とは幸せを相対的に感じるものなのだな、よって民主主義国家においては貧困だけでなく行過ぎた格差についてもある程度は対策が必要なものであることだよなあ(詠嘆)とつくづく思いました。何が行過ぎかを判断するのが難しいんですけどね。って今更杉ですかそうですか。

僕は今般のいわゆるサブプライム問題から引き続く経済環境の変化については非常に楽観的な見通しを持っておったのですが、漸くこの見通しは改めざるべからずと思うに至りました。とは言っても別に世界の終わりとか資本主義の終焉とかドル支配の崩壊とか赤いカニ型怪獣の逆襲(必殺技:蟹光線)とかではなく、韓リフ先生と同様、(日本を除いては)ただの不況(悪くてもただの大不況)だと思っております。早ければ来年の今頃には昔の話になってるんじゃないかなあ【未だ楽観のsvnseeds】。なんともかわいそうに思うのは再来年の就職を控えた学生さんたち。また超氷河期でネオニートとか言われちゃうのかなあ。本当に気の毒です。

一方除かれた日本ですが、これはなんといっても畏くも我が日銀様が生暖かく見守っておいででいらっしゃるので、おかげさまで円は独歩高、株価はなんと26年ぶりの安値更新だそうであります。夏前まで騒がれていたコストプッシュインフレは(当時からその傾向は散々指摘されてましたが)既に沈静化、もうしばらくすればヘッドラインCPIも(物価連動国債やコアコアCPI、GDPデフレータと同様)マイナスになることで御座いましょう。ありがたやありがたや。南無南無。

で、畏き我が日銀様におかれては、我々常人では理解も及ばないくらい遠い(たぶん56億7000万年くらい先の)未来を見据えて生暖かくふぉわーどるっきんぐされておられることがもはや明白でありますので、死すべき定めの我々としては、日銀様の御慈悲に縋らずに何らか別の対策が必要かと愚考いたします。

ということで以下日銀様がいなくても出来る景気対策2つ。こんなのどうでしょう。半分ネタですが半分本気ですよええ。

1. 政府紙幣を財源とし適当な物価水準への回復を目標としたヘリコプターマネーの実施
bewaadさんも書いてますが、全国民に10万円くらいばーんと配っちゃうのはどうすか。効果なければ毎月配る(笑)と。現金でなくても、例えば今や有名人の高橋洋一さんが以前から主張されていた社会保険料の減額なんかも良いと思います。
ちなみにヘリマネじゃなくて減税だと今税金払ってる人だけが対象になるし(つまり税金払いたくても払えない低可処分所得層はスルー)、将来税率戻すこととセットになりやすいんでバツです。
財源については、(将来の増税とか馬鹿なこと言ってる人がいるけどスルーして)いわゆる埋蔵金も良いけど所詮限りがありますからねえ。その点政府紙幣はその気になればいくらでも刷って刷って刷りまくれます。コストはほとんど印刷と流通にかかる費用だけと大変お得です。
ってまあ真のコストはインフレなんですけどそれは畏き我が日銀様が生暖かく見守ってらっしゃるので心配無用であります。というのは冗談で、まあ適当な物価水準目標を置いてそれにコミットすれば良いんじゃないでしょうか。
蛇足ですが累進強化はデフレ脱却後であれば賛成です。

2. 日銀法の再改正
これ最強。もう此の際、政策委員の皆さまには全員金箔でも貼り付けてご隠居頂いてですね、もうちょっと常人に近い普通のタイムスケール(例えば半年〜1年半程度先)で普通にforward lookingできるよう、日銀のこーぞーかいかくをしてはどうかと。
以下私案概要。

  • 物価安定の目標、および政府と日銀の役割分担を明確にする。具体的には、政府が目標を設定し、金融政策の手段においては日銀の独立性が担保されるものとする
  • ただし目標は厳格に適用されるべきでなく、いわゆる「制約下の裁量」の余地を残すものとする。なお「制約下の裁量」については韓リフ先生の解説を参照のこと
  • 金融政策の結果に対する責任を明確にする。例えば、設定された物価安定の目標を外した場合は総裁が議会において説明を行うことを義務付ける、長期に亘り目標を外し続けた場合は政府もしくは議会が正副総裁の罷免を行うことを可能とする、等
  • 上記に関わらず、一定期間デフレーションに陥った場合は、金融政策の手段においても日銀の独立性は失われるものとする。具体的には、例えば2四半期を超えてインフレ率(GDPデフレータ and/or コアコアCPI)がマイナスとなった場合には、政策委員として政府が指定した者が新たに加わることとし、4(もしくは6)四半期を超えてインフレ率がマイナスとなった場合には、正副総裁を含む全政策委員は政府が指定した者と交代する(但し留任は認める)こととする、等
  • 日本銀行を、金融政策を決定する組織と日々の金融調節オペレーションを行う組織とに解体分離する。詳細は以前のエントリをご参照

とか書いてたらこんなニュースが。中銀だけじゃなくて政府も財務省も頭おかしいって一体どんな国ですか・・・orz

面子重視で大陸から撤退できなかった旧陸軍、予算が減ったり陸軍に吸収されることを恐れて米国とは戦えないと言えなかった旧海軍、足の引っ張り合いの挙句みっともない自殺をした政党、理念先行の「改革」に熱を上げて軍部を担いだ官僚、蛸壺の中で向こう見ずの威勢だけは良い主張を繰り返した言論人、発行部数競争の結果大衆迎合的な記事ばかりとなったマスコミ、そして長く続く不景気の中で悪者探し・他者叩きに熱中した世論。こういうゲンナリする光景はもういい加減歴史の中だけにしたいなあああ。

あああまた馬鹿馬鹿しくなってきた。もう知らない。

日銀の利下げ、国際協調に重要=与謝野経済財政担当相
2008年 10月 28日 10:54 JST

 [東京 28日 ロイター] 与謝野馨経済財政担当相は28日、閣議後の会見で、日銀の金融政策に関して、政策金利を0.25%に下げても経済効果は全くないとしながらも、諸外国が金利を下げたときに日本が金利を下げるのは国際協調の証を立てる意味で重要と語った。

 一方で、金利水準と為替水準の関係は遮断されており、金利を据え置いても引き下げても為替水準への影響は乏しいと語った。

 日銀の独立性を尊重する与謝野経済財政担当相が、日銀の金融政策に踏み込むことは極めて異例。10月3日の記者会見では金融政策の役割について「日銀の(政策金利の)誘導水準の引き下げは実際上の効果はない。潤沢な資金供給が日銀の金融政策としては正しく、効果がある」と述べ、利下げによる景気浮揚効果に疑問を呈していた。

 ところが、世界的な金融危機の影響で景気後退感が強まるなか、今日の会見で与謝野担当相は利下げの意味に踏み込み、日本の利下げも選択肢となりえるとの認識を示唆した。 

 日銀の利下げの是非について与謝野担当相は「日銀の金利政策については、政府が積極的に発言をすることは日銀法で予定されていない。仮に意見があれば、政策決定会合に出席し、議事を延期してもらうか、意見を申し上げる正規の手順を踏むべきであって、会見で私が金利水準について発言することは好ましくない」と切り出した。 

 一方、欧米では金融緩和観測が強まっており「協調利下げの環境になってきたか」との質問には「日銀の金利水準は0.5%で、0.5%に据え置いても、0.25%に引き下げても、経済に対する効果は全くない」とする一方で「象徴的な意味はもつ」と指摘。さらに「各中央銀行が金利を下げたときに、日本もそれに伴って金利を下げるのは、国際協調の重要な証をたてるという意味で大事だ」と述べ、日銀の一段の金融緩和は経済効果は乏しいが、政策当局の姿勢を示す象徴的意味と国際協調の観点から重要との認識を示した。

 一方、金利政策に伴う為替への影響に関しては「為替レートと普通は関係するであろう日銀の金利と、いま関係が遮断されている」とし、欧米が利下げをし日本が金利水準を据え置いた場合に円高が加速し好ましくないのではないかとの質問には「日本が0.5%の水準においていてもさらに下げても、為替水準にはほとんど影響しないだろう」とした。

 <ここ1週間の円高はファンダメンタルズを反映していない> 

 また、最近の円高進行に懸念を示した7カ国財務相・中央銀行総裁会議(G7)の緊急共同声明に関しては「ここ1週間の動きは、目を見張るような円高の進行で、これは決して日本経済のファンダメンタルズをきれいに反映したものとは考えられない」と指摘。「為替の過度な変動、ボラティリティが必要以上に高くなることが好ましくないことは通貨の専門家の共通した常識で、それに基づいた声明だ」と評価した。 

 <追加経済対策は30日に発表へ> 

 策定中の追加経済対策については自民・公明党間で「相違点はそう多くない」と述べ、きょう午前の調整で大きく決着に向けて踏み出すことになるとの見通しを示し、30日の最終決着は「守られている」と語った。

 (ロイター日本語ニュース 吉川 裕子記者)

http://jp.reuters.com/article/topNews/idJPJAPAN-34564720081028