The Spirit in the Bottle

旧「小覇王の徒然はてな別館」です。movie,comics & more…!!!

愛と平和とライダーの成長と 仮面ライダー平成ジェネレーションズFINALビルド&エグゼイドwithレジェンドライダー

 2018年ももう1月が終わり。寒さに震えておりました。何より今年は元旦こそ劇場で映画を観たものの、そこから先まだ劇場へ行けていないのです。その元旦に観た映画は「仮面ライダー」最新作。仮面ライダー平成ジェネレーションズFINALビルド&エグゼイドwithレジェンドライダー」タイトルが長い!の何回目かを観に行ったのでした。これは「MOVIE大戦MEGAMAX」以来の傑作ですぜ!

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  • 物語

 「エニグマ、起動!」

平行世界移動装置=エニグマを使った何者かの企みによって、

二つの世界が一つになろうとしていた。

一つは、仮面ライダービルドとして戦う桐生戦兔たちがいる世界。

もう一つは、仮面ライダーエグゼイドとして戦っていた、宝生永夢たちがいる世界だ。

この事件の黒幕は、ビルドの世界の東都政府の元・研究員だった最上魁星。

彼は二つの世界をドッキングさせることによって、

すべてを消滅させ、自らは「永遠の命」を手に入れようとしていたのだ。

人類に残された時間は、あとわずか。

地球最大の危機に、伝説の彼方に去ったはずの、あの戦士たちが立ち上がった・・・・・・。

ビルド、エグゼイド。そしてオーズ、フォーゼ、鎧武、ゴースト。

6人の仮面ライダーが、世界の消滅を阻止するため、いま力を合わせる――!!

  えー、張り切ってあらすじ書いたんですが、トラブルで消えてしまったので(同時に再び書く気力も消えた)、パンフレットのSTORYから引用しました。なのでかなり端折ったものとなっていますが、詳細は追々触れていきたいと思います。

 今年はまだスーパー戦隊の方の「VSシリーズ」が全然情報が上がってこず、もしかしたらないのかもしれませんが、代わりと言ってはなんだけどこちらのライダー映画が最高なのでぜひ観に行ってほしいです。

 この「平成ジェネレーションズ」は今回が2作目。系列的には「MOVIE大戦」の現行ライダーと前年のライダーのクロスオーバー作となる。ただそれ以外のライダーもがっつり関わってくるのが「MOVIE大戦」と違うところか。とはいえ平成と言う年号が来年で終了予定であることからこのシリーズはここで打ち止め。とはいえ新たなタイトルでまた作られることでしょう。

 「MOVIE大戦」シリーズは大きく3つのパートに分けて、前年のライダーの後日談エピソード、現行ライダーの新作エピソードを経て二人のライダーが共闘するMOVIE大戦パートに至るのが特徴だったが、それは「ゴースト&ドライブ」及びタイトルを「平成ジェネレーションズ」に変えた前作の「Dr.パックマン対エグゼイド&ゴーストwithレジェンドライダー」では踏襲されず一本のエピソードとして描かれました。今回も基本的には一本の長いエピソードではあるのですが、何しろテーマがパラレルワールドであり、終盤までビルドとエグゼイドが直接交わることがないこともあって二分割でこそないけれど、二つの世界のエピソードをちょくちょくザッピングしながら楽しむと言う感じでしょうか。

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 これまで何回か書いたと思うのですが、スーパー戦隊の「VSシリーズ」が割りと一定のクオリティを保っているのに比べると仮面ライダーのクロスオーバー作品は出来不出来が激しいです。より低年齢向けのスーパー戦隊のほうが多少の矛盾を物ともせず力づくで押し通せる勢いの良さがあると言う部分もあるのですが、仮面ライダーのそれも春映画は色々中途半端なものが多いです。

 一応これまでの平成仮面ライダー第2期(仮面ライダーW以降)は同じ世界観の物語といってよくその世界を貫く存在が財団Xでした。なので前作エグゼイドまでは多少の矛盾はあれど同じ世界の物語といってよいでしょう。しかしビルドは違います。10年前に火星から持ち帰ったパンドラボックスによって日本は北都、東都、西都の3つの国家に分裂し覇を競っている、という完全に新しい世界です。なのでどうしてもクロスオーバーさせるなら平行世界を移動ということになります。仮面ライダーの平行世界物ではなんといっても個人的にワーストでもある「仮面ライダーディケイド」が真っ先に浮かんでくるため、不安だったのですが幸いエグゼイド以前を一つの世界、そしてビルドの世界と二つに絞ったため、パラレルワールドテーマの作品としてもこれまでのライダー映画では最良のものとなりました。

 今回脚本は「エグゼイド」と「ビルド」のそれぞれのTVシリーズのメインライター高橋悠也と武藤将吾が共同で担当。まず片方が脚本を書き、それをもう一方が自分の担当したライダーの描写を修正しつつ第二案を書き、それを受け取ったらもう一回自分のライダーの描写を修正しながら書き、とキャッチボールしながら書いたそう。お陰で両ライダーのエピソードとしてもこれまでのTVシリーズの補完としても優れたものとなっています(ちょっと矛盾はあるかも)。

仮面ライダーエグゼイド」は実は平成ライダー2期の中で最もノれなかった作品で、そのせいで前作は劇場では見逃してしまいました。後半になってクロノスが現れたり、檀黎斗が檀黎斗神になったり、九条貴利矢が復活したあたりからハマった感じ。なので「エグゼイド」関連の映画は観ていなかったりしたのですが、物語は「トゥルーエンディング」(レンタルで見ました)からつながっています。映画のラストに突然現れてエグゼイドのパワーをボトルに吸収するビルドの描写がそれ。今回の映画はそこから始まります。戦兔は身に覚えのないその行為を葛城がビルドとして行ったもの、と推理(最も「トゥルーエンディング」でのビルドの口質、口調は明らかに戦兔ノそれなのだが)。これらはのちにTVシリーズの方で戦兔が顔を変えられ記憶を失った葛城巧その人、と判明したことで見事につながります。

 なので永夢自身は終盤まで変身しません。そこで他のゲーマドライバーたちのチームとしての活躍が光ります。ブレイブ、スナイプ、レーザーはもちろん、ゲンムまで。ただ個人的に一番好きなシーンは病院でカメラがワンショットで階段から降りていき、エグゼイドチームが毛布や水をやりとりしながら永夢とタケル(ゴースト)の元まで辿り着くシーンが妙に格好良くて変身後のシーンよりも好きです。

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 勢揃いした平成ライダー。オーズだけオフロードタイプのバイクじゃないためジャンプしたりしないです。オーズのライドベンダーは量産型(オーズ、バースはもちろん鴻上ファウンデーションの他の隊員なんかも使用していた)ので後半でオーズ専用機登場するかと思ったけど結局フォームチェンジはあれど最後までライドベンダー一体だけでしたね。最近は仮面ライダーのオートバイの描写が薄い気はするなあ。

 今回僕が観に行った大きな理由は二つ。ひとつは現行ライダーの「仮面ライダービルド」が面白いこと。そしてもうひとつは仮面ライダーオーズ仮面ライダーフォーゼがレジェンドライダーとしてしかも渡部秀三浦涼介福士蒼汰がちゃんと顔出しで出演すること。なんといっても特に「仮面ライダーW」「オーズ」「フォーゼ」の3作品は僕が最も好きな平成仮面ライダー。現在「W」も漫画「風都探偵」で続編展開中です!

風都探偵(1): ビッグ コミックス

風都探偵(1): ビッグ コミックス

 
風都探偵(2): ビッグ コミックス

風都探偵(2): ビッグ コミックス

 

 「仮面ライダーオーズ」からは火野映司とアンクが登場。ちゃんと「MOVIE大戦MEGAMAX」でのアンクとの別れと約束を踏まえた展開でその復活と再びの別れは涙なしでは見れません。多分映画史上最も感動的で美しくそしてエロチックにアイスキャンデーを舐めるシーンがある映画だと思う。アンクはその魂とでもいえる鷹のコアメダルを割れた状態で映司が所持しているわけですが、今回は財団Xの科学者でもあるエグゼイドの世界の最上魁星が用意した人造のコアメダルから生まれた偽アンクの身体を依代として一時的に復活した、という設定の模様。割れたコアメダル自体は修復しないので結局また消えることになるのですが、未来への希望は残した展開。

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 そしてフォーゼ!こちらは新米教師としての如月弦太朗を見ることが出来ます。新米教師といえば「MOVIE大戦アルティメイタム」。この作品では(公開時から見て)5年後の世界で教師として、新・天ノ川学園高校に在籍していましたが、今回はあの映画から5年ということで、その直前の出来事。セリフで城島ユウキの乗ったスペースシャトル打ち上げとそのサポート役としてロシアに行った歌星賢吾のことが語られます。

 フォーゼは主演の福士蒼汰の活躍こそ目覚ましいものの、仮面ライダー部はじめ一部の出演者には割りと不幸といっていい出来事が続いています。歌星賢吾役の高橋龍輝は引退。ほのかりんは未成年飲酒などで事務所解雇。第一話で賢吾にラブレターを渡す生徒役で出演した冨田真由はストーカー事件の被害者となりました。そして城島ユウキ役の清水富美加は突然「幸福の科学」へ出家すると行って全てをうっちゃってしまいました。今回エンドクレジットではそれぞれの作品のTVの時のダイジェストともいえるスナップが出てくるのですが、「フォーゼ」のところは慎重に清水富美加が写っているカットを排除していたなあ。とにかく僕は「フォーゼ」が好きすぎるので出てたキャストは全員幸せになってほしいと願ってやみません。f:id:susahadeth52623:20180114034426j:image

 弦ちゃんは「アルティメイタム」でフォーゼドライバーを廃棄するのですが、今回はその直前それでも多分久々のフォーゼとしての活動といったところなのでしょうか。決して出番は多くないですが紛れも無い弦ちゃんの活躍が見れます。仮面ライダー部からはJkと大杉先生が登場。

 他は仮面ライダーゴーストと鎧武が登場。ゴーストは「平成ジェネレーションズ」前作でエグゼイド「と共演済みなので割りとエグゼイドのブレイブたちとともに行動。タケル殿は多分年齢的には今回一番年下でやっと大学に受かった一年生といったところ。ライダーとしてはエグゼイドやビルドより先輩ですが立場上永夢には敬語になりますね。この映画の一番の笑いどころは御成と檀黎斗神の仏と神の会話です。

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この後姿は御成でした。

 神といえば鎧武ですが、鎧武の世界自体はおそらくWからエグゼイドにつながる世界ですが、彼はなんといっても神様なので一人ビルドの世界へ現れます。多分今後シリーズが続く上でビルドのような明らかにこれまでと違う世界観の作品も出てくると思うのですが、そこでそれらをつなぐ役割をするのが鎧武なのではないかと思います。

 先ほどタケル殿が一番若い、と書きましたが、じゃあ仮面ライダーとして一番後輩は誰なのかというとそれは仮面ライダークローズである万丈龍我ということになります。エグゼイドはすでに一年戦ってきましたし、戦兔も番組が開始した時点ですでにビルドとして活動履歴が半年~一年ありそうです。また本人は覚えていませんが葛城としてのビルドの経験もあります。また戦兔はあの性格なのでパラドやエグゼイド、他のライダーに対しても特に後輩ぶりません。

 しかし万丈は番組も開始してから、映画公開の直前(この映画は14話直後ぐらいだたと思われます)仮面ライダークローズとなりました。まだまだ新米ライダー。当初は恋人の敵と自分にかけられた殺人容疑を晴らすためという個人的な動機が中心で、この映画を通して先輩ライダーと接することで仮面ライダーとしての自覚と責任に目覚めることとなります。両方の世界で物語は彼の視点となることが多いようです(最近また暴走気味ですが)。

 今回の敵はパラレルワールドの両方に存在する二人の最上魁星。それぞれ性格は違いますが、この二人の同一人物がそれぞれエニグマを作り合体させることで世界の破滅と不死身のバイカイザーとなることが目的。性格の異なる二人の最上魁星を大槻ケンヂが演じています。

 ラストは北都のあらたなるライダー仮面ライダーグリスが登場してTVに続く形をとって終わり。この映画ではクレジットは「???」ですがTVの方では絶賛活躍中で演じているのは「仮面ライダーキバ」の紅音也こと武田航平武田航平こと紅音也は「キバ」の中ではイクサ、ダークキバなどに変身しましたが、これらは全部他の登場人物も変身しているので今回始めて武田航平オリジナルのライダーということになります。ちなみに息子の紅渡は月曜日に女装してドレス作ったり、かまどの火と一緒に料理したりしてます。


『仮面ライダー平成ジェネレーションズFINAL』予告篇

 さて、本作の監督は「仮面ライダーゴースト」のオリジナルビデオを監督し、「エグゼイド」のTVシリーズを手がけた上堀内佳寿也。劇場用映画作品としてはこれが初監督作品となります。最初長い名前過ぎて「上堀・内佳・寿也」かと思った。今回は脚本がよく出来ていたことこもありますが、絵作りも素晴らしく(先述したエグゼイドチームの病院のシーンなどセンスが光る)、坂本浩一監督と並んで今後特撮ヒーロー系では注目したいです。

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 とにかく面白いから観て!