日本一有名な非実在犯人?三億円事件 モンタージュ
ヤングマガジン連載中の渡辺潤の「三億円事件奇譚 モンタージュ」第3巻他何冊か新刊漫画を購入。これは1968年12月10日、三億円事件が起きたまさにその日に生を受けた作者・渡辺潤によるサスペンス。

- 作者: 渡辺潤
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- 発売日: 2010/10/06
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簡単に言うと銀行職員のボーナスを乗せた現金輸送車を白バイに乗った犯人が止め「爆弾が仕掛けられていると通報があった」と車から離れさせ、発炎筒を発火させ、そのまま偽装白バイを捨てて現金輸送車で去っていた、という物。事件自体はスマートで犠牲者のいない事件(奪われたボーナス3億円は保険でまかなわれ無事職員に支払われた)とも言われたらしいが犯人扱いされ自殺した人がいたりけっして犠牲者が出なかったわけではない(捜査費用も3億円をはるかに越える9億円)。

- 作者: 渡辺潤
- 出版社/メーカー: 講談社
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物語
2004年の長崎。父親と暮らす少年、鳴海大和は10歳の時幼馴染の小田切未来(12歳)と怪我をした老刑事を発見する。彼はヤマトの父親が鳴海鉄也だと知るとこう告げる。
その夜、父親は帰ってこず、ヤマトは小田切家に引き取られ成長する。2010年、ヤマトは父親の残した剣道の前垂れの中から三億円事件の証拠品である番号を控えた500円札を発見する。やはり父親は三億円事件の犯人なのだろうか。再び事件が動き始める・・・
主人公のヤマトが2010年時点で16歳高校一年生なので当然事件の当事者ではない。ヒロイン未来の父親(重要人物で500円札発見と同時に行方不明になる)でさえ事件当時は赤ん坊という設定。ヤマトと未来は軍艦島で3億円を発見し謎の警官関口に殺人の罪を擦り付けられ逃亡中。
3巻では過去に遡り1966年。事件の実行犯と思われる川崎雄大という人物が長崎から上京し生活する様子が描かれている。しかし現在の人物との関連はまだ分からない。どうやら雄大の知り合いの刑事が現在政府与党の幹事長を務めている、ということが明かされて3巻は終わる。ただ、ヤマト達との関連はまだ明かされない。
渡辺潤といえば木内一雅の原作で10年以上に渡って連載した「代紋TAKE2」が有名だが、あの長大なヤクザ漫画を連載する中で陰謀とか裏社会とかを手がける力を物にしていったに違いない。その後の「RRR」も最初は青春ボクシング漫画かと思ったが終盤はボクシングサスペンスとなっていた。
また、絵柄もいい。「代紋TAKE2」のころは長期連載に及ぶため、初期のヘタウマだったころ、中期の原作者の弟、きうちかずひろの「BE-BOP-HIGHSCHOOL」風の絵柄*1を経て、後期には独自の絵柄になっていた。今回は主人公が高校生ということもあってヤクザ風の人物も勿論いるのだが、女の子が可愛かったりする。元々この作者のファン(僕の暴力団に関する知識はほとんど「代紋TAKE2」から得ている)でもあったので先が楽しみな作品。
三億円事件といえばそれだけで一ジャンル築けるくらい色々と映像化されているのだが、個人的には織田裕二が出演した「新説・三億円事件」というドラマが記憶に残っている。実行犯が少女だったという「さすがにそれはないだろ」という宮崎あおい主演の「初恋」なんてのもある。一番最近だと「ロストクライム -閃光-」。
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そのほか
ハカイジュウ 3巻
以前紹介した怪獣漫画第3巻。例によって体育教師が暴走、本性を現す。娘と偽ってた高校生も自分が手を出して懲戒免職にあっていたのだった。ところがこの体育教師緊急時には思わぬ怪力を発揮することが判明。とりあえず決定的な仲間割れにはならず。
まあこの辺の展開は読めていたのだが、それよりも驚くべきことが判明。主人公達は立川の映画館(立川シネマシティ)に逃げ込んでいたのだがそこにいた老夫婦が驚愕の事実を漏らすのだ。
「おぼえてるかい?
10年前この映画館を買い取った時のこと」
「…もちろんですよ
あなた
やっと夢が叶ったって
大喜びでしたから…」
「まだ10年だ…
やりたい映画は
たくさん残っている
ゴダールやトリュフォー……
フェリーニも
やりたいなあ…」
「ふふ・・・
今の人には
ウケませんよ
あなた」
ええっ!ここって立川シネマシティでしょ。絶対こんな老夫婦が経営する映画館とは違うよ!
それにあそこで名画座みたいなことやってたなんて聞いたことないんだが。まああくまで架空世界の立川ってことか。

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今日の平丸先生

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*1:僕が最初に読み始めたのは府中刑務所編であり、そのころは木内氏が作画、渡辺氏が原作と勘違いしていた時期があった