貧乏姉妹物語 第10話 「風邪と約束とお母さんの日」(最終回)
今回で「貧乏姉妹物語」の最後の感想になります。
冒頭では、きょうがお母さんと会話している回想シーンが描かれています。
お母さんのお腹を見ると妊娠中でしたので、まだあすが生まれる前になります。
この時にきょうはお母さんと大切な約束をしたという事になっているのですけど、
いったいそれがどんな約束なのかが気になります。
初回の冒頭シーンでもお母さんとの約束については少し語られていましたので、
この最終回にしてようやく一番の重要ポイントが明かされるというわけですね。
きょうは雨が降っている時も新聞配達をしていたので風邪を引いていました。
そこであすがお粥を作ってあげたり、体を拭いてあげたりと看病してあげます。
いつもお姉ちゃんの事を思って色々とお世話をしてあげているのですけど、
今回はさらに気を使ってあげている感じだから大変そうに見えます。
きょうが妹の看病のおかげで元気に復活してくれたのは良かったのですけど、
今度は逆にあすの方が凄い熱を出して倒れこんでしまいました(汗)
自分の体が苦しい状態でもお姉ちゃんの事を心配して看病をしていたから、
お姉ちゃん以上に症状が重くなってしまったような感じですね。
当然、きょうは妹の事をかなり心配して気が動転してしまっていました。
あと、大家の源三さんも付き添ってくれていたのでとても助かるでしょうね。
もうこの源三さんは姉妹のピンチには必ず手を差し伸べてくれそうです。
今回は姉妹の絆だけじゃなく、周囲の人達との繋がりなんかも描かれています。
おそらく、姉妹関係の大切さ以上に伝えたいポイントになっていると思います。
きょうは妹の事が心配で病院に泊まり込んでまで看病をし続けていました。
お母さんが病院に運ばれたまま天国に旅立ってしまったという辛い経験が
あるから、どうしてもその時の事が頭をよぎって不安になるのでしょう。
あと、この時にきょうがお母さんと交わした約束というものが明かされます。
それは「あすを守ってあげる事」でした。
だから、きょうは妹の体調に気付いてやれなかったので後悔していたかな。
「私、何にも出来ないんだ・・・。あすがいないと何にも出来ないんだ・・・。
こんなんじゃ、あすを守るなんて出来ない。出来るわけないよ(>ω<)」
ひとまず、入院中のあすが何とか回復しつつあったので一安心でした。
ただ、きょうは、あすのいない生活の大変さを改めて思い知らされる事になります。
あすがいなければ何も出来ないと思って自己嫌悪に陥っていましたわ。
その上、お母さんとの約束を守れていない事を考えるとショックなのでしょう。
この作品はどちらかと言えば、あすの方をやや重点に置いて描かれるのですけど、
この最終回ではきょうの方をメインにして描いているのが印象に残ります。
アイキャッチ♪
他にも、蘭子さんや銀子やクラスメイトの人達もあすのお見舞いに来てくれました。
たった2人きりの姉妹ですけど、このように他の人達とも交流が広がっていますね。
日頃はなかなか気づかないものですけど、本当は皆のサポートがあって生活が
出来ているような事を示しているようにも見えました。
ただ、きょうは自分がいなくても妹は大丈夫ではないかと思ってしまって、さらに
落ち込んでしまいそうになっていたかな。そのまま見舞いをしないで帰っちゃうし(汗)
「お母さんは私の笑顔を見て笑っていたんだ・・・。」
きょうは通りかかった河原のタンポポ畑を見て、昔の自分を思い出していました。
毎日花を摘んでからお母さんの見舞いに行ってあげていたのですけど、お母さんは
タンポポの花のように笑顔を見せくれる娘を見て喜んでくれていたようです。
ここできょうは妹の前では不安そうな表情ばかり浮かべていた自分に気づきます。
どうしても家事とかを最優先に考えて上手くサポートしようと思いがちになりますけど、
笑顔を見せるという単純な事も必要だというのが分かったのも大きいと思います。
これはお母さんが天国から教えてあげていたのかもしれませんね♪(*´ω`*)
きょうは面会時間外でも関係なく病院に駆けつけていました。
お母さんに渡した時と同じように笑顔でタンポポの花をプレゼントしています。
あと、メッセージなんかも見せてあげていたシーンはちょっと感動的だったかも♪
あすはお姉ちゃんがお見舞いに来なかったのでとても不安を感じていましたけど、
これでもう安心して体を治すことに集中できそうです。
こうして見ると、この2人は常に笑顔を見せ合うくらいじゃないと、お互いに安心して
過ごせないようになっているのかもしれません。それほど仲が良い姉妹です♪(^ω^;)
あと、あすまでもお母さんとの約束を交わしていたので驚いてしまいます。
どうやらお腹の中でお母さんが語り掛けてきた言葉を感じ取っていたみたいね。
ちなみにあすがお母さんと交わした約束というのは「お姉ちゃんを守る事」です。
つまりお母さんは娘達に助け合いながら生きてほしいと願っていたのでしょう。
だから2人は極端なほど相手の事を思いやるシーンがよく見られますけど、
それは全てお母さんからの約束を果たしていたという意味でもあったのかも。
とにかくこれからも2人は仲良くアパートで過ごしていってほしいと思います。
「私達はとっても幸せです♪」
金銭面的には確かに貧乏な生活を送っている山田姉妹でしたけど、お互いに笑顔で
前向きに頑張っている姿を見ると、決して貧しい生活をしているとは思えません。
いざという時には支えてくれる知人も多くいるので、そういう点においては他の誰よりも
豊かな生活をしているようにさえ思います。
だから2人の最後の締めの言葉として、このセリフが出てくるのでしょう。
この言葉を聞けば、きっと天国のお母さんも安心しているはずですよね♪
★総評★
タイトルから少々暗い印象を受けてしまうようなアニメ作品だったのですけど、
内容的には今流行りの日常癒し系に通じるものがあったように思います。
見ていると癒されるというか、心が温まるような感覚を覚えさせられました。
全てのエピソードにおいて良いストーリーを取り揃えていたのも良かったです。